砂糖や甘味料の種類と特徴を知ろう
お菓子作りに欠かせない「砂糖」。
砂糖といっても、いろいろな種類があって、何を使えばよいのか迷ってしまいますよね。
ご家庭で使われることが多い「上白糖」の代わりにできる砂糖や甘味料にはどんなものがあるのでしょうか。
今回は砂糖や甘味料について詳しくご紹介。選び方のポイントなども解説します。
そもそも砂糖(上白糖)とは?
日本で多く使われている砂糖といえば上白糖。
上白糖とは日本独自の白砂糖で、しっとりした手触りとクセのない甘みが特徴。料理本などで「砂糖」と書かれている場合はほぼ「上白糖」のことです。
「ショ糖(※1)」でできていますが、製造工程で結晶に「転化糖(※2)」をまぶして作られます。転化糖が加わることで、しっとりとした手触りと強い甘みになるのです。
※1 ショ糖…砂糖の主成分。あっさりとした甘み
※2 転化糖…ショ糖が分解してできるブドウ糖と果糖の混合物。ショ糖よりも甘く感じる。
お菓子作りに使うなら
- グラニュー糖に比べて甘みが強い。
- しっとりさせる効果があり、焼き色がつきやすい。
- ジェノワーズ・カステラ・和菓子などに使われることが多い。
- サクサクさせたいものにはあまり向かない。
砂糖の代用品1.グラニュー糖
グラニュー糖は精製度が高く、クセのない味わい。
ほぼショ糖の結晶でサラサラしていて、上白糖に比べるとやや粒が大きいのが特徴です。
お菓子作りに特化した細目グラニュー糖というものもあり、通常のグラニュー糖より目が細かい製品。ダマにならずに溶けやすく、なめらかな口当たりに仕上がります。
お菓子作りに使うなら
- クセのない上品な甘さ。
- 素材の味を邪魔することがなく、色もつかないのでお菓子作り全般に向いている。
- 溶けやすくダマになりにくいので作業性も良い。
砂糖の代用品2.てんさい糖
てんさい糖は、北海道の代表作物である「てん菜」(「さとう大根」「ビート」ともいう)から作られた砂糖。
まろやかな甘さで風味やコクがあり、粒の大きさは製品によって違います。
てんさい糖が他の砂糖と違うところは、天然のオリゴ糖が含まれているところ。オリゴ糖は整腸作用があるため、てんさい糖は体にやさしいといわれています。GI値(食品に含まれる糖質の「吸収の度合い」)も低く、血糖値の急上昇を防ぐ効果も。
お菓子作りに使うなら
- まろやかな甘みでクセが少ない。
- からだにやさしいお菓子を作りたいときにおすすめ。
砂糖の代用品3.三温糖
三温糖は、上白糖を作るときに出る糖液を煮詰めたもの。加熱を繰り返すことによって、砂糖がカラメル化して薄茶色に色づきます。
健康に良さそうなイメージがありますが、上白糖やグラニュー糖と比べて栄養価にあまり差はありません。ナトリウムやカリウムなどのミネラルがほんの少し多く含まれています。
お菓子作りに使うなら
- 上白糖よりコクのある甘さにしたいときに使用。
- 上白糖と同じく、しっとりさせる効果があり、サクサクさせたいものには向かない。
砂糖の代用品4.きび砂糖
きび砂糖の原料は、サトウキビ。精製途中のものを、そのまま煮詰めて結晶化して作られます。
不純物を完全にろ過しないため、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。サトウキビ特有の風味とやさしい甘さが特徴。
お菓子作りに使うなら
- 少しコクのあるやさしい甘さ。
- 素朴な味わいのお菓子を作りたいときにおすすめ。
- コクはあるけれどもクセが強すぎないので、比較的どんなお菓子にも使える。
砂糖の代用品5.黒砂糖
黒砂糖(「黒糖」とも)は、サトウキビのしぼり汁をそのまま煮沸濃縮し、加工しないで冷却したもの。
カリウム・カルシウム・鉄など多くのミネラル成分を含み、特有の風味やコクがある。
お菓子作りに使うなら
- かりんとうや黒蜜など和菓子によく使われる。
- 独特の風味があるので、黒砂糖味を楽しむ菓子に使用。
砂糖の代用品6.はちみつ
はちみつは、花の蜜に酵素を加えて加工したもの。花の種類によって香りや味、色が異なります。
※抵抗力が未発達な生後1歳未満の乳児に与えてはいけません。
お菓子作りに使うなら
- 焼き菓子に使うと焼き色がしっかりつく。
- 保水性があり、マドレーヌやフィナンシェなどに加えるとしっとりとした焼き上がりになる。
砂糖の代用品7.メープルシロップ
メープルシロップは、カエデの樹液を濃縮したもの。特有の風味があります。
カロリーが低く、カルシウムやカリウムなどのミネラルが豊富。
お菓子作りに使うなら
- 独特の風味があるので、メープル味のお菓子を作るのに使用。
砂糖の代用品8.オリゴ糖
オリゴ糖は、さまざまな原料で作られている甘味料。砂糖の原料となるてん菜やサトウキビ、大豆や乳糖から作られたものもあるので、製品の「原材料名」をチェックするとよいでしょう。
オリゴ糖は、摂取すると消化されることなく大腸まで到達し、ビフィズス菌などの栄養源となって腸内の環境を良好に保つ機能があります。カロリーは砂糖の約1/2。
お菓子作りに使うなら
- 溶けやすいので生地に混ぜやすい。
- 冷菓におすすめ。
- 腸活スイーツのレシピで使われることが多い。
砂糖の代用品9.ラカント
ラカントは、「羅漢果(ラカンカ)」という植物から抽出したエキスと、トウモロコシ由来のブドウ糖を発酵した甘み成分「エリスリトール」の2つの植物から作られた天然由来の甘味料。
製品によって砂糖と同じ分量で置き換えられるものや砂糖の2倍の甘さのもの、茶色いものや白いもの、顆粒のものやパウダー状のものなどがあります。カロリーと糖類がゼロなのが特徴。
お菓子作りに使うなら
- カロリーゼロ・糖類ゼロなので、健康に気をつけている方やヘルシー志向のお菓子を作りたい方におすすめ。
砂糖の代用品10.ココナッツシュガー
ココナッツシュガーはココナッツの実ではなく花蜜を煮詰めて作られた甘味料。
ココナッツミルクの甘い香りや味ではなく、カラメルのような香ばしい味わいです。
GI値は低く、血糖値の急上昇を抑えるといわれているため、体にやさしい甘味料です。
お菓子作りに使うなら
- 香ばしい風味。
- 生地は茶色く色づく。
- 黒糖に似たコクのある味わいのお菓子になる。
砂糖の代用品11.甘酒
甘酒には「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」がありますが、砂糖の代用で使いたいのは「米麹甘酒」。
米麹甘酒は、米と米麹が原料。やさしい甘みでアルコール0%。
酒粕甘酒は、酒粕に砂糖を加えているので、砂糖不使用にはなりません。1%未満ではありますが、アルコールが含まれていて香りにクセがあります。
お菓子作りに使うなら
- まろやかで自然な甘さ。砂糖不使用のスイーツを作りたいときにおすすめ。
- ビタミン・ミネラル・アミノ酸・食物繊維などの栄養素もたっぷり含まれているので、食生活や健康に気をつけている方のお菓子作りもにぴったり。
砂糖の代用品12.みりん
みりんは、もち米・米麹・焼酎を原料にし、熟成させて作られる調味料。
「本みりん」のアルコール度数は14%前後。
アルコール度数1%未満の「みりん風調味料」は本みりんとは別物なので注意が必要です。
お菓子作りに使うなら
- 自然な甘みやコク。
- 「本みりん」を使用するとアルコールの効果で、生地がふわふわになる。
- アルコールを煮切って、みりんシロップにして使うこともできる。
選び方は?代用する場合のポイント
上白糖の代用品を選ぶ際、どのように考えればよいのか、選び方のポイントをご紹介します。
あっさり?コクあり?味で選ぶ
- あっさりとした甘みならグラニュー糖。
- コクが欲しいなら三温糖・きび砂糖・てんさい糖。
サクサク?しっとり?食感で選ぶ
- サクサク感を出したいならグラニュー糖。
- しっとり感なら上白糖や三温糖。
どんな見た目にしたい?色で選ぶ
- 生地自体に色がつきやすいのは、もともと褐色の三温糖・きび砂糖・てんさい糖・ココナッツシュガー。
- 焼き色がつきやすいのは三温糖やはちみつ。
- 白く仕上げたいときはグラニュー糖。
健康に気をつけたいなら?
- ミネラルなどが含まれているのは、きび砂糖や黒砂糖。
- 整腸作用があるのは、てんさい糖やオリゴ糖。
- 血糖値を上げないのは、てんさい糖やココナッツシュガー。
- 砂糖不使用にしたいなら、はちみつ・メープルシロップ・甘酒・みりん。
- カロリーオフなら、ラカント。
自分好みの砂糖・甘味料を選ぼう!
今回は、砂糖(上白糖)の代用品として使えるアイテムをご紹介しました。
たくさんの種類の中から選ぶのは迷いますが、どのような味、食感のお菓子にしたいのかなど、作りたいものについてしっかり考えて選ぶといいですね。
ぜひ参考にしてみてください。