今年こそはテンパリングにチャレンジ!
今年も気づけばバレンタインまで一ヶ月を切りましたね!
そこで今日は、チョコレートのテンパリング方法をお伝えします!
その前に…ここで言うチョコレートとは、いわゆるクーベルチュールチョコレートのことで、主にカカオマス、砂糖、カカオバター、乳成分、で形成されていて、代用油脂(カカオバター以外の植物性油脂等)を含まないもののことを差します(乳化剤と香料は添加してあっても良い)。
テンパリングが必要な理由とは?
そもそもなぜチョコレートには、テンパリングといわれる調温作業が必要なのでしょうか?
チョコレートの骨格を形成しているカカオバター、これはもともと何種類もの融点の違う結晶が集まってできています。つまり、テンパリングをしないままのカカオバターの中には、常温で溶け始める結晶もあれば、口に入れても中々溶けない結晶もあり、結果口どけの悪いざらざらとした、状態の良くないチョコレートに仕上がってしまいます。
そこで、1.一度結晶を全て溶かし、2.温度を冷ますことにより結晶を作っていき、3.「チョコレート製品として最適な状態である」と言われる融点の結晶のみが増えやすい温度にして、4.再び、流動性があり作業性が良く、かつ、不純な結晶が増えない温度にまで上げる。これがテンパリングの意味と手順です。
コツをおさえれば意外と簡単!
ここまでのお話で、「専門用語が沢山でてきて、なんだかテンパリングって難しそう」と思われた方もいるかもしれませんが、ご安心ください。テンパリングとは調温作業、本当に温度を調整する作業のみですから、いくつかのコツをおさえながら、温度をしっかりと測ることができれば、さほど難しくありません。
テンパリングの方法もいろいろ!
テンパリングにはいくつかの方法があります。
1. 大理石に溶かしたチョコレートを広げて行う、テーブルテンパリング。
2. チョコレートをボウルに入れ、湯煎や水につけながら行う、ボウルテンパリング。
3. 高めの温度に溶かしたチョコレートに、一部固形のままのチョコレートを加える、シードテンパリング。
4. 溶かしたチョコレートを一定温度で長時間撹拌しながら行う、恒温型テンパリング。
1は専用の大理石が用意されたケーキ屋さん等で、4は機械を使って大量に生産する工場等で行われています。3はごく少量のテンパリングに向いてはいますが見極めのコツが難しいです。
なので、今回は家庭でも失敗の少ない、2のボウルテンパリングの方法を、スイートチョコレートを使ってお伝えします。
ボウルテンパリングのコツ
用意するもの
・ボウル3つ
・ゴムベラ
・温度計
・チェック用のヘラ、または紙
・チョコレート(ボウルの大きさにもよりますが、最低でも300g以上、500gあるとなおやりやすいです)
・約60℃の湯
・水(または氷水)
【Point1】チョコレートは水分が大嫌いです!少量の水滴でも混ざってしまうと、状態が変わり、テンパリングができない状態になってしまいます。清潔なボウルを使うのはもちろん、少しでもボウルや道具に水滴が付いていないかを良く確認してください。
【Point2】【Point1】と同じ理由で、下から上がってくる湯気や水滴が入ってしまってはいけないので、湯や水を入れるボウルは、必ずチョコレートを入れるボウルよりも径の小さいもの(もしくは同じもの)にしてください。
これがテンパリングを行う前の状態です。表面がブルームと呼ばれる白く粉をふいたような状態になっているのがわかります。
テンパリングの手順
1. 湯煎につけて、チョコレートを溶かします(温度→スイート50℃、ミルク40℃、ホワイト40℃)。
【Point3】この時に高温にしすぎると、せっかくのチョコレートの風味を損ねたり、だまができたりするので、必要以上に温度を上げないように注意してください。
【Point4】湯煎や水に接地している部分のみの温度が変化しすぎないように、常にボウル肌をきれいにし全体を混ぜながら温度を測ってください。
2. 水のボウルにつけて、温度を下げる(スイート27~28℃、ミルク26~27℃、ホワイト25~26℃)。引き続き、【Point4】注意。
3. 再び湯煎につけ、作業のしやすい温度まで上げる(スイート31℃、ミルク29℃、ホワイト28℃。この温度より2℃以上上がってしまったら、もう一度2の作業からやり直しです)。
4. ヘラにつけてチェックする。すぐに固まり、つやのある状態なら無事成功^^ すぐに作業を始めましょう。中々固まらなかったり、白い線が入ってしまったりした場合は、もう一度2からやり直しましょう。
本格的な味を追求するならテンパリングは不可欠!
このコラムでは、チョコレートのテンパリング方法について、詳しく解説しました。
最近では、テンパリング不要で美味しい製菓用チョコレートも増えてきましたが、やはり、本格的な味を追求するならテンパリングは不可欠!
今年のバレンタインはぜひ、テンパリングに挑戦して、手作りチョコをワンランクアップさせてみませんか^^?