プリンのおいしさを決める「す」について知ろう!
材料は、卵・牛乳・砂糖の3つだけ。ハンドミキサーも必要ない。シンプル極まりないお菓子、プリン。
いざ作ると、お店で売っているモノとは違うものが出来上がる。なんてことありませんか?
その多くの理由は「食感」ではないでしょうか。
プリンの一番の醍醐味であるあの口当たりのよい食感が、「す」が入ってしまうことで台無しに…。どうすると「す」が入るのか、探ってみましょう。
「す」とは?
「す」とは、プリンにぽこぽこと空いてしまった穴のこと。
どうして穴ができてしまうのでしょうか。穴の中身はどこへいってしまったのでしょうか?
原因は「熱」にあり
卵が含んでいるタンパク質が加熱されることでプリンは固まります。そのタンパク質によってプリンが固まる温度は60~70℃。これは水の沸騰する温度(100℃)より低いのです。
つまり、プリン液を高温で加熱すると、水がふつふつとしながらタンパク質が固まる。そして、水は水蒸気として抜けてゆく。それが「穴」、そう、「す」になるのです。
プリンをやわらかい温度で加熱することが、「す」が入らないコツとなるのです。
失敗しないプリンのつくり方
はじめに、僕のおウチで失敗しないプリンのつくり方を紹介しますね。
容器(今回はガラス製バターケース)にカラメルソースを注ぐ。Mサイズの卵2コと砂糖40gをボウルに入れてホイッパーで混ぜる。そこへ温めた牛乳を濾し入れて混ぜ、ソースの入った容器に注ぎ、表面の気泡を取り除く。容器より一回り大きいバットに 布巾を敷き、容器を乗せ、お湯をプリン液の高さまで注ぐ。アルミ箔を被せ、160℃に予熱したオーブンで30分加熱。粗熱とって冷やして完成。
これで、我が家では「す」の入らないプリンができます。
「す」が入るときってどんなとき?
しかし、オーブンの種類によって加熱の具合が違うので、同じレシピがどのご家庭でもうまくいくとは限りません。そこで、どういうコトをすると「す」が入ってしまうのか実験してみます。そこから、「す」が入って失敗したときに、何から気をつけるといいのかを考えます。
実験1.オーブンの温度を変更
「熱」がポイントということで、まずはオーブンの温度を変えてみます。こちらはオーブンの温度を160℃から180℃に変更したもの。ご覧の通り、「す」が全体にたくさん入ってしまいました。口当たりが凹凸のせいでよくありません。どうやら、オーブンの温度は「す」の大きなカギになりそうです。
実験2.布巾を外す
布巾を底に敷くのは下火の当たりを和らげるためなんだそう。湯たんぽの包みたいなイメージでしょうか。こちらが布巾を敷かずに作ったもの。キチンと「す」が入らないプリンができました。
実験3.お湯の量を変更
そもそも湯煎焼きする理由は、乾燥を防ぐことと熱を柔らかくするため。これも、「熱」に関わることなので、ぜひ比較してみましょう。こちらがバットの湯量をプリン液の高さの半分にしたもの。こちらもキチンと「す」が入らないプリンができました。
実験4.焼き時間を変更
こちらは焼き時間を30分から60分に延ばしたもの。温度を180℃にしたときほどではありませんが、カラメルに近い部分に「す」が見られます。
どうやら、焼き時間でも「す」が入るようです。しかし、通常の倍の焼き時間にしても少し「す」が入る程度なので、「焼きすぎ」が主な原因となることは少ないのではないでしょうか?
表面の「す」はどうする?
プリン内部の「す」ではなくて、表面の「す」も口当たりが良くないですよね。これは、プリン液をオーブンに入れる前のひと手間で解決できます。
プリン液を注ぐと表面に泡ができますよね。あれがオーブンで加熱することで固まると「す」になるのです。
ですから、 キチンと表面の泡を取り除くことで、表面の「す」のないプリンができますよ。
結論
1.「す」が入って失敗したら、まずオーブンの温度を調整してみよう!
2.それでもダメだったら、焼き時間を短くしてみよう!
3.オーブンに入れる前に表面の泡は取り除こう!
さて、今回の「試し焼き実験」はお役に立ったでしょうか?オーブンの違いで加熱の具合は大きく違いますので、ご家庭のオーブンのクセを知って、美味しいプリンをご家庭でも作れるようになりましょう!