ホームベーカリーで失敗する原因を知ろう
材料を入れてスイッチを押すだけでパンが焼き上がるホームベーカリー。おうちで簡単にパンが作れるので、人気の調理家電のひとつですよね。
でも実は、パンが上手に膨らまないこともあるんです。
ホームベーカリーでパンが失敗するのはなぜなのでしょうか?
その原因と対策について解説していきます。
ホームベーカリーの焼き上がりは毎回変わる
パンは、季節・室温・湿度・水温・粉の種類、その他の材料などによって発酵の具合が大きく変わるもの。
手ごねで作る場合は、目視で生地の状態をチェックできるので、適正な焼き上がりになるように、発酵時間や温度を調整しながら作業を進めることが可能です。
一方、ホームベーカリーの場合は、時間や温度が設定されていて、いつも同じ。
そのため、季節や室温の影響を大きく受け、膨らみ方や焼き色など焼き上がりが毎回変わるのです。
ホームベーカリーの失敗例
失敗するとどんなパンが焼き上がるのでしょう。
具体的な失敗例を挙げながら、その原因を考察してみます。
膨らみが悪い
原因1.室温や水温が低すぎる
室温が低いときに冷たい水を使うと、発酵不足になります。
原因2.ドライイーストの働きが悪い
ドライイーストは、古かったり保存状態が悪かったりすると、発酵力が弱くなります。
原因3.粉類が古い
粉類が古いと、膨らみが悪くなることがあります。
原因4.材料の計量が正確でない
水・砂糖・ドライイーストが少ないと、発酵不足になることがあります。
原因5.材料の量が少ない
パンケースの大きさに対して材料が少ないと、膨らみが悪く見えます。
膨らみすぎる
原因1.室温や水温が高すぎる
室温が高いときに常温の水を使うと、過発酵になります。
原因2.材料の計量が正確でない
水・砂糖・ドライイーストが多いと、過発酵になることがあります。
原因3.材料の量が多い
パンケースに対して材料が多いと、生地が溢れてしまいます。
折れる・しぼむ
原因1.水分が多い
水分量が多いと、焼き上がったパンの側面や上部がへこみやすくなります(「腰折れ」といいます)。
原因2.過発酵
過発酵になった生地は、焼き上がった後にしぼんでしまうことがあります。
原因3.ホームベーカリーに入れたまま放置している
焼き上がった後も、ホームベーカリーに入れたままにしていると、蒸気で腰折れしたりしぼんだりします。
ホームベーカリーで失敗せずにパンを焼くためには?
季節や室温の影響を受け、パンの焼き上がりが変わりやすいホームベーカリー。失敗せず、できるだけ安定したパンを焼くために何をすべきでしょうか。
こねから焼き上がりまでの工程を全てホームベーカリーに任せる場合は、作業途中の調整は難しいもの。
最初の工程、パンケースに材料を入れる際に注意すべきポイントがいくつかあるので、それを押さえましょう。
パンケースに材料を入れる際の5つの注意点
1.材料は新しいものを使う
特に、ドライイーストと粉類が古いと膨らみが悪くなるので要注意!賞味期限の確認を。
2.材料は正確に計量する
スプーンや計量カップではなく、はかりを使いましょう。0.1g単位で量れるデジタルスケールがおすすめです。
3.仕込み水の温度を調整する
寒い時期(室温10度以下)の仕込み水は、約30℃のぬるま湯に。
暑い時期(室温25度以上)の仕込み水は、約5℃の冷水にするなど、調整を。
4.ドライイーストと、塩・冷水は離して入れる
塩や冷たすぎる水には、イーストの発酵力を弱めてしまう働きがあります。
直接触れない位置に置くなど、気を配ると◎
5.寒い時期や暑い時期は、タイマーの使用を控える
水の温度調整をしても、タイマーをかけている間に室温に影響を受けてしまいます。
発酵不足や過発酵を防ぐためにも、真冬や真夏のタイマー使用は控えたほうが安心です。
ホームベーカリーで焼きたてパンを楽しもう
ホームベーカリーでのパン作りに適した室温は、20℃前後といわれています。これは暑くも寒くもなく、人にとっても過ごしやすい環境。室温が高いときや低いときは、注意が必要です。
失敗する原因を理解して、ホームベーカリーで焼きたてのパンをお楽しみください。