パン作りで知っておきたい!副材料を加える意味
パンを手作りするうえで、材料一つ一つに役割があることを、ご存じでしょうか?
メインとなる主材料に副材料をプラスすることで、さまざまな効果を生み出すことができるパン。
今回はパン作りの材料の中でも、副材料と呼ばれる「砂糖」「油脂」「乳製品」「卵」の4つにスポットを当ててご紹介します。
知っておくと、今後のパン作りにきっと役立つ事間違いなし!
まず知っておきたい!パン作りの主材料とは?
パンの基本となる主材料は「小麦粉」「酵母」「塩」「水」の4つ。
主材料のみで作るパンはシンプルなぶん、じっくり時間をかけて発酵させ、生地を熟成させて作ります。
4つの主材料で作る代表的なパンは、フランスパンなどのリーンなハード系パンが多いかと思います。
では、パン作りにおいて主材料以外の副材料とは何か。
次の見出しから、順番にご紹介していきます。
副材料その1.砂糖
主材料4つの他にパン生地によく使われるのは、「砂糖」ではないでしょうか?
グラニュー糖・上白糖・きび糖・ブラウンシュガー・黒糖などなど、糖分の種類はさまざま。
そしてパンの種類に応じて、はちみつやメープルシロップなどの液糖を使用することもあります。
砂糖の役割・効果
砂糖はパンに甘みを与える以外にも、ブドウ糖と果糖に分解され、イーストの栄養源(ご飯)となる大切な役割があります。
焼成段階では、メイラード反応やカラメル化反応によってクラストの焼き色が良くなるという効果も。
そして、砂糖の保湿性により水分が蒸発しにくくなるため、焼き上がったパンの老化防止にも役立ちます。
砂糖を使ううえでの注意点
甘いパンを作りたいからといって、むやみやたらに砂糖を入れてしまうと発酵などに影響を及ぼすこともあるため、注意が必要です。
また、上白糖には転化糖が含まれるため、グラニュー糖に比べて甘みが強くコクがありますが、水分も含んでいるためべたつきやすい生地になることも。
副材料その2.油脂
次に「油脂」。
バター・マーガリン・ショートニング。場合によっては、オリーブオイル・サラダ油・ごま油などの液体油脂を使うこともありますね。
油脂の役割・効果
油脂には生地中のグルテンをコーティングして生地の伸展性を良くし、伸びのいいボリューム豊かなパンに焼き上がりやすくするという役割があります。
生地の水分蒸発を防ぎ、パンの老化を遅くする効果も。
また、バターを加熱すると風味が増すため、パン生地に独特の風味やコクをもたらしてくれます。
特に菓子パンは、バターの香り・風味を味わえると、よりおいしく感じますよね。
無味無臭の食用油脂であるショートニングは、風味に影響させたくない場合や、サクサク食感やパリッとさせたい場合におすすめです。
副材料その3.乳製品
「乳製品」はどうでしょう。
パンには、脱脂粉乳や牛乳、生クリームやヨーグルトなどを使用することがあります。
乳製品の役割・効果
乳製品には、パンにミルク風味をもたらすという役割があります。
牛乳に含まれる乳たんぱくと乳糖は、加熱するとメイラード反応とカラメル化反応が促進されるため、パンの焼き色をより鮮やかにしてくれる効果も。
脱脂粉乳を使ううえでの注意点
脱脂粉乳は乳たんぱくや乳糖などが凝縮されているため、牛乳に比べて添加量が少なくすみます。
保存しやすく、家庭でも使いやすい素材のひとつです。
しかし、吸湿性がいいため湿気に弱く、すぐにダマになってしまうという、欠点も。
計量後はすぐに粉と混ぜ合わせるなど、取り扱いには気を遣いましょう。
副材料その4.卵
最後に「卵」。
菓子パンやブリオッシュなど、リッチなパンに欠かせない材料です。
卵の役割・効果
卵黄には、パンの風味・ボリューム・食感・クラスト・クラムの色に影響を与えるという役割があります。
独特のまったりとした風味をもたらしてくれ、卵黄に含まれるカロテンによってパン生地が黄色く色付きます。
そして、卵黄に含まれるレシチンが材料の乳化を促進することで、やわらかな生地になり、ボリュームが増した口どけの良いパンとなるのです。
また、老化を遅くする働きもあります。
卵を使ううえでの注意点
卵は個体差があるため、「個数」で配合すると思った仕上がりにならないことも。
「グラム」でしっかり計量することが大切です。
副材料の特徴を知って、パン作りをレベルアップ♪
パン生地に加える副材料の役割や効果について、ご理解いただけたでしょうか。
レシピどおりに何気なく使っている材料にも、「なぜ配合するのか?」「どうしてこの量なのか?」など、必ず意味があるのです。
それぞれの特徴を知ったうえで、日々のおうちでのパン作りをお楽しみくださいね^^