これを守れば安心!夏もおいしいデコレーションケーキを作ろう!
「夏のデコレーションケーキ作り = 生クリームのナッペが嫌」とよく耳にします。
生クリームの扱いは、気温が上がるとどうして難しくなるのでしょう?
また、どういったことに気をつければ、ハードルを下げることができるでしょうか。
今回のコラムでは見落としやすい注意点をまとめ、夏にデコレーションケーキを作る際に役立つ内容をご紹介します!
生クリームについてのおさらい
まず、生クリームについて簡単におさらいしましょう。
生クリームが泡立つ仕組み。温度が重要なのはなぜ?
生クリームは、中に含まれている脂肪球という粒が撹拌されることでぶつかり合って結合し、とろみがついて徐々に空気を抱き込んで泡立っていく食材。
脂肪球は油脂なので、熱で溶けます。
つまり温度が上がると脂肪球は液状になり、空気を抱き込む(泡立つ)ことができません。そうなるとなかなか泡立たないのでさらに撹拌 → ざらつく(分離する)という結果に。
上記のことから、生クリームの温度を上げないためにさまざまな対応が必要になることが想像できると思います。
生クリームは良い状態をキープすれば安定性が上がり、自然と扱いやすくなります。
どれを選ぶ?生クリームの種類
スーパーの棚を見てもわかるように、生クリームにはいくつかの種類があります。
やはり安定剤が入っているものが分離しづらく、保形性もあるので扱いやすさは◎
風味の違いもあるので、この辺は好みと扱いやすさを考慮して選んでいただくのがよいのかなと。
ただ、軽い口当たりのものが良いからと乳脂肪分35%のクリームを選ぶと、デコレーションのハードルがかなり上がると思います。
乳脂肪分が低いため緩くなりやすく、よくいわれる「溶ける」ということがさらに起こりやすくなります。
安定剤などが入っていないものであれば、個人的には40%以上がおすすめです。
注意点1.勝負は買い物のときから始まっている!
生クリームを近所のスーパーで購入する方はとても多いと思います。そこで意外と見落としがちなのが、お買い物のとき。
早い段階でカゴに入れたまま買い物に時間がかかったり、購入後自宅の冷蔵庫に入れるまでに時間がかかったりと、生クリームに過酷な状況を作ってケーキ作りを始める前にすでにハードルを上げてしまっていませんか?
生クリームをカゴに入れるのは、温度を上げないようになるべくお会計直前。保冷剤や保冷バッグを使用し、できるだけ冷やした状態で持ち帰りましょう。
自宅の冷蔵庫では、ドアポケットなどの温度変化や揺れが激しい場所ではなく、安定して冷える場所に置いてください。
生クリームは前日までに購入し、冷蔵庫でしっかり冷やしてから使用するのがベスト!
注:冷蔵庫によっては、冷気が出る場所付近が冷えすぎて凍りかけてしまうこともあります。生クリームは一度凍ると泡立たなくなってしまうので、気をつけてくださいね。
注意点2.冷やせるものは冷やしておこう
生クリームは常に冷たい状態にしておきたいので、温度を下げられるものは下げましょう!
室温
これはもう大前提です。室温が高いと、作業中全ての温度が上がりやすくなるので暑い季節の冷房は必須。
ナッペをしているときに限らず、生クリームを泡立てる際も室温が高いと抱き込む空気が温かいのでクリームが影響を受けてしまいます。
スポンジ生地
焼成したスポンジ生地が冷めたら、ラップやビニール袋で覆って冷蔵庫で冷やしておきましょう。
スライス後も、使用するまで冷やしておいてくださいね。
※バターが入っているものは冷蔵庫でしっかり冷やすとスライスしにくくなることもあります。その場合、少し常温に戻すとスライスしやすくなりますよ。
シロップ
シロップを使用するレシピの場合、シロップも忘れずに冷やしておきましょう。
サンドするフルーツ
意外と多いのが、缶詰のフルーツや追熟したフルーツの冷やし忘れ。
前日に冷蔵庫に入れてしっかり冷やしておくか、当日カットした後に冷蔵庫でしっかり冷やしましょう。
※衛生上、フルーツのカットは当日に。
画像はメロン。カットしてペーパーにのせてラップをし、冷蔵庫へ。
フルーツがしっかり冷えていると、クリームも冷たい状態が保てますよ。
道具
使う道具全てを冷蔵庫に入れる必要はないですが、生クリームを入れるボウル・ホイッパー・大理石の回転台は冷やしておくと特に良いと思います。
冷やせるものは冷やしておいて損はありません♪
注意点3.作業中も温度を気にかけよう
作業中も温度に注意を払うことが大切です。
作業のポイントポイントでケーキを冷やしましょう。
準備をしっかり行う
なるべく常温にさらす時間を減らすため、準備をしっかりしてから生クリームやケーキを冷蔵庫から出しましょう。
生クリームを氷水に当てる、広がったクリームは払ってボウルの中にひとまとめにするなど、いつもと同様に気をつけます。
サンドもしくは下塗り時点で冷やす
ケーキはクリームをサンドした時点、もしくは下塗りの時点で冷やしましょう。
この状態でしっかり冷やすと土台が冷え、ナッペのときに温度がより上がりにくくなります。
生クリームのボウルも、氷水から外して冷蔵庫へ。
ナッペを終えたら冷やす
ナッペを終えたら、ケーキを冷蔵庫へ入れましょう。
デコレーション用の絞り出し袋など何か準備するときは、ケーキをこまめに冷蔵庫に入れるのがコツ。
絞りを行ったら冷やす
絞りをした後、フルーツをのせる前に冷蔵庫に入れて冷やすと安定します。
その間に、必要に応じてフルーツにナパージュを塗るなど仕上げの準備を。
また、仕上げの見本になる画像や自分で描いたイラストなどを用意しておくとスムーズに飾り付けできるのでおすすめ。
なるべく手早く仕上げる
ケーキを冷蔵庫から出したら「よーいドン♪」でスピーディーに仕上げていきましょう。
この仕上げのフルーツも、直前までしっかり冷やしたもの。
私は自分の過去の画像を参考にしたり、お皿に一度レイアウトしてみたりして仕上げ方を決めています。
夏でも失敗なし!基本を守ったデコレーションケーキ作り
季節問わず生クリームを扱う際の注意点は同じです。でも、夏場は温度の影響を受けやすいので、寒い季節と比べて難しく感じるのでしょう。
暑さに負けてハードルを上げないように、いろんなところで少しずつ気をつけて夏のケーキ作りを楽しみたいですね♪
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