まん丸フランスパン「ブール」を作ろう
フランスパンといえば、バゲットやバタールが有名。でも、同じ生地で作られるフランスパンの形にはバリエーションがあって、それぞれに名前が付けられています。
今回はその中から、丸型のフランスパン「ブール」の基本のレシピをご紹介。
絶品のアレンジレシピや、おいしい食べ方もお教えします。
「ブール(Boule)」とは
ブールとは、フランスパン生地で作られるパンのひとつ。フランス語で「ボール、丸」という意味です。
フランス語でパン職人をさす「ブーランジェ」や、パン屋をさす「ブーランジュリー」の語源となったパンともいわれています。
標準的な生地重量は、バゲットやバタールと同じ350g。同じ生地、同じ生地重量でも、成形の違いで味わいにも違いが出てきます。
ブールは丸く成形することで、気泡の入ったクラムの割合が多くなり、ふんわりモチモチとしているのが特徴。
クラストは薄くてやわらかです。
食べ方としては、スライスしてトーストやサンドイッチにすることが多いよう。
お菓子みたいなパン「スイートブール」との違い
「ブール」という響きから、人気レシピの「スイートブール」を連想される方もいらっしゃると思います。
スイートブールは、カステラ生地やクッキー生地をパン生地の上に絞って焼き上げた「菓子パン」。
なんと、フランスパンのブールが名前の由来だそうですよ。
基本のブールのレシピ
砂糖や油脂、乳製品の入らない、基本のブールのレシピです。
材料
- 小麦粉(準強力粉)…210g
- 水…136~140g
- モルトパウダー…0.1g(入れなくてもOK)
- ドライイースト…0.4g
- 塩…4.2g
下準備
- 成形が終わったら、オーブンを250℃で予熱する。天板も一緒に温める。
作り方
- ボウルに準強力粉とモルトパウダーを入れ、水を加えて粉気がなくなるまで混ぜる。
ラップをかけ、室温で30分間オートリーズを取る。オートリーズについて
詳細は、コラム「オートリーズとは?おうちで本格バゲットレシピ」をご参照ください。
- インスタントドライイーストを加え、見えなくなるまで混ぜる。
- 生地を台に出してこね、イーストがなじんだら塩も加える。
- 全体がなめらかになるまでこねたら、室温(25℃前後)で60分間発酵。
- パンチをする。手のひらでやさしくガスを抜き、左右から1/3ずつ、向こう側と手前側からも1/3ずつ折り畳む。
- 保存容器に入れて、冷蔵庫で一晩(15~20時間)発酵。
- 冷蔵庫から出した生地を丸め、生地の温度が18~20℃になるまでベンチタイム。
- 成形をする。手のひらで軽く押さえてガスを抜き、丸める。
- とじ目を下にしてパンマットにのせ、両側からひだを立てる。
- 28~30℃で50分~60分間最終発酵。
- オーブンシートに生地を移動させ、クープを格子状に入れる。
*生地表面を少し乾燥させると、クープが入れやすい。
- 予熱したオーブンの庫内に霧吹きで水をかける。
220~230℃で約30分間焼成すれば、出来上がり。
「ブール(Boule)」の詳しいレシピページはこちら。
失敗を防ぐ成形のポイント
ブールは、生地に力を加えすぎないように注意しながら、きれいな丸い形を作ることがポイントになります。
成形作業時は、下記に注意して行いましょう。
- 手のひらでやさしくガスを抜く(無理に引っ張ったり、つぶしたりしない)
- 手に力を入れて強く丸めない(生地を締めすぎない)
焼き上がったもののクープの一部が盛り上がるように大きく開いてしまった場合は、生地を締めすぎた可能性があります。
次回は、力加減に注意して成形してみてください。
アレンジレシピ:チーズとベーコンのブール
鉄板の組み合わせ、「チーズとベーコン」を包んで焼き上げたブール。アツアツを召し上がれ。
材料(2個分)
- 基本のブールの生地…全量
- プロセスチーズ…80g(8mm角にカット済みを使用)
- ベーコン…60g(1cm角に切る)
作り方
- 基本のブールの生地を2個に分割して丸め、ベンチタイムをとる。
- 成形をする。1個当たり、プロセスチーズ40gとベーコン30gを包む。
- パンマットに並べ、両側からひだを立てる。
- 28~30℃で40分~50分間、最終発酵時間をとる。
- 生地をオーブンシートに移動させ、はさみで十字に切り込みを入れる。
- 250℃に予熱したオーブンの庫内に霧吹きで水をかけ、220~230℃で20分~25分間焼成すれば完成。
「チーズとベーコンのブール」の詳しいレシピページはこちら。
ブールを楽しむ、おすすめの食べ方
ブールは、料理との組み合わせが楽しめる食事パン♪
簡単なひと手間でおいしさ◎の、おすすめの食べ方をご紹介します。
サンドイッチ2種
シンプルな「ハム&チーズサンド」と、たっぷりツナと野菜を挟んだ「ツナサンド」。
タルティーヌ2種
クリームチーズにディルを加えて爽やかに。「海老とハーブクリームチーズ」。
美食家のパセリ「チャービル」は卵と好相性!「チャービルのスクランブルエッグ」。
トッピングも華やかな一皿です。
ブールのパン・バニャ風
南仏のサラダ風サンドイッチ「パン・バニャ」をアレンジ。
中身をくり抜いたブールにオリーブオイルを塗って、サラダをたっぷり盛り付けます。
ふわもち食感のフランスパン・ブール
やわらかいクラムを楽しむフランスパン、ブール。
しっとりもっちりとした食感から、日本人に人気のあるフランスパンのひとつです。
ご家庭でのフランスパン作りのバリエーションに加えていただけたら、うれしいです♪