キリッとスパイシー!エキゾチックな風味を楽しむシュトーレン
クリスマスのお菓子として日本でも定番化しつつある、ドイツ伝統菓子のシュトーレン。
たっぷりのドライフルーツとキリッと効いたスパイスが異国情緒あふれる味わいで、クリスマス気分を盛り上げてくれますよね。
シュトーレンにはスパイスが使われることが多いですが、数多あるスパイスの中からどれを選べばいいか、悩んでしまうという方もいらっしゃるのでは?
今回はシュトーレンに使われるスパイスの種類や、おすすめレシピをご紹介します。
シュトーレンとは
「シュトーレン(Stollen)」とは、バターや砂糖をふんだんに使った生地に、ドライフルーツやナッツをたっぷりと練り込んだ、ドイツ生まれの発酵菓子です。「シュトレン」とも呼ばれます。
シュトーレンには「坑道」という意味もあり、関連性については諸説あるようです。
粉糖がたっぷりかけられた姿が、産着で包まれた幼児イエス・キリストを表現しているともいわれています。
ドイツではクリスマスを待ちながら祝う「アドベント」の期間に、少しずつスライスして食べる習慣があります。
シュトーレンに使うスパイスは?
一般的にシュトーレンに使われることが多いスパイス4種をご紹介します。
シナモン
甘い香りと爽やかな風味が特徴。アップルパイでお馴染みのスパイス。
ナツメグ
ほんのり甘い香りとスパイシーな味わいが特徴。ハンバーグのようなお肉料理の隠し味によく使われますが、焼き菓子にも合います。
カルダモン
清涼感のある香りとピリッと辛みのある味わいが特徴。カレーやエスニック料理などで使われることが多く、チャイやセムラなどにも使われます。
クローブ
バニラのように甘く濃厚な香りと、刺激的な風味が特徴。お肉料理や煮込み料理、クッキーや焼きりんごなどの香りづけにも使われます。
その他、バニラ・ジンジャー・アニス・オールスパイスなど、種類や量はレシピによってさまざまです。
スパイスが一気にそろう便利アイテム!パンデピス(スパイスミックス)
いろいろな種類のスパイスを試してみたくても、何種類も集めるのは大変だったり、調合が難しかったりしますよね。
そんなときにおすすめなのが「cotta パンデピス(スパイスミックス)」。
シナモン・カルダモン・ナツメグ・スターアニス・しょうが・クローブという6種のスパイスを、絶妙なバランスで独自にブレンドした香りが特徴です。
シュトーレンはもちろん、クッキーやパウンドケーキなどさまざまな焼き菓子、アイスやパンなどに使用すると、香り高くスパイシーな風味に仕上がります。
スパイス香るシュトーレンのレシピ(3本分)
今回はパンデピス(スパイスミックス)を使用し、キリッとスパイス香る、大人味のシュトーレンを作ります。
フィリングを準備する
フィリングは漬け込みに時間がかかるので、生地を作る10日ほど前に準備しておく(もっと前でも可)。
材料
- サルタナレーズン…150g
- カレンズ…30g
- ラム酒…50g
- オレンジピール…50g
- レモンピール…30g
- アーモンド スリーバード…40g
- 牛乳…30g
下準備
- アーモンドスリーバードは160℃のオーブンで10分間程度ローストしておく。
作り方
- 鍋にお湯を沸かし、サルタナレーズンとカレンズを入れ、ザッとひと混ぜしてすぐに火を止める(オイルコートの油分を落とす作業)。
ザルにあげて湯切りし、しっかり水分を取る。
- まだ温かいうちにフリーザーバッグに入れ、ラム酒を入れる。
しっかり浸るように空気を抜いて封をし、そのまま10日間ほど漬け込む。
- ※ここからは生地を作る当日の作業。
ローストしたアーモンドに牛乳を入れて浸し、30分間ほど置き、ザルにあげる。
*残った牛乳は中種を作るときに使うので取っておく。
- 漬け込んでおいたフルーツの袋を少しだけあけ、ギューッと絞って水分を取り除く。オレンジピール・レモンピール・アーモンドと一緒に混ぜ合わせておく。
中種を作る
材料
- 牛乳…60g(フィリング準備の作り方3の牛乳と合わせて計量)
- インスタントドライイースト耐糖性…5g
- 準強力粉…80g
作り方
- アーモンドを浸して余った牛乳をボウルに入れ、60gになるよう牛乳を足し、レンジで38℃程度になるまで15~20秒間温める。ドライイーストを加えてホイッパーでよく混ぜる。
- 準強力粉を加え、ひとまとまりになるまで混ぜ合わせる。ラップして温かい場所(オーブンの発酵機能で30℃程度)に置き、30分間ほど発酵させる。
本ごね
材料
- 無塩バター…100g
- グラニュー糖…40g
- 塩…3g
- 卵黄…1個(18~20g)
- 牛乳…20g
- パンデピス(スパイスミックス)…5g
- アーモンドプードル…30g
- 準強力粉…200g
- 中種…全量
- マジパンローマッセ(なくても可)…1本につき25g
下準備
- 本ごね用の無塩バターは常温に戻してやわらかくしておく。
- マジパンローマッセを入れる場合は、長さ12cmの棒状にしておく。
- オーブンを180℃に予熱する。
作り方
- ボウルに無塩バター・グラニュー糖・塩を入れ、ホイッパーで白っぽくなるまですり混ぜる。卵黄・牛乳・パンデピス・アーモンドプードルを加え、さらによく混ぜる。
- 準強力粉を加え、ゴムベラに持ちかえてザッと混ぜる。粉気が多少残っている状態で、中種をちぎって加える。台の上に出し、全体がムラなく混ざるまで、3分間程度こねる。
- こねあげた生地から、50g×3個を計量してよけておく。残りの生地にフィリングを合わせ、折ったり畳んだりしながら、全体が均一になるように混ぜ合わせる。
- それぞれボウルに入れてラップをする。オーブンの発酵機能30℃で45分間発酵させる。
- フィリングの入った生地を3等分する。
- めん棒で12cm程度にのばし、両端を折りたたむ。マジパンを入れる場合は、ここで中央にのせる。
- 両端を真ん中に向かって折りたたみ、コロコロ転がして形を整える。50gに計量した生地を15×15cm程度にのばし、とじ目の部分を上にしてのせ、包み込んでとじる。
- ひっくり返してコロコロ転がして形を整え、同じように全て成形する。オーブンシートを敷いた天板に並べ、オーブンの発酵機能30℃で50分間程度、一回り大きくなるまで発酵させる。
- 180℃に予熱したオーブンで約32分間焼成する。
仕上げ
材料
- 無塩バター…120g
- グラニュー糖…120g
- トッピング用粉砂糖…適量
作り方
- 焼成している間に澄ましバターを作る。
無塩バターを湯せんにかけて溶かし、完全に溶けてからしばらく放置して上澄みの黄色い部分だけを使用する。
- 生地が焼き上がったら熱いうちに澄ましバターを塗る。そっとひっくり返し、裏側にも満遍なく塗る。
- グラニュー糖を3等分してポリ袋に入れる。シュトーレンが温かいうちにそれぞれのポリ袋に入れ、全体にグラニュー糖をまぶす。
袋を開けたまま冷まし、完全に冷めたら袋を閉じて一晩置く。
- 翌日、全体にトッピング用粉砂糖を満遍なくかける。
- 出来上がり。
作ってから数日置き、少しなじんだ頃からが食べごろです。
「スパイス香るシュトーレン」の詳しいレシピページはこちら。
レシピのポイント
シュトーレンの成形方法はさまざまありますが、今回のレシピではフルーツ入りの生地を、フルーツなしの生地ですっぽりと包むように成形するのがポイントです。
こうすることでフルーツが表面に出ず、レーズンが焦げてかたくなりません。仕上げのバターも塗りやすく、見た目もきれいに仕上がります。
薄くのばした外生地は破れやすいので、カードを使って台から慎重に剥がし、フィリング入りの生地に被せるよう包み込んでとじるのがコツ。
おいしい食べ方
スパイシーなシュトーレンがさらにおいしくなる、おすすめの食べ方をご紹介します。
グリューワイン(ホットワイン)や紅茶と共に
スパイシーな風味が特徴のシュトーレンなので、本場ドイツのようにグリューワインと共に楽しんでみてはいかがでしょう。
温めた赤ワインに、シナモン・アニス・レモンなどを入れ、香りが出たところで召し上がれ♪
お好みではちみつを入れると、甘くて飲みやすくなりますよ。
お酒が苦手であれば、お気に入りの紅茶やコーヒーをお供にしても。
アイスをのせ、チャイと共に
スパイスは乳製品とも相性がよいので、アイスクリームと合わせるのもおすすめです。
ミルクたっぷりでスパイシーな香りのチャイとご一緒に。
心躍るクリスマスのひとときにスパイス香るシュトーレンを
今回のコラムでは、シュトーレンにぴったりなスパイスについてご紹介しました。
毎日少しずつスライスしたシュトーレンを食べ、ワクワクした気分でクリスマスを待ちわびる。大人になってもクリスマスは心躍る特別な日として楽しみたいものです。
ぎっしりと詰まったフルーツに刺激的なスパイスの香り。ぜひ今年はスパイスが豊かに香る大人味のシュトーレンで、アドベントの期間を楽しんでみてくださいね。