カスタードクリームをマスターしよう!
口に入れると卵とバニラの香りがふわっと広がる、こっくりなめらかでとろけるカスタードクリーム。
シュークリームやパイなどいろいろなスイーツに使われていますが、同じ材料でも作る人によって全くの別物になってしまう、少しコツのいるクリームです。
今回は基本のカスタードクリームの作り方をご紹介します。
ポイントを押さえて、ケーキ屋さんのような本格カスタードクリームを作ってみませんか?
カスタードクリームとは
カスタードクリームとは、卵黄に砂糖・牛乳・小麦粉またはコーンスターチを混ぜて作った淡い黄色のクリームです。バニラビーンズやバニラエッセンスなどで香りをつけることもあります。
英語では「カスタードクリーム」。フランス語では「クレームパティシエール(菓子屋のクリーム)」と呼ばれ、いろいろなスイーツに使われる代表的なクリームです。
基本のカスタードクリームのレシピ(出来上がり量 370g前後)
カスタードクリームを炊く際のポイントは、強火で一気に炊くこと!
カスタードクリームの状態は、液体→とろみがつく→重くなって粘りが出る→軽くなって粘度が低くなる→ツヤが出て火がしっかり入るというように変化していくので、鍋の中をしっかり確認しながら炊きましょう。
材料
- 卵黄…60g
- グラニュー糖(A)…30g
- 薄力粉…20g
- 牛乳…250g
- グラニュー糖(B)…30g
- バニラペースト…2g
- 無塩バター…25g
下準備
- バットにラップを敷く。
作り方
- 卵黄をボウルに入れてほぐし、グラニュー糖(A)を加えて混ぜる。
*グラニュー糖を合わせたらすぐ混ぜないと、卵黄がダマになってしまいます。
- 少し白っぽくなるくらい混ぜる。
*白っぽくなるまで混ぜると、後から加熱した牛乳を合わせる際に火が通りすぎるのを防げます。
- 薄力粉をふるいながら加える。
*粉がダマになりやすいので、ふるいながら加えます。
- 粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
*混ぜすぎるとグルテンの影響で粘りが出てしまうので、粉が見えなくなったら混ぜるのを止めましょう。
- 鍋に牛乳・グラニュー糖(B)・バニラペーストを入れ、沸騰直前まで温める。
*カスタードは短時間で炊く事が重要!
時間がかかるとボソボソになってしまいます。牛乳の温度を高くすることで後に合わせる薄力粉と卵に火が入りやすくなり、なめらかな仕上がりになります。今回は16cmのミルクパンを使用しました。熱伝導のよい鍋を選びましょう。
- 沸騰直前まで温めた牛乳を卵黄液に1/3だけ注ぎながら混ぜる。残りの牛乳液を一気に加え、軽く混ぜる。
*一度に入れると卵黄に火が入ってしまうので、2回に分けて加えます。
- こしながら鍋に入れる。
- 鍋を強火にかけ、ホイッパーでとろみがつくまでゆっくり混ぜる。
*シャカシャカ混ぜるとグルテンが形成されてしまうので、ゆっくり一定のペースで鍋底にあたるように混ぜます。
- とろみがついてきたら、真ん中→外側→全体の順に繰り返し混ぜる。
*鍋底が焦げないように気をつける。表面加工された鍋などを使う場合は、シリコン製のホイッパーやゴムベラを使用しましょう。 - 沸騰してもしばらく混ぜ続け、ツヤが出て少しサラサラとした粘度になるまで加熱する。
サラサラになってから、「ポコポコ沸かす→5回混ぜる」を3度繰り返す。
- 火から下ろしてバターを加え、ゴムベラで混ぜる。
*バターはなくても仕上がりますが、入れるとツヤとコクがプラスされます。
- ラップを敷いたバットに移し、空気が入らないようにピッタリとラップをして急冷する。
*雑菌が入ることを防ぐため、直接バットには入れずにラップの使用をおすすめします。ラップを敷く際、ラップの表面に素手で触れないように気をつけましょう。
- カスタードクリームを使う直前にザルでこす。またはゴムベラですり混ぜる。
- 完成。
「基本のカスタードクリーム」の詳しいレシピページはこちら。
全卵でカスタードは作れる?
一般的には卵黄のみで作ることが多いカスタードクリームですが、全卵を使っても作れるのでしょうか?
実際に作って検証してみました!
見た目
カスタードクリームの卵黄を全卵に変えて作ったクリームは、下の画像のような出来上がりに。
卵黄が減った分、少し淡い色のクリームになりました。
かたさ
卵黄で作ったものよりも、全卵の方は弾力があり、もちっとしています。
味
卵黄のコクが減った分、あっさりした味わいに。卵の風味はしっかり感じられます。
食べ比べると大きく違いますが、卵黄のみのクリームとはまた違ったおいしさです。
卵白消費に悩むカスタードクリームですが、全卵で作ると「卵白が余る」という悩みがなくなるのはいいですよね。
「全卵使用のカスタードクリーム」の詳しいレシピページはこちら。
カスタードクリームの保存と日持ち
カスタードクリームは傷みやすく、日持ちがしない食べ物です。冷蔵庫で保存し、作った当日や次の日には使い切ってしまいましょう。
また、清潔な調理器具を使用して正しく作ることが大切です。
カスタードクリームは冷凍保存できる?
カスタードクリームは冷凍保存できるのでしょうか?
カスタードクリームを冷凍・解凍し、検証してみました。
解凍後のカスタードクリームは、冷凍・解凍していないものと比較するとボコボコとした見た目。ゴムベラで練るとある程度なめらかになりますが、表面のボコボコは若干残ります。
見た目よりも違いが大きいのが食感で、ボソボソとしていてなめらかな食感は損なわれています。
これは、カスタードクリームの中の水分が冷凍・解凍することで分離してしまうのが原因。
こし器などにかけてなめらかな状態にして使用するのがよさそうです。
また、そのまま使用するのではなく、パイやクレームダマンドに混ぜ込んで加熱して使用するなど工夫することで、解凍後のカスタードクリームもおいしく食べられます。
ライターおすすめの冷凍保存方法
どうしても冷凍したいときは、カスタードクリームに生クリームを混ぜてディプロマットクリームにするのがおすすめ。
カスタードと生クリームを2:1で混ぜたディプロマットクリームなら、解凍後もある程度なめらかな状態で使用できるので、ぜひお試しください。
ただし、冷凍後1週間を目安に早めに消費してくださいね。
カスタードクリームを使うお菓子たち
カスタードクリームを使うスイーツを一挙にご紹介♪
シュークリームやパイコロネ
クリームパンや生ドーナツ
タルトやミルフィーユ
他にも、大判焼きのような和菓子まで幅広く使われています。
濃厚でなめらか♪お店みたいなカスタードクリームをおうちで手軽に
今回のコラムでは、基本のカスタードクリームの作り方をご紹介しました。
カスタードクリームはいろいろなスイーツに大活躍。材料はシンプルなので作り方を覚えてしまえばお菓子作りの幅もぐっと広がります。
ポイントを押さえて、おうちでもお店みたいなカスタードクリームをぜひ作ってみてください。