コーンスターチについて、詳しく知ろう!
お菓子作りで「コーンスターチ」と書かれているレシピをたまに目にしますよね。でも、コーンスターチを常備しているお宅というのはあまりないのでは?
では、同じような見た目の「片栗粉」で代用することはできるのでしょうか。
今回は、コーンスターチについて詳しく解説。片栗粉との違いについて検証します。
コーンスターチと片栗粉の違いを確認!
コーンスターチも片栗粉も同じ「でんぷん」。
見た目や触り心地は似ていますが、原料や用途が異なります。
コーンスターチとは
コーンスターチとは、とうもろこしを原料とするでんぷん。
小麦粉のようにグルテンを形成しないという特徴があります。
パンケーキやクッキーなどの小麦粉の一部をコーンスターチに置き換えると、サクッと軽い食感に。
また、とろみをつける効果があるため、カスタードクリームを作るときに使用されます。
片栗粉とは
片栗粉とは、じゃがいもを原料とするでんぷん。バレイショでんぷんとも呼ばれています。
昔は「カタクリ」というユリ科の植物の根茎が原料でしたが、原料不足のため現在ではじゃがいもで作られています。
片栗粉は加熱して温度を上げるとコーンスターチよりとろみがつきやすく透明になるので、あんかけなどの中華料理に使われやすい製品。
唐揚げなど揚げ物の衣に使われることもあります。
検証1.カスタードクリーム
実際にカスタードクリームを作る時に、片栗粉を使用するとどうなるのでしょうか?
今回は比較のために薄力粉のカスタードも作り、コーンスターチのカスタード、片栗粉のカスタードと3種類を比べてみました。
材料
- 卵黄…1個(20g)
- グラニュー糖…25g
- 薄力粉またはコーンスターチまたは片栗粉…10g
- 牛乳…100ml
*比較のため、薄力粉とコーンスターチと片栗粉は同じ分量にしました。
*カスタードクリームはしっかり冷やした後、なめらかに混ぜ合わせたものを比較しました。
薄力粉のカスタード
- 見た目:とろっとしていてなめらか。
- 味・食感:まったりとしていている。少し濃厚な味わい。コクがある。
コーンスターチのカスタード
- 見た目:形を保ちやすい。
- 味・食感:粘度はあるけれども歯切れがよい。薄力粉のカスタードよりあっさり。
片栗粉のカスタード
- 見た目:ぼてっとした感じ。
- 味・食感:弾力がありモチモチとしている。粘りがあって、クリームのようにやわらかくない。
結論
粘りの順番は、小麦粉<コーンスターチ<片栗粉。
カスタードクリームを作る場合、片栗粉ではコーンスターチの代用品にはなりません。作れることには作れますが、弾力が出すぎてカスタードクリームのなめらかな食感にならないのです。
コーンスターチがなければ、薄力粉でカスタードを作るほうがおすすめです。
カスタードクリームには薄力粉で作るレシピとコーンスターチで作るレシピがあり、コクがありなめらかなカスタードがいいなら薄力粉、あっさりとした味で形を保ちたいのならばコーンスターチと、味の好みや作るお菓子によって違うようです。
今回、比較のために薄力粉とコーンスターチを同量にしたので、少しかためのカスタードができましたが、コーンスターチの割合を減らすと、もう少しやわらかいカスタードができます。また、薄力粉とコーンスターチを合わせて作るレシピもあります。
検証2.パンケーキ
では、パンケーキにコーンスターチを入れるレシピを片栗粉で作ってみたらどうでしょう。
今回は、薄力粉とコーンスターチ(または片栗粉)の割合を10:1で作ってみました。
見た目はあまり変わりません。
食べ比べてみたところ、味や食感もほとんど変わりない仕上がり。
どちらも薄力粉だけで作るよりも、ふわっと軽い食感になります。
結論
コーンスターチや片栗粉の分量を増やしてしまうと差が出てきてしまうと思いますが、少量加える分にはあまり変わらないようです。
コーンスターチも片栗粉もグルテンが含まれていないので、少量加えることで生地の粘りを押さえて、ふんわりとした食感がでるのです。
コーンスターチの特性を知って、使いこなそう!
今回のコラムでは、コーンスターチについてご紹介し、片栗粉との違いについて検証しました。
コーンスターチと片栗粉。似ていますが性質が異なります。
カスタードクリームはコーンスターチを片栗粉で代用することはできませんが、パンケーキのような焼き菓子で少量加える分には代用できそうです。
お菓子作りをしていて「コーンスターチ」とレシピにあるとき、薄力粉で代用したほうがいい場合と片栗粉でも代用できる場合があるので気をつけてくださいね。