シュトーレンにはカビが生えないのか、疑問を解決!
クリスマスシーズンに食べる「シュトーレン」。
シュトーレンは日持ちがするといわれているけれど、カビは生えないのかという疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、シュトーレンにカビが生えない理由や保存方法などについて解説します。
シュトーレンとは
シュトーレン(Stollen)とは、たっぷりのバターが入った生地に、ドライフルーツやナッツを練り込んだドイツ生まれの伝統的な発酵菓子。「シュトレン」と表記されることも。
14世紀にパン職人たちが司教へクリスマスの贈り物として献上したのが始まりといわれています。
シュトーレンは「坑道」を意味する言葉で、トンネルのような形から名付けられたそうです。また、粉砂糖の真っ白な見た目から、おくるみに包まれた幼子・イエスキリストをイメージしているともいわれています。
クリスマスまでの「アドヴェント」と呼ばれる4週間の間に毎日少しずつスライスして食べることで、クリスマスをカウントダウンして楽しむとともに、熟成しておいしくなっていくシュトーレンの香りや風味を楽しみます。
シュトーレンが日持ちする3つの理由
シュトーレンはなぜ日持ちがするのでしょうか?
3つの理由を確認しましょう。
理由1.水分量が少ない
シュトーレンは一般的なパンのように仕込み水が多くなく、オーブンでしっかりと焼くので水分が飛びます。
水分量が少ないため、カビの繁殖を防ぐことができるのです。
理由2.洋酒に漬けたドライフルーツが入っている
ドライフルーツはもともと日持ちがする食材。さらにラム酒などアルコール度数の高い洋酒に漬けたドライフルーツを使用することで、雑菌の繁殖を抑えます。
理由3.バターと砂糖で表面をコーティングしている
焼き上がったシュトーレンにバターをたっぷり塗ることで、乾燥を防止。
さらに砂糖でコーティングすることで、乾燥やバターの酸化を防ぎます。砂糖自体に保存性があるので日持ち効果がアップします。
表面が黄色くなった!これってカビ?
シュトーレンにカビが生えてしまったかも!と心配になったことはありませんか。こんな場合は大丈夫です。
表面の一部が黄色くなっている
表面が黄色く変色しているように見えますが、これはバターが染み出したもの。熟成している証拠なのでおいしく食べられます。
表面にトッピング用の粉砂糖を使っていないものは溶けやすく、このような状態になりやすいといえます。
ただし、表面の砂糖が溶けてきているので早めに食べたほうが安心です。
黒っぽいものが見える
粉糖が溶けてドライルーツがうっすら見えている部分は、黒カビと見間違えることも。
しっかり見極めることが大切です。
シュトーレンが傷む原因は?
基本的に日持ちするシュトーレンですが、まれにカビが発生したり傷んだりすることがあります。原因をチェックしてみましょう。
日本の気候や住宅事情
本場ドイツなどのヨーロッパに比べると、日本は高温多湿。また、住宅環境も良いため、室内は温度も湿度も高くなりがちです。
家の中に湿気の少ない冷暗所がある場合をのぞき、常温保存はせず、冷蔵庫などで保存しましょう。
バターや砂糖を減らした・「シュトーレン風レシピ」で作った
バターや砂糖の量の多さに躊躇してレシピより減らしてしまったり、アレンジされた「シュトーレン風」のレシピを活用したりする場合もあります。
レシピによっては水分量や使う材料の影響で日持ちしないことがあるので、注意が必要です。
市販品は記載されている賞味期限をチェックし、自家製の場合は早めに食べきるのがおすすめです。
真ん中から切るのが正解!シュトーレンの切り方
シュトーレンを日持ちさせるには切り方も重要。
カットした断面はバターや砂糖のコーティングがなく傷みやすいので、空気に触れないようにする必要があります。
切り方
- 端からではなく、真ん中からカットする。
*断面が空気に触れないよう、食べるぶんだけカットするのがポイント。
- 残りのシュトーレンは、乾燥を防ぐために切り口をぴったりと合わせて一つにまとめてラップで包む。
- 密閉できる容器または保存袋に入れる。
【冷蔵・冷凍】シュトーレンの保存方法
シュトーレンの保存方法を、冷蔵・冷凍に分けてご紹介します。
冷蔵保存する場合
ぴったりとラップで包み、保存袋に入れて冷蔵庫へ。温度が低すぎない野菜室(約3〜8℃)がおすすめです。
冷凍保存する場合
シュトーレンは冷凍保存も可能。
冷蔵保存と同様に、ぴったりとラップで包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。
解凍後の再冷凍は不可なので気をつけて。
カットしてから冷凍保存するのもおすすめ。カットしておくと食べたいぶんだけ冷凍庫から取り出して食べることができます。
その場合は、カットしたシュトーレンを1枚ずつラップで包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。
しっかりと保存しておいしくシュトーレンを食べましょう!
日持ちしてカビの生えにくいシュトーレンですが、正しい保存方法を守れば、より安心して食べることができます。
きちんと保存して、シュトーレンならではの食感や味わいを楽しんでくださいね。