5,500円以上ご購入で送料110円 - 11/22(金)16:00まで

cotta column

お菓子・パン作りの知的好奇心を満たす情報メディア

乳化とは?

date
2017/03/10
writer
よーちんママ
category
お菓子作り

乳化について詳しく知ろう!

お菓子作りをしていると度々目にする「乳化」という言葉。なんとなくわかっているけれど、きちんと説明できるかと言われると、とまどってしまうような。そんな言葉ではないでしょうか。乳化とは何かわかりやすくお伝えできたらと思います。

乳化とは

「乳化」とは、わかりやすく言えば「水と油がよく混ざり合った状態」のことです。

本来、水と油は混ざり合わないものです。それが、振動をあたえることなどにより均一に混ざり合っていることを「乳化」といいます。
分子レベルで話すと科学的になってしまうので、それはおいておきますね。

「乳化」は食品の水と油のことだけでなく、化学品や医薬品、化粧品などいろいろなところで使われています。では、お菓子作りの「乳化」はどのようなものでしょうか?

お菓子作りでの「乳化」

お菓子作りの中でよく出てくる乳化は、

・チョコ(油)+ 生クリーム(水)
・バター(油)+ 卵(水)

です。「チョコ+生クリーム」は、生チョコやトリュフを作る際のガナッシュですね。

20170310_yochinmama_1_2
左は乳化されていない分離した状態。右は乳化されている状態。

「バター+卵」はいろいろなお菓子で使われますが、一番わかりやすいのはバターと同量の卵を入れるパウンドケーキではないでしょうか。

20170310_yochinmama_3_4
左は乳化されていない分離した状態。右は乳化されている状態。左の写真はちょっと分離しすぎてしまっているけれど、ここまでいかなくてもちょっともろもろした状態になってしまっていたら分離しかかっている状態です。

乳化しないと、どうなる?

油と水がうまく混ざり合っていない状態なので、舌触りや口溶けが悪くなります。乳化されていない「チョコ+生クリーム」は、食べればすぐに分かると思います。
見た目も悪いし、口溶けがざらっとした感じでおいしくないです。

一方、「バター+卵」は、乳化がうまくいかなくても、そのまま焼いてしまえば一応焼けるし、食べてすぐに「おいしくない」とわかるほどではないと思います。

ただやはり、きちんと乳化されたものに比べると、膨らみが悪く、焼き上がりが固くなったり、きめが粗くて、食べるとボソボソというようなことになります。

おいしいお菓子を作るためには「乳化」は大切ですね。

「バター+卵」の乳化を成功させるコツ

「チョコ+生クリーム」は、以前のコラム「生チョコ作りのコツ」でお伝えしたので、今回は「バター+卵」の乳化を成功させるコツをお伝えしたいと思います。

1. バターをクリーム状にする

卵と混ぜる前にまず、バターを柔らかくすることが大事です。バターを柔らかくしてしっかりと空気を含ませることで水分も含みやすくなるので、卵が混ざりやすくなるのです。室温に戻したバターをハンドミキサーの低速で約2分ほど泡立てていきます。なめらかなクリーム状になったらOKです。
20170310_yochinmama_5

2. 砂糖を加える

砂糖を3回に分けて入れて、ハンドミキサーの低速で約2分ほど泡立てます。全体がなめらかになり、ふわっとした状態になったらOKです。
20170310_yochinmama_6

3. 卵液を加える

さぁ、いよいよ卵を加えます。

卵が冷たいまま、または卵を一気に加えると、必ず分離するので絶対にダメです。卵は必ず室温にもどしておいてください。
20170310_yochinmama_7
夏なら30分前、冬なら1時間前に冷蔵庫からだします。でも、急に思い立って作りたいときもありますよね。もし、室温に戻すのを忘れたらボウルに人肌くらいのお湯を入れて卵を殻のまま10分くらい入れておいてください。

20170310_yochinmama_8
溶きほぐした卵を加えていきます。「3〜4回にわけて入れる」とレシピにはよくありますが、失敗しないように大さじ1ずつ加えていくことをおすすめします。
その都度、ハンドミキサーの低速で混ぜていきます。(泡立て器に替えてもいいです)
5回目を過ぎたあたりから分離してきそうになりますので気をつけて下さい。

室温に戻した卵を使っても、何回にもわけて入れても、分離してしまうときはあります。冬などで室温が低いとバターの温度が下がったり、卵の温度が下がったりしてしまうからです。
もし、分離しそうになったら40℃〜50℃の湯煎にかけて混ぜるとなめらかに混ざっていくと思います。薄力粉大さじ2くらいを加えて分離をとめるという方法もあります。卵液の水分を薄力粉が吸収して分離を防ぐのです。

20170310_yochinmama_9
湯煎にかける場合は必ず温度をはかって下さい。熱すぎてバターが溶けてきてしまっては大変です。乳化が成功すると、なめらかなクリーム状になります。

20170310_yochinmama_4
この後、粉を加えて焼くと、きめの細かいパウンドケーキが焼き上がります。

動画でおさらい

まとめ

「乳化」について、なんとなくわかっていただけたでしょうか。
お菓子作りの時に「乳化」を意識して作ってみませんか?
きっといつもよりおいしいお菓子が作れるはずです。

date
2017/03/10
writer
よーちんママ
category
お菓子作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

お菓子作りが大好きな二児の母。家族がおいしそうに食べてくれるのが一番の幸せ。子どもと一緒に作れる簡単なお菓子を作ることが多いです。 

コメント

パステルピンクさん

2018/04/29 17:16

とても、参考になりました。バターと卵の温度が、乳化に大切なことだと感じました。パウンドケーキが、やっと成功しました。ありがとうございます。

よーちんママさん

2018/05/01 14:15

パステルピンクさま コメントありがとうございます。「乳化」難しいですよね。レシピでは意外と簡単そうにかかれているのに、いざ作ってみると分離してしまうこと多いですよね(^_^;) パウンドケーキ成功されたとのこと、コラム記事がお役にたてたようで嬉しいです♪ありがとうございます。

apple.pie414さん

2018/05/07 11:52

レシピにある『3回に分けて加えていく』という説明の理由がわからなくてモヤモヤしていました。どうしてそうするのかって知らなくても作れるけれど、知らないと失敗の原因がわからないんですよね。(そして心が折れる笑)特にせっかちな私は何度か乳化できなくて「なんでなんだ…」とうなだれたものです。これからは乳化失敗せずに済みそうです!ありがとうございます!

よーちんママさん

2018/05/07 16:29

apple.pie414様 コメントありがとうございます! 私もせっかちです(笑)。そして乳化で心折れたことも何度もあります! お菓子作りはレシピ通りに作っても失敗することがよくあって、apple.pie414さんのおっしゃるように「どうしてそうするのか」を知っていると失敗も減りますよね。 今度は乳化が成功することを願ってます!

girlbakeさん

2018/06/09 16:35

マフィンを作った際、材料は全て室温に戻したのですが、分離してしまいました。 レシピにはハンドミキサーの低速で混ぜ、もこもことしてきたらOKと出ていたのですが、その感じがイマイチ分からず、気がついたら分離。混ぜが足りないのかと思い混ぜ続けたら更に分離。 混ぜ過ぎでも分離はしますか?

よーちんママさん

2018/06/11 14:48

girlbake様 コメントありがとうございます。 私も材料をすべて室温にもどしたつもりなのに分離してしまうことがあります。おそらくですが、室温に戻したつもりでも意外と卵の温度が低いということがあるのでそれが原因かと思います。「室温にもどす」とレシピでは簡単に書かれていますが、季節によっては冷蔵庫からしばらく出していても冷たいままだったりします。卵を割る前でも割った後でもよいので40℃程度(お風呂くらい)のお湯に湯煎しておくと人肌くらいになって分離しにくくなりますよ。 一度分離してしまうと、そのまま混ぜ続けても元には戻らないので、混ぜすぎが原因というよりは分離したものが戻らなかったのかなと思います。 もし分離してしまったら、記事を参考にしていただいて粉を少し入れたり、湯煎にかけてみて下さい。 次回は分離せずにマフィンが成功しますように!

ミライさん

2018/11/26 10:47

バタークリームが分離して泣きたい気持ちです(´;ω;`)

よーちんママさん

2018/11/26 15:12

ミライ様 バタークリームが分離してしまったということで、泣きたい気持ちお察しします(>_<)お菓子作りで失敗すると心が折れますよね・・・。 さて、バタークリームはイタリアンメレンゲタイプでしょうか?パータボンブタイプでしょうか?分離の原因はいろいろ考えられますが、やはりバターと卵の温度のどちらかが低かったのが一番の原因ではないかと思います。 分離してしまったときの対処法として、40℃〜50℃くらいの湯煎にかけて少し溶けてきたところで氷水につけてハンドミキサーで混ぜてみて下さい。復活するのではと思います。よかったら試してみて下さい。

はなちゃんさん

2019/03/04 10:21

すごく良く分かりました。 卵を3回に分けて入れても必ず分離してしまうので、まぁいいやと思っていました。 本当に少しずつ入れるんですね。 やってみます!!

よーちんママさん

2019/03/07 22:08

はなちゃん様 コメントありがとうございます!レシピにはよく「卵を3回に分けて入れる」と書かれてますよね。私も3回と書かれているので3回に分けて入れたら分離してました(笑)3回でも大丈夫なのかもしれませんが、苦手な方は少しずつがおすすめです。あと、やっぱり温度が大事なのかなぁと思います。少しずつ入れても、卵やバターの温度が低いとどうしても分離してしまいます。 ぜひ「温度に気をつけて」「少しずつ入れて」試してみて下さい♪

匿名さん

2019/12/08 23:27

材料を全て常温に戻してしっかり泡立てて作ったのに、焼いたら油分が浮いてきてしまいました。おそらく、キッチンの室温が低すぎたのかとこちらのサイトをくまなく読んで思い至りました。季節に合わせて臨機応変に対応しないといけないですね。また挑戦します!

よーちんママさん

2019/12/11 22:03

匿名様 コメントありがとうございます。今の時期は室温が低いのでなかなか常温に戻すのが難しいですよね。冷蔵庫から室温に出しておいても、冷たいことがよくあります。そのときは湯煎で卵やバターを温めたり、ボウルの下に温めた布巾を敷いたりして工夫して見てください。心配なときは温度計で確かめてみるのもおすすめです。今度はうまく乳化できるといいですね。またチャレンジしてみてください(^ - ^)

ぴこさん

2020/05/20 17:37

機種関係無いもしれませんが、クイジナートのハンドミキサーを使っています。これで室温に戻したマヨネーズくらいの柔らかさのバターを混ぜると、混ぜ始めよりクリームっぽさが無くなり、生クリームで言う角が立つ状態になります。そして買ったままの室温の卵をそれこそ大さじ1程度ずつ入れて混ぜても必ず分離します。何故なのでしょうか?何度使っても哨吶のですが、素人的にはミキサーの回転力で冷えちゃった?なんで思うのですが…上手に作りたいです(涙)

よーちんママさん

2020/05/21 13:02

ぴこ様 コメントありがとうございます。いただいたコメントから推測すると、おそらくバターの温度が高いのではないかと思います。バターが空気を含みやすいのは20℃前後なので、指がすっと入る程度の柔らかさだけれどマヨネーズほど柔らかくないという固さが理想です。マヨネーズ状だと25℃くらいまで上がっているのかもしれません。さらにハンドミキサーで攪拌すると温度は上昇していきます。クイジナートはパワーがあるので温度は上昇しやすいと思います。そこへ室温の20℃程度(もしかしたら20℃以下)の卵を入れると、卵がバターより冷たいので分離してしまうのだと考えられます。 最初のバターの温度も20℃程度にすれば分離せずにうまくいくと思います。 レシピでは、「常温に戻す」としか書かれていないことが多いのでわかりにくいですよね。常温と言っても夏場と冬場では全然気温が違うので、「常温に戻す」というのはなかなか難しいです。慣れないうちは温度計ではかるとわかりやすいので、良かったら活用してみてください。 今度は乳化が成功するといいですね。頑張ってみてください!

みかんさん

2021/03/17 14:01

分離してしまい、湯煎にかけて応急処置をする際、なぜバターが溶けてしまってはダメなのでしょうか?

よーちんママさん

2021/03/18 11:08

みかん様 ご質問ありがとうございます。 バターをクリーム状にしてよく混ぜた時に空気を抱き込む性質を「クリーミング性」と言います。常温のバターに砂糖を加えてよく混ぜることで、空気をたくさん含んだ白っぽくフワフワの状態になります。このせっかく空気を含んだバターを湯煎にかけて溶かしてしまうと、バターのクリーミング性が失われてしまうのです。一回溶けてしまったバターは慌てて冷やしても元の構造には戻りません。 なので、湯煎にかけて応急処置をする時もバターを溶かさないように、乳化しやすいように少し温める程度に気をつけてください。 もしバターが溶けてしまうと、焼き上がりの膨らみが悪くなったり食感が悪くなったりしてしまいます。

Flowerさん

2021/08/30 08:05

途中まで乳化してますが、やはり最後の方で分離してしまいます。 薄力粉400グラムで卵8個は卵が多いですか? 卵は常温にして少しずつ入れてるのですが…

よーちんママさん

2021/08/31 11:52

Flower様 ご質問ありがとうございます。 「薄力粉400gで卵8個」と書かれていますが、「バター400gで卵8個」でしょうか? パウンドケーキは基本的にバター、砂糖、卵、薄力粉全て同量なので、卵8個だと400gで比率的に多すぎるということはないと思います。 ただ、1回でバター400g卵400gの量を乳化するのはかなり大変なのでは?と思います。 記事中には詳しく書いてないのですが、常温といっても季節によって室温に出しておいた時の温度は様々です。 できたら、バターの温度と卵の温度を温度計で計り、同じ温度に揃えると失敗しにくいです。(バターが20℃なら卵も20℃というように) また、毎回必ず最後で失敗してしまうというのなら、卵の量を少し減らすレシピにしてみても良いと思います。(バターと卵が同量ではないレシピもあります) 乳化は難しいですが、成功すると良いですね。

Morry2さん

2024/01/24 13:25

もっと早くこの記事に会えていれば! 大丈夫!次回はもっと上手になるはず!乞うご期待 ありがとうございます。

この記事にコメントを書く

コメント

ニックネーム

※ コメント反映までにお時間をいただきます。コラム内容に関係のないコメントや、個人的なご相談などは公開を控えさせていただく場合がございます。

おすすめのコラム

【簡単】ナパージュの作り方・レシピ

ケーキ屋さんの必須アイテム・ナパージュデコレーションケーキのフルーツだけでなく、タルトにゼリー。ショーケースのケーキの果物は、ツヤツヤピカピカ。その正体がナパージュです。手作りのケーキを店頭に並ぶケーキに負けず劣らず素敵...

ブルーベリーバックルのレシピ、アメリカ伝統菓子の作り方

旬のブルーベリーでアメリカンスイーツを作ろう♪夏になると見かけるおいしそうなブルーベリー。国産の新鮮なものも手に入りやすいこの季節。ブルーベリーを使って、手軽でおいしい焼き菓子を作りませんか?今回ご紹介するのはブルーベリ...

【材料2つ】バナナオートミールクッキーのレシピ

注目食材・オートミールとバナナでクッキーが作れる!今回ご紹介するのは、オートミールとバナナを使ったクッキーのレシピ。オートミールとバナナだけで作る素材の味をいかしたレシピと一緒に、アレンジを加えたバージョンもお教えします...

米粉で作る!絶品パウンドケーキのレシピ3選【グルテンフリー】

グルテンフリー食材・米粉でパウンドケーキ作り♪近年の小麦価格の高騰や、グルテンフリー食品への関心の高まりなどから、注目が集まる食材「米粉」。今回のコラムでは、米粉を使った手軽でおいしいパウンドケーキのレシピを3つご紹介♪...

【MerryChristmas】クリスマスをおいしく楽しむコラム4選

クリスマスの過ごし方は?今年のクリスマスは、どんな風に過ごそうかな?と考え中の方も多いのでは?そこで今回は、クリスマスをおいしく楽しめるヒントがたっぷり詰まったコラムをご紹介。クリスマススイーツ探しの参考にしてみてくださ...