小麦粉の種類について学ぼう!
パン・お菓子作りに欠かせない小麦粉。
種類も多く、それぞれに特徴がありますよね。
そのため、「どれを選んだらいいのかわからない」「使い分けに悩む」なんて方も多いのでは?
今回は小麦粉の中から、“全粒粉”と“グラハム粉”について詳しくご紹介いたします♪
小麦の基礎知識
小麦は、表皮・胚芽・胚乳から成り立っています。
小麦の断面を描いた下のイラストを見ると、イメージしやすいのではないでしょうか。
表皮は約15%。ふすまと呼ばれる硬い殻で、繊維質やタンパク質・カルシウムなどが含まれています。
胚芽は約2%。脂質・タンパク質・ミネラル・ビタミンなど栄養素がぎっしり含まれた部分。
胚乳は全体の約83%を占め、これが小麦粉になります。
全粒粉とは
通常の小麦粉は、胚芽や表皮を取り除いて製粉したもの(お米でいう精米)。
小麦を丸ごとそのまま挽いたものが、全粒粉です(お米では玄米になりますね!)。
表皮まで挽いているため茶褐色で、香ばしく風味豊かで歯ごたえのある食感になるのが特徴。
食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富で、小麦粉よりもGI値が低いため、血糖値の上昇も緩やか。
小麦粉に比べて低カロリー・高タンパクなのもうれしいポイントです。
グラハム粉とは
グラハム粉は、全粒粉の一種。しかし、製粉会社により挽き方や粒度が異なり、日本では明確な定義がないとのこと。
一般的には、胚乳部分を小麦粉と同じ細かさに挽き、表皮と胚芽を粗挽きにして混ぜ合わせたものをグラハム粉と呼ぶことが多くあります。
全粒粉と比べて粒が大きく、ざらざらしているのが特徴の一つ。
ビタミンや必須アミノ酸・食物繊維が豊富に含まれています。
小麦粉・全粒粉・グラハム粉をふるって比較してみた
小麦粉・全粒粉・グラハム粉の粒のサイズにどれほど違いがあるのか、茶こしを使ってふるってみました。
小麦粉(今回は薄力粉)
抵抗なく、サラサラときれいに落ちました。
全粒粉
ふるい途中、少し大きめの粒が残りましたが、最終的にはきれいに落ちました。
サラサラの粉が大半を占めますが、少し粒も入っているということが分かります。
グラハム粉
細かい粉は落ちましたが、それは全体の2割ほど。大きな粒が8割ほど茶こしの中に残りました。
全粒粉に比べて粒のサイズが大きく、また大きな粒の量が多いことが分かりました。
全粒粉とグラハム粉を使い分けるなら?
香ばしい風味や適度な歯ごたえを楽しみたいときは全粒粉。
プチプチとした粒の食感を楽しみたいときはグラハム粉。
そんなふうに使い分けをするのもよいかもしれません^^
膨らまない?全粒粉やグラハム粉を使うときの注意点
違いが分かったところで、次は使用する際の注意点をご紹介しましょう。
栄養価の高いものは、なんとなく多く配合したくなりますが、ご注意を。
全粒粉もグラハム粉もどちらも小麦粉とはいえ、通常の製粉の際に取り除かれる胚芽・表皮が含まれているため、多く配合すると、生地の膨らみや食感などに悪影響を及ぼす場合があります。
まずは粉に対して、10~20%ほどの配合でお試しください。
その後、お好みの風味・食感になるよう、調整されるとよいでしょう^^
また、パン作りなどで使用する際、グラハム粉のかたい粒が気になる場合は、水で一晩ふやかしてから使う方法もあります(お湯の場合は数時間でもOK)。
薄力?強力?全粒粉の種類
一言で「全粒粉」といっても、「薄力タイプ」と「強力タイプ」があるのをご存じでしょうか?
「薄力タイプ」の全粒粉は、薄力小麦を丸ごと挽いたものでお菓子作りにおすすめ。
「強力タイプ」の全粒粉は、強力小麦を丸ごと挽いたものなのでパン作りに◎
作るものにあわせてお選びくださいね。
微粉砕タイプも
全粒粉には「微粉砕タイプ」というものがあり、従来の全粒粉よりきめが細かくサラサラしているのが特徴です。
微粉砕タイプの全粒粉であれば、粉量の100%を置き換えてパンを作ることも可能。
その際は加水量を調整するほうがよさそうです。
違いを知って、おいしく使おう!
全粒粉とグラハム粉の違い、理解していただけたでしょうか?
独自の風味・食感を楽しめるパンやお菓子をぜひ作ってみてくださいね♪