米粉で作るとどうなる?人気のシフォンケーキで検証してみた
近年ブームの米粉を使ったお菓子。米粉はお米を粉末状にしたもので、栄養価も高く、小麦アレルギーの方でも安心して食べられる食材です。
今回のコラムでは、米粉と小麦粉(薄力粉)でシフォンケーキを作り、味や食感などの違いを検証してみました!
粉以外の分量や作り方、焼き時間を全て同じにして作ると違いがどう出るのか、気になりますね。
米粉と小麦粉の違い
米粉と小麦粉。
二つの大きな違いは原料で、名前の通り米粉は米を、小麦粉は小麦を粉にしたものです。
米粉
米粉はタンパク質の一種である「グルテン」を含んでいないため、水分と混ぜても粘り気はあまりありません。
小麦粉に比べて水分の吸収率が高いため、代用として使う際は分量の調整が必要なこともあります。
栄養価が高く、小麦アレルギーの方でも食べられるという特徴があり、グルテンフリーを実践している方にもおすすめです。
米粉で作ったお菓子は、しっとりもちもちとした食感に仕上がります。
小麦粉
小麦粉は「グルテン」を含んでおり、水分と混ぜると弾力性のある粘り気を生じさせます。
このモチモチとした粘りをいかし、パンやうどん、パスタなどいろいろな料理に使われます。
米粉と小麦粉でプレーンシフォンケーキを作る
検証のために用意するシフォンケーキは、粉以外の材料は全て同じ、工程も同様に作りました。
今回使用する米粉は、きめ細かくやわらかい仕上がりのお菓子になる、うるち米ベースの「cotta 菓子用米粉 ミズホチカラ」。
小麦粉はタンパク含量が少なめで、スポンジ生地もふわふわに焼き上がる「cotta 薄力粉 特宝笠」を使用します。
材料(17cm型1台分)
- 卵黄…4個
- グラニュー糖…30g
- 牛乳…50g
- 太白ごま油…35g
- 米粉(もしくは薄力粉)…80g
- 卵白…4個
- グラニュー糖(メレンゲ用)…40g
- 塩…0.3g
作り方
- ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、泡立て器でざらつきがなくなるまで混ぜる。
牛乳と太白ごま油を加えてよく混ぜ、米粉(もしくは薄力粉)を加えたらツヤが出るまで約60回混ぜる。
- 別のボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーの低速で10秒間混ぜてコシを切る。
メレンゲ用のグラニュー糖半量と塩を入れ、白くモコモコとボリュームが出るまで高速で泡立てる。残りのグラニュー糖を加えたら、ツノの先端が軽く曲がるかたさまで泡立て、低速に切り替えて20秒間ほど混ぜて全体のキメを整える。
- メレンゲをひとすくい2のボウルに入れ、よく混ぜる。残りのメレンゲを2回に分けて加え、泡立て器ですくうように混ぜ合わせる。
メレンゲの固まりがなくなったら、ゴムベラで底からすくうように約30回混ぜる。
- 10cmくらいの高さから型に流し入れ、生地を側面にすりつけるようにしてならす。
筒の部分を押さえ、2回トントンと台に落とす。
- 180℃のオーブンで約25分間焼く。
瓶などの筒に逆さまにさして完全に冷まし、手やパレットナイフで型から外す。
- 完成。
米粉と小麦粉のシフォンケーキの違いを検証
米粉と小麦粉、二つのシフォンケーキの違いを、生地の状態から1日経った後の味わいまで、徹底的に検証しました。
生地の出来上がり状態
米粉
- ツヤがあってキメ細かく、グルテンが含まれていないためトロっとしていて少し緩め。
小麦粉
- ふわっとボリュームがあり、ゆっくり流れ落ちて粘り気が感じられる。
焼き上がりの状態
シフォンケーキは、割れ目にも焼き色が付いて最高潮に膨らんでから縮み、高さが落ち着いてから3~5分間焼いた頃が焼き上がりの目安です。
両方とも25分間焼きましたが、表面の焼き色には大きな違いは見られませんでした。
米粉
- 焼いている最中は型より高く膨らんだが、焼き上がりは型より低く落ち着いた。
小麦粉
- グルテンの効果で、焼き上がりも型より高い。
型外し後の見た目や断面
両方「手外し」で型出ししました。
並べてみると米粉のほうが低く、高さの違いが分かりやすいですね。
米粉
- 焼き目と比べると全体の焼き色が薄く、断面の気泡はきめ細かい。
- 小麦粉に比べると、持った際にしっとりとやわらかく、生地の水分を感じる。
- 弾力が少ないためか、表面や側面に型外し後のへこみの跡がしばらく残る。
小麦粉
- 全体が焼き目と同じ濃い焼き色で、断面の気泡は少し大きめ。
- ふわふわとしていて、押すと戻る弾力を感じる。
- 型外しの際に押したへこみもすぐに戻り、しっかりと自立する。
味や食感
米粉
- しっとりとなめらかな食感。
- 卵の味はあまりせず、米粉特有の甘くやさしい味が印象的。
- 小麦粉に比べると水分量が多く、中身が詰まっているように感じる。
小麦粉
- ひと口かじるとしゅわっと音がする、ふわふわの軽い口当たり。
- 米粉よりも甘く、卵の風味がとても強く感じられる。
作った翌日の味や食感に変化があるか
米粉・小麦粉ともに一切れずつにカットし、ラップに包んで室温にひと晩置きました。
米粉
- 米粉独特の甘みがより強くなっている。
- 前日に比べると、さらにもちもち。
- 小麦粉に比べて水分量が多いためか、自重で側面が少しつぶれてしまった。
しっとりとした食感が増して感じられたのは、米粉の保湿性が高いからかと思われます。
小麦粉
- 前日よりも甘さが控えめに感じられ、卵の風味も落ち着いた。
- ふわふわとした食感からしっとりとした食感に変化。
- 外側部分は少しパサついており、乾燥気味。
米粉に変えるだけで、いつものシフォンが新しい味に!
今回の比較では、いつものシフォンケーキのレシピも、小麦粉から米粉に変えてみるだけで、いろいろな違いが出ることがわかりました。
米粉で作ったものはしっとりもちもちに。小麦粉で作ったものはふわっと軽く。まったく違うケーキに仕上がります。お菓子作りは面白いですね。
栄養価も高く、小麦アレルギーの方でも食べられる米粉。
普段のお菓子作りに取り入れてみてはいかがでしょう。
「グルテンフリー♪米粉のシフォンケーキ」の詳しいレシピページはこちら。