スペイン・マヨルカ島の伝統的な菓子パン
スペインのマヨルカ島で長年、島の人々に愛されているおやつが、エンサイマーダです。
今回は、魅力あふれる異国のパン、エンサイマーダの作り方をご紹介します。
エンサイマーダとは
エンサイマーダとは、スペインのマヨルカ島の伝統的な菓子パンです。
西地中海に浮かぶマヨルカ島は青い海と街並みが美しく、スペイン王室も御用達の人気リゾート地として知られています。
エンサイマーダはスペイン語で「ラード(豚の脂)」という意味を持ち、その名の通りバターの代わりにラードをたっぷり使います。
マヨルカ島の料理はラードがベースになっているのだとか。
外はサクッと中はふんわり軽い食感で、ほんのり甘く、噛むたびにラード特有のコクと風味がじゅわっと口の中に広がります。
薄くのばした生地にラードを塗り、クルクルと巻いて棒状に。さらに渦巻き状に成形して焼き上げることで特徴的な食感が生まれるんです。
エンサイマーダのレシピ(4個分)
マヨルカ島で長年愛される菓子パン、エンサイマーダのレシピをご紹介します。
サクサク・ふわふわ・じゅわっと食感をお楽しみください♪
材料
- 強力粉…200g
- 水…70g
- 全卵…50g
- 砂糖…40g
- 塩…3g
- インスタントドライイースト(耐糖性)…3g
- ラード…5g
- ラード(フィリング用) …60g
- 粉砂糖(仕上げ用)…適量
下準備
- 材料を常温に戻す。
- 暑い時期以外は、水を人肌程度に温めておく。
作り方
- ボウルに水を入れ、ドライイーストを加えて溶かし、全卵・砂糖を入れて混ぜる。
強力粉・塩を加えてドレッジでよく混ぜる。水気がなくなれば台に出して手でこねる。 - 生地がつながってきたらラードを混ぜ込み、台でこねる(15分間以上)。
*生地がべたつきやすいが、台に叩きつけるようにしっかりこねる。ホームベーカリーなどこね機を使用してもOK。 - 表面がなめらかになればこね上がり。
生地をひとつに丸め、とじ目を下にしてボウルに入れる。ラップをかけ、30℃くらいの暖かい場所で一次発酵(50分間ほど)。*環境によって発酵のスピードが変わるので、時間ではなく生地の大きさで判断する。生地が約2.5倍の大きさになれば発酵完了。
- パン生地を手で押さえてガスを抜き、ドレッジで4等分にして丸める。乾燥しないようにボウルをかぶせ、10分間ベンチタイムを取る。
- 台に打ち粉をし、めん棒で生地を18cm四方の正方形に薄くのばす。
生地の縁を1cm空けてラード15gを塗り広げる。 - 生地をくるくる巻いてとじ目をとじる。棒状に整え、打ち粉をしたバットの上に並べる。
残りの生地も同様に成形し、ラップをかけて冷蔵庫で10分間休ませる。 - 台の上で生地をコロコロ転がし、40cm程度の細長い棒状にする。台に並べる。
残りの生地も同様に成形する。 - 渦巻きの形にゆるめに巻き、オーブンシートを敷いた天板にのせる。
外側の端は生地の下に入れ、発酵時に外れないようにする。 - 30℃くらいの暖かい場所でひと回り膨らむまで二次発酵(45分間ほど)。
発酵が終わるタイミングにあわせてオーブンを200℃に予熱しておく。 - 200℃のオーブンで10分間ほど焼き色がつくまで焼く。
- 冷めたらお好みで粉糖を振って出来上がり。
「エンサイマーダ」の詳しいレシピページはこちら。
レシピのポイント
おいしく作るためのちょっとしたコツをお教えします。
打ち粉を使用する
ベタつきやすい生地です。分割・成形の際には台だけでなく、手にも打ち粉(分量外)を使用しましょう。
作業効率がよくなり、生地を傷めずに済みます。
休ませながら成形する
サクッふわっとした食感を出すには、生地をできるだけ薄くのばし、ラードとの層を作るのがコツ。
無理矢理のばすのではなく、めん棒を使用して少しずつのばします。
巻いて棒状にしたあと細長くのばす前に、必ず冷蔵庫で休ませましょう。生地が冷えて落ち着き、スムーズにのばすことができますよ。
ラードならではのくせになる美味しさを楽しんで
今回のコラムでは、マヨルカ島で愛されるラードを使った菓子パン、エンサイマーダの作り方をご紹介しました。
ラードのパンと聞くと「どんな味?」「美味しいの?」と気になりますよね。
外はサクッ、中はふんわりとエアリーな食感。ラード特有のコクとジューシーさが口の中に広がり、王道のバターを使ったパンとはひと味違うくせになる美味しさなのです。
マヨルカ島にはなかなか訪れにくいもの。ぜひこのレシピで異国のパンを味わってみてくださいね。