ドイツを代表するお菓子・フランクフルタークランツを作ろう
フランクフルタークランツというお菓子をご存じでしょうか。
口どけのよいスポンジ・香りのよいバタークリーム・甘酸っぱいジャム・香ばしいクロカンにほんのり香るラム酒!
今回は、ドイツを代表するお菓子・フランクフルタークランツのレシピをご紹介します。
シンプルながら一度食べると忘れられないおいしさですよ。
フランクフルタークランツとは
フランクフルタークランツとは、リング状に焼いたスポンジ生地にバタークリームを塗り、キャラメリゼしたアーモンド(クロカン)を表面に付けたもの。
「フランクフルトの冠」という名をもつ、ドイツを代表するお菓子の一つです。
リングの形は王冠を、表面を覆うクロカンは金色を、飾りのドレンチェリーで王冠についた宝石を表しているといわれています。
フランクフルタークランツ誕生の地・フランクフルトは、古くは神聖ローマ帝国の戴冠式が行われる土地であったことからこの名がついたと考えられているそう。
ドイツにはこのお菓子専用の凸凹模様のついたケーキ型がありますが、日本ではエンゼル型を使用して作られていることがほとんど。
『ユーハイム』のスペシャリテ、真っ白な姿のフランクフルタークランツも日本では人気がありますよね。
フランクフルタークランツのレシピ(18cmリング型1台分)
今回は伝統的なデザインにこだわりつつ、ご家庭でも作りやすいおすすめの配合に。
歴史あるドイツ菓子作りに挑戦しましょう!
スポンジ生地を作る
材料
- 全卵…2個(110g程度)
- 砂糖(グラニュー糖)…60g
- 薄力粉…60g
- 無塩バター…20g
下準備
- 鍋に70℃程度の湯を張り、湯せんを作る。
- バターを溶かしておく。
- 薄力粉をふるう。
- オーブンを180℃に予熱する。
作り方
- エンゼル型にバター(分量外)を塗り、冷蔵庫に入れる。型が冷えたら強力粉(分量外)を茶こしでふるいかけ、余分を落とす。
- 全卵とグラニュー糖をボウルに入れ、ホイッパーで混ぜながら湯せんに当て、34℃程度まで温める。
- ハンドミキサーの高速で3分間、低速で4分間程度、空気を含んで白っぽくなるまで混泡立てる。
- ふるった薄力粉を表面に広げ、粉が生地になじんでなめらかになるまでゴムベラで混ぜる。
*60回程度を目安に、ボウルの底から生地を混ぜましょう。
- 溶かしバター(60℃程度)を加え、バターがなじむまでゴムベラでボウルの底から混ぜる。
- 準備した型に生地を流し入れて軽く台に落とし、180℃のオーブンで19分間程度焼く。
- 焼き上がったら生地にショックを与え、型からひっくり返して粗熱を取る。
- 完全に冷めたら均一な厚みで3枚スライスしておく。
シロップを作る
材料
- 水…30g
- 砂糖(グラニュー糖)…15g
- ラム酒…4g
作り方
- 小鍋に入れたグラニュー糖と水を火にかけて沸騰させ、グラニュー糖が溶けたら火を止める。
- ラム酒を加えて冷ます。
クロカンを作る
材料
- 砂糖(グラニュー糖)…60g
- 水…10g
- ローストアーモンドダイス…90g
作り方
- グラニュー糖と水を鍋に入れ、火にかける。
- 全体がしっかり沸いたらアーモンドダイスを加え、絶えずゴムベラで混ぜる。
*最初は白い結晶がアーモンド表面に付き、徐々にカラメル化する。
- 全体がおいしそうなキャラメル色になったら火を止め、すぐにオーブンシートを敷いたバットにあける。
- 完全に冷めたら包丁で刻んでおく。
*粗すぎるとケーキ表面から落ちるので注意。
バタークリームを作る
材料
- 卵黄(Mサイズ)…2個
- 砂糖(グラニュー糖)…40g
- 水…10g
- 無塩バター…140g
- ラム酒…6g
下準備
- バターを常温に戻してやわらかくする。
- ふきんを入れた湯せんを準備する。
*鍋の縁がふつふつ沸いた状態を保ちましょう。
作り方
- 卵黄・グラニュー糖・水を金属製ボウルに入れて混ぜる。
*熱伝導がよい金属製ボウルを選びました。
- ボウルを湯せんに当ててホイッパーで混ぜ続けながら、3分間程度しっかり加熱する。
- 湯せんから外し、ハンドミキサーの高速で混ぜる。
*白っぽくなり、粗熱が取れたらOK。これを「パータボンブ」と呼びます。
- やわらかくしたバターをハンドミキサーでクリーム状にし、パータボンブを3回程度に分けて加え、都度ハンドミキサーで均一に混ぜる。ラム酒を加えて混ぜる。
*ここで使うハンドミキサーは3の使いまわしでOK。
- 万が一、バターがやわらかくなりすぎてボリュームが出ないときは、氷水に当ててハンドミキサーで攪拌する。
*やりすぎるとバターが固まるので注意しましょう。
- 星口金8切7番をつけた絞り袋に、仕上げ用のクリームとして50g取っておく。
仕上げる
材料
- ラズベリージャム…80g程度
- ドレンチェリー…4個
下準備
- ドレンチェリーに熱湯をかけて10分間ほど浸し、半分にカットして水気を切る。
作り方
- ラズベリージャムを鍋に入れ、一度しっかり沸かす。冷ましたら絞り袋に入れておく。
*市販のジャムは緩いので、水分を飛ばすことでにじまずサンドできます。
- スポンジ生地を回転台に置き、カット面にシロップを打つ。
- バタークリームを塗り広げ、箸の先端で写真のような溝をつける。
- ラズベリージャムを溝部分に入れる。
- スポンジ生地を重ね、同じ作業を繰り返す。
残りのシロップを生地表面に満遍なく打つ。
- 全体をバタークリームで覆う。
- クロカンを全体にまぶし、8カ所均等にくぼみをつける。
- くぼみにクリームを絞り、ドレンチェリーをのせたら完成!
「フランクフルタークランツ」の詳しいレシピページはこちら。
レシピのポイント
とてもシンプルな組み合わせのお菓子なので、それぞれのパーツの仕上がりがお菓子の出来を左右します。
特にクロカンは見た目にも影響するので、冠の黄金にふさわしいおいしそうな色に仕上げてください。
黄金に輝く伝統菓子・フランクフルタークランツ
今回は、王冠の形が特徴的なドイツの伝統菓子・フランクフルタークランツをご紹介しました。
長く愛されているのも納得のおいしさです。
ヨーロッパの歴史に思いを馳せ、フランクフルタークランツ作りをお楽しみください。