パン作りにぴったりの国産小麦「ゆきちから」の魅力
近年、国産小麦を使ったパンの人気が高まっていることから、パン作りに向いた新しい小麦品種の改良が進んでいます。
そのひとつに「ゆきちから」という小麦があるのをご存じでしょうか。
今回は、ゆきちからについて詳しく解説。おすすめのレシピもご紹介します。
ゆきちからとは
ゆきちからとは、タンパク質含有量が多く、製パン性に優れた国産のパン用小麦。
収穫期が比較的早く、寒さや病気に強い品種として、東北地方で研究・開発されました。
最初は、うどん用小麦の新品種として開発がスタート。一度中止された後に、国産パン用小麦の需要が高まり、研究を復活させ誕生したという小麦。
名前の由来は「根雪に負けない耐寒雪性をもち、小麦粉とパンの内相色(クラムの色)が雪のように白い」ことに因んでいるんだとか。
ゆきちからの3つの特徴
1.優れた製パン性
タンパク質含有量が多く、製パン性が優れているのが、この小麦の一番の特徴。
岩手県で行われた製パン試験では、食パン・テーブルロール・フランスパンのいずれでも良好な結果が得られたそうです。
リッチな配合からリーンな配合のパンまで使用できる小麦粉なのですね。
2.明るく白い色味
一般的に製パンに向く小麦粉は色がくすみがち。ですが、ゆきちからは明るく白い色の粉になるのも特徴。
もちろん、焼き上がったパンのクラムも明るく白い色に。
3.風味豊かなもっちり食感
ゆきちからは、小麦の風味豊かで甘みのある、もっちりとした食感のパンが焼き上がります。
他の素材とも合わせやすいので、ナッツやフルーツを練り込んだり、サンドイッチにしたりするのも◎
ゆきちからで作るイングリッシュマフィンのレシピ
もちっとした食感のイングリッシュマフィン。香りはもちろん、小麦のおいしさがダイレクトに伝わります。
材料(6個分)
- ゆきちから…200g
- 上白糖…4g
- 塩…4g
- インスタントドライイースト…2g
- 水…110g
- 牛乳…40g
- 無塩バター…6g
- コーングリッツ…適量
作り方
- ホームベーカリーなどのこね機に、無塩バターとコーングリッツ以外の材料を入れて8~10分間、無塩バターを加えて8~10分間こねる。
- 28~30℃で約50分間一次発酵。
- 6個に分割して丸め、約15分間ベンチタイム。
- イングリッシュマフィン型にオイルスプレーをして、コーングリッツを振る。
- 成形をする。
- 30~32℃で35~40分間最終発酵。
- 型のふたをして、180℃で15~18分間焼成。
- 出来上がり。
フィンガーテストをして、表面に指穴が残れば発酵終了。
オーブンの予熱スタート。230~240℃に設定して、天板も一緒に温める。
丸め直した生地全体にコーングリッツをまぶしつけ、型に入れる。
おすすめの食べ方はトースト!
クラストはカリッと香ばしく、クラムはふんわりモチモチ。粉の香りと甘みもアップし、周りにまぶしたコーングリッツの香ばしさに負けないおいしさです。
「イングリッシュマフィン」の詳しいレシピページはこちら。
プレーン・エピ&ベーコン・エピのレシピ
フランスパンにも向いているゆきちから。ソフトフランス生地で作る香りと風味が豊かなエピのレシピです。
材料(プレーン・エピ2本、ベーコン・エピ2本計4本分)
- ゆきちから…200g
- 砂糖…4g
- 塩…4g
- インスタントドライイースト…2g
- 水…130~136g
- 無塩バター…4g
- ベーコンスライス…2枚
- 粒マスタード…適量
作り方
- ホームベーカリーなどで生地をこね、28~30℃で約50分間一次発酵。
- 4個に分割して約15分間ベンチタイム。
- 成形。
- とじ目を下にしてパンマットに並べ、30~32℃で35~40分間最終発酵。
- オーブンシートにのせ、ハサミで切り込みを入れてエピの形に。
- 220~230℃で約15分間焼成すれば出来上がり。
<プレーン・エピ>
生地を手のひらで押さえてガスを抜き、楕円にのばす。
向こう側から1/3折り、向きを変えて同様に1/3折る。半分に折ってとじ目をとじて棒状にする。
<ベーコン・エピ>
プレーンと同様に生地をのばし、ベーコンをのせて粒マスタードを塗る。
向こう側からベーコンがかくれるように折り、もう半分に折ってとじ目をとじる。
「ベーコン・エピ&プレーン・エピ」の詳しいレシピページはこちら。
ゆきちからでおいしく楽しいパン作りを
寒さや病気に強く、製パンに向いている小麦開発から生まれた「ゆきちから」。
食パンをはじめ、ロールパンやフランスパンまでいろいろなパン作りに大活躍してくれそうです。
ぜひ、おうちでのパン作りに取り入れてみてくださいね。