カフェや飲食業界において人材採用は、経営を成功させる上での課題の1つではないでしょうか。
働くスタッフはお店の大事な戦力。
自店舗のニーズに合った人材を採用できるかどうかは、経営に大きく関わってきますよね。
しかし、コロナ禍以前から続く人手不足の影響で、人材を確保することが困難になっています。
そこで今回は、飲食業界での人材採用における課題や成功のポイントについて解説していきます。
効果的な募集方法を押さえ、スタッフ採用を成功させましょう!
カフェ・飲食業での人材採用の課題|売上への影響は?
コロナ禍による自粛が緩和され、アフターコロナとして2023年以降は活気を取り戻してきた飲食業界。
停滞していた採用活動が活発化する半面、人材不足や新たな人材の確保に悩んだ飲食店は多かったのではないでしょうか。
2023年10月の帝国データバンク「
人手不足に対する企業の動向調査」によると、飲食店において正社員の人手不足と感じる企業の割合は62.6%、非正規社員の人手不足と感じる割合は82.0%にも上り、人手不足の深刻さがうかがえます。
人手不足は売り上げに大きな影響を与えます。
人手不足でスタッフひとり当たりの負担が増えると、商品・サービスの質が低下する原因となり、お客さまの満足度が下がる恐れがあります。
その結果、リピーターや口コミでの集客の減少など、売り上げに悪影響を及ぼす可能性があるのです。
求人に応募が来ない!よくある失敗の原因は?
「せっかく求人募集を出したのに、応募してもらえない!」という状況になったことはありませんか?
求人に応募が集まらない代表的な失敗原因をみていきましょう。
原因1. 求人を出す媒体がマッチしていない
求人媒体にはさまざまな種類がありますよね。
ただし、コストを割いてたくさんの媒体に求人を出したとしても、応募が来るとは限りません。
これは、求人媒体ごとに求職者層が異なるため、自店舗のターゲットとなる人材がいるわけではないからです。
エリアや性別、年齢、職種など、自社が採用したいターゲット像や求人条件を明確にしましょう。
自店舗のターゲットが使用する求人媒体を選び、活用していくことが重要です。
原因2. 求人募集の内容が求職者に伝わっていない
求人を出す際、仕事内容を明確に記載していますか?
仕事内容や企業についての情報が少ない場合、求職者としては「どのような業務を、どのようなレベルで求められるのか」が分からず、不安になる場合もあります。
求職者に店舗の魅力が伝わらず、応募から離脱する原因になりかねません。
求人には仕事内容を詳細に記載するようにしましょう。
ポイントは分かりやすさに配慮して書くことです。
求職者が「店舗で働いている未来の自分の姿」が具体的にイメージできるよう、仕事内容を記載しましょう。
また、労働者の募集を行う場合は、明記しなければならない労働条件が厚生労働省によって定められています。
記載が必要な項目
・業務
・契約期間
・試用期間
・就業場所
・就業時間
・休憩時間
・休日
・時間外労働
・賃金
・加入保険
・受動喫煙防止措置
・募集者の氏名または名称
引用:厚生労働省「募集時などに明示すべき労働条件」
上記が正確に記載されているかもチェックしましょう。
原因3. 競合店に比べて条件がよくない
求職者は、よりよい雇用条件を求めて応募先を探します。
競合求人に比べて条件が劣っている場合には、選択肢から外されてしまう恐れがあります。
給与や福利厚生、労働時間、働き方などの労働条件を競合求人と比較し、大きな差がある場合には、可能な限り条件を調整していく必要があります。
特に仕事内容や勤務エリアが同じ競合は比較されやすくなります。
近隣の競合求人の条件を確認し、同水準もしくはそれ以上の水準になるよう調整しましょう。
採用を成功させるポイント
採用活動を成功させるために、どのようなことを意識すればよいのかを確認しましょう。
ポイント1. 求人内容の見直し|お店の魅力を伝え、応募率アップ!
給与や福利厚生、労働時間、働き方など、自社の求人内容を見直していきましょう。
求職者に自店舗がアピールできる魅力を整理します。
例えば以下のような項目を書き出してみましょう。
店舗 |
経営理念、コンセプト、安定性、将来性 |
商品・メニュー |
強みや売りやすさ |
やりがい |
自店舗ならではの仕事のやりがい、ポイント |
給与 |
時給や月収、昇給の有無 |
昇格 |
昇格制度の有無、昇格の基準 |
福利厚生 |
福利厚生の有無、種類や内容、通勤手当の有無 |
勤務時間 |
シフト体系、残業の有無やボリューム感 |
休日・休暇 |
休暇の申請のしやすさ |
働いているスタッフの層 |
主婦層が多い、大学生が多いなど、採用したい時間帯に合わせて、採用したい層が多くいることをアピール |
まかないの有無 |
学生さんのような一人暮らしのアルバイトスタッフを雇いたい場合、アピールのポイントになります。求人媒体によってはまかない有無のチェック項目でフィルター掛けできるものも。 |
自店舗のアピールポイントを整理した上で求人内容を改善します。
以下の点に気を付けて項目を記載しましょう。
- 記載内容に漏れがないか
- 誰が読んでも分かる内容になっているか
- 抽象的な内容になっていないか
具体的な数字や事実を用いて説明するのがコツです。
具体性が増し、より応募者の関心を引きやすくなります。
ポイント2. 採用基準の設定|求める人材を明確にする
「採用面接をしたけれど、どの人を選べばいいのか分からない!」と選考に頭を悩ませたことはありませんか?
採用の際には、明確な基準を設定することが重要です。
「どのようなスキルや経験、資質を持った人物を求めるのか」という
採用する基準を明確に定めることで、適切な選考がやりやすくなります。
採用基準を決めるポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
カフェ・飲食業の採用基準の決め方は?お店に合う人材で売り上げアップ!
自店舗が求める資質を明確にし、適切な人材採用ができるように準備しましょう。
ポイント3. 面接|お店と応募者のミスマッチを防ぐ
選考の最終段階である面接は、採用の決め手となる重要なプロセスです。
面接では、応募者の言動や態度などをじっくりと見極める必要があります。
面接時に注意すべきポイントとしては、以下のようなものがあります。
- 応募者の仕事に対する意欲や熱意を確認する
- コミュニケーション能力や協調性を観察する
- 採用基準に沿って、自店舗が求めるスキルや資質とマッチしているかを探る
これらのポイントを踏まえ、適切な採用判断を行いましょう。
また、面接時には応募者に対し、丁寧で誠実に対応することが大切です。
応募者にとって「この店で働きたい」と、思ってもらえるような面接を心掛けましょう。
カフェ・飲食に役立つ求人方法を紹介
最後に、飲食業での求人方法について紹介します。
求人総合サイト
さまざまな業種、雇用形態が掲載されている求人サイト。
正社員向け、アルバイト向け、女性向け、主婦向けなどターゲット層を絞った求人サイトもあります。
メディアによって求職する層が変わりますので、自店舗のターゲットが利用する求人サイトを選ぶのがポイントです。
特にアルバイト・パートの場合は、自宅の近隣で仕事を探す方が多くいます。
もし勤務しているスタッフで、求人募集のターゲットに近しい人がいる場合、どのような求人メディアを利用するかを聞くのもよいでしょう。
求人サイトを利用する人は、「勤務地」や「仕事内容」で検索することが多く、「この仕事で働きたい」というイメージを持っている求職者が多いのも特徴です。
うまくニーズがマッチすれば、短期間で採用することも可能です。
掲載課金型の料金体系の場合は、採用できなくても掲載料がかかりますので、その点は注意しましょう。
飲食業界専門の求人サイト
即戦力となるスタッフ採用に有効なのが、飲食業界専門の求人サイトです。
飲食業経験者や飲食店で働きたい人がサイトに訪れるので、飲食業で働く意欲の高い方を採用できるのがメリットです。
デメリットとしては、都市部で展開しているサービスが多く、地方での求人数が少ない傾向であること。
また、即戦力となる人材のため、勤務地や労働条件など求職者のこだわりにマッチする求人案件でない場合、なかなか応募につながらない可能性があります。
こちらも採用できない場合でも掲載料が発生する点に気を付けましょう。
求人検索エンジン
Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジン。
無料で求人掲載できるのが大きなメリットです。
求人サイトの場合は、その求人サイト内に掲載されている仕事しか検索できません。
一方求人検索エンジンは、インターネット上にあるあらゆる求人情報を一括で検索できます。
多くの求職者に情報を届けられますが、求人数が多いため、埋もれる可能性がある点に注意しましょう。
SNSの活用
現在、InstagramをはじめとしたSNSは情報発信やコミュニケーション手段として非常に重要な役割を果たしています。
もしも若年層をターゲットに求人募集をしたい場合は、SNSを活用するのも手段の1つです。
普段求人を掲載している求人サイトを見ないような、アプローチできなかった求職者に応募してもらえる可能性があります。
すでに多くのフォロワーがいるお店のアカウントであれば、お店のファンである方を採用できる可能性が高いため、採用後の定着のしやすさにもつながります。
店舗の様子や仕事風景、スタッフの紹介など、店舗の雰囲気や魅力を視覚的にアピールできる点がSNSの特徴です。
アカウントの運用に費用はかからないため、採用が成功すれば採用コスト削減も期待できます。
まとめ|お店の魅力をアピールし、採用を成功させよう
飲食業界における人手不足の問題は、今や非常に困難な課題となっています。
人手不足を解決するために、採用活動は必須です。
求人募集を出す際は、内容の伝わりやすさを意識し、求職者が店舗で働くイメージが持てるように項目を記載しましょう。
また、求人を出す媒体も、採用活動を成功させる上で重要なポイント。
闇雲に求人を出すのではなく、自店舗が求めるターゲットが利用する求人媒体を利用しましょう。
ぜひ、これらのポイントを意識して、人材採用に取り組んでみてください。
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