パンを焼くのに便利な計算式
作ってみたいレシピが見つかっても、手持ちの型とは分量が合わなくて、作ることを諦めてしまったことはありませんか?
そんな時に、ベーカーズパーセントを理解していると、レシピそのままの配合で、分量を増やしたり減らしたりすることができるのです。
計算をする必要がありますが、一度覚えてしまえば、とっても便利。
今回は、ベーカーズパーセントをわかりやすく解説します。
ベーカーズパーセントってどんなもの?
ベーカーズパーセントは、粉に対して他の材料の配合率を表したもの。
配合率とはそれぞれの材料がどれだけの割合で含まれているか。
材料全てを足したものを100%とするのではなく、粉の総重量を100%とし、他の材料は粉と比べてどれだけ含まれているか、というふうに考えます。
*粉の定義についてですが、主に強力粉・準強力粉・薄力粉などの小麦粉で、全粒粉・ライ麦粉・そば粉など小麦粉以外の粉も含みます(スキムミルクや砂糖などは含みません)。
複数の粉を使用している場合は、粉の総重量を100%とします。
分量からベーカーズパーセントを求めてみよう
ベーカーズパーセントで記載されているレシピもあれば、記載されていないパンのレシピもたくさんありますよね。
その場合は、自分でベーカーズパーセントを算出することができます。
ごくシンプルな配合のパンのレシピを使って考えてみましょう。
写真は上記の配合、粉量200gで8分割してプチパンにしたものです。
粉を100%とした時、他の材料のベーカーズパーセントを求める式は、
各材料の分量(g)÷粉量(g)×100=求めたい材料のべーカーズパーセント
上記のレシピをベーカーズパーセントにすると、このように計算する事が出来ます。
ベーカーズパーセントから分量を求めよう
次に、粉の量を変更したい時にどうしたらよいかを説明します。
我が家では、パンをこねる機械はパンニーダーだけなのですが、粉の量が250g以上ないとこねることができません。
そのため、例えば『強力粉200gでは少ないから、270g分作りたいな』と思った時。
上記で出したベーカーズパーセントを使って粉以外の分量を求める式は、
作りたい粉の総重量(g)×ベーカーズパーセント=粉以外の分量(g)
このようにして作りたい分量に合わせて算出することができます。
上記の配合、粉量270gで山形食パンにするとこんな感じに焼けました。
一例ですが、プチパンと山形食パンのように同じ配合でも、粉量を変え、型を使ったり成形を工夫することで、全く違うパンになります。
小数点以下の数字はどうする?
塩以外の材料については、さほど影響はありませんので端数は四捨五入してください。
塩はパンの味を決める大きなポイントですので、少数第一位まで正確に量りましょう。
そのため、0.1gまで量れるスケール(計量器)を持っておくと便利です。
一次発酵の時間は分量とともに増える?
時間よりも膨らみを確認しましょう。
発酵は気温やこね上げ温度(こね上がった直後の生地の温度)に大きく左右されるので、生地をフィンガーチェック(粉を付けた指を一次発酵後の生地に優しく挿し込み、指を抜いたとき、その穴がゆっくり元に戻ろうとするくらい)して、適正に発酵できているか確認してください。
発酵をしっかり見極める事ができると、ふんわりおいしいパンに仕上がります。
ベーカーズパーセントを活用することのメリット
手持ちの型に合わせて量を調整できる
作ってみたい1.5斤型の食パンのレシピを見つけたけど…うちにあるのは1斤型、というときに調整が可能です。
プロの味を再現できる
パン屋さんで作られている、強力粉1000g…のように量の多いレシピでも、ベーカーズパーセントを求めると、各ご家庭に合わせた量でプロの味を再現できます。
ベーカーズパーセントを見ただけで、パンの味がわかるようになる
パン職人の方は、おいしいパンは配合でわかるのだとか。
好みに合わせてレシピを応用できる
同じ型でも、もっとボリュームを出したいというとき、生地量を増やしてみるとダイナミックなパンが焼けます。
写真は粉量250gが目安の1斤型ですが、300gで焼いてみた物です。
パン作りのステップアップ
覚えるととても便利なベーカーズパーセント。
ベーカーズパーセントを活用して、パン作りのステップアップを目指しましょう。