ドイツの代表的なパン プレッツェルを作ろう
ユニークな形とつややかな褐色の焼き色が目を引く「プレッツェル」。
ドイツのパン職人組合の紋章や、パン屋さんの看板・ロゴマークにも使われています。
今回は、本格的なプレッツェルのレシピをご紹介。プレッツェル作りに欠かせない「ラウゲン液」についても解説します。
プレッツェルとは
プレッツェルとは、小麦粉で作られるドイツ発祥の小型パンの一種。ドイツ語では、「ブレッツェル」または「ラウゲンブレッツェル」といいます。
語源はラテン語の「腕」を意味し、腕組みをしているような形からこう呼ばれるようになったとか。また、「愛」を意味しているという説もあります。
ドイツ全土で作られていますが、特に好まれているのは南ドイツ。
塩味が効いてカリッと香ばしい味わいはビールのお供としておなじみですが、甘いタイプもあります。
プレッツェルの光沢のある褐色の焼き色は、焼成前に専用のラウゲン液に浸して焼いているから。この工程は、他のパン作りに見られない特徴です。
ラウゲン液について
ドイツ語でアルカリ溶液のことを「ラウゲン液」といい、苛性ソーダを溶かして作ります。
苛性ソーダは強アルカリ性で、ご家庭での取り扱いには注意が必要な薬品。
これだと、ちょっと作りにくいですよね。
代用するなら、お菓子やお料理で使う重曹(弱アルカリ性)がおすすめ。
重曹に含まれているアルカリの効果で、メイラード反応がより強くなり、あの褐色の焼き色を付けてくれます。また、独特な香りと風味をプラスし、乾燥を防ぐ効果も。
プレッツェルのレシピ
プレッツェルを作る際のポイントは3つです。
- 生地にツヤが出るまでしっかりこねる。
- 発酵時間は短めにする。
- 生地を傷めないように休ませながら成形する。
材料(5個分)
生地
- 準強力粉…200g
- インスタントドライイースト…3g
- 塩…4g
- 水…110g
- 無塩バター…8g
重曹液(ラウゲン液)
- 水…1000ml
- 重曹(食品用)…40~50g
トッピング
- 粗塩…適量
使用する道具
- ボウル
- カード
- めん棒
- クッキングシート
- オーブンシート
- 鍋
- 裏ごし器
- ゴム手袋
- パーリングナイフ
下準備
- 15cm角の正方形に切ったクッキングシートを5枚用意する。
- 250℃でオーブンの予熱をスタート(成形後)。
作り方
- ボウルに生地材料の準強力粉~塩までを入れて混ぜ、水を加える。8割ほど混ざったら無塩バターも加えてひとまとめにする。
台に出して15分間ほど、なめらかになるまでよくこねる。
- 28~30℃で30分間発酵。
- 5個に分割して丸め、20分間ベンチタイム。
- 成形。とじ目を下にして置き、めん棒で長さ30cmくらいにのばす。
- 裏返してとじ目を上に。向こう側から手前に向かって1/3くらい巻く。
- 片方の手で生地の手前を軽く引っ張り、もう片方の手は巻いた部分にのせて巻く。
- 中央から両端に向かって転がしながら、中心部分が太く、両端が細い45~50cmのひも状にのばす。
*ひも状にする工程は、生地を傷めないよう注意!生地の緊張をほぐすイメージで2~3回に分けて行いましょう。
- 生地を馬蹄形に置き、両端を持って手前で1回交差する。
もう1回交差させたら、端を持ち上げて空間を3つ作る。
- 端をしっかり貼りつけて留める。
- カットしたクッキングシートに生地をのせ、32~35℃で30分間発酵。
- 重曹液を作る。
鍋に水と重曹を入れて沸騰させたら、弱火にする。裏ごし器(または穴じゃくし)にクッキングシートごと生地をのせ、30秒間くらい浸す。
*手が荒れることがあるので、ゴム手袋をはめて作業してください。
- オーブンシートに並べ、切り込みを入れて粗塩をトッピング。
- 220~230℃で12~15分間焼成すれば、出来上がり。
「プレッツェル」の詳しいレシピページはこちら。
おすすめの食べ方
香ばしく焼き上がったプレッツェルは、焼きたてが一番の食べ頃。まずはシンプルにそのままをお楽しみください。お好みでバターを塗っても◎
サンドイッチもおすすめです。ハムやチーズなどをはじめ、「あんバター」も合いますよ。
そしてやはり、プレッツェルといえばビールとの相性が抜群。ドイツ人のパン職人さんからレシピとともに教わったのは、レバーペーストとビールの組み合わせでした。
動画でおさらい
ドイツの国民食ともいえるプレッツェル
ドイツでは小腹が空いたときはもちろん、朝食から夕食にも登場する人気のパン「プレッツェル」。
手軽に食べることができるので、日本だとおにぎりに近い存在でしょうか。
また、企業などのさまざまなキャンペーンや顧客への感謝の気持ちとして、プレゼントすることもあるんだとか。
焼きたてがおいしいプレッツェル、おうちでも作ってみてくださいね。