カフェや飲食店を経営する上で、売上をアップさせることは重要な課題ですよね。
売上や利益を向上させるためには、データの分析と活用が欠かせません。
この記事ではカフェ・飲食店、お菓子屋さん、パン屋さんに向けて、データ分析の重要性と具体的な活用法について解説します。
特にお客さまの傾向を知る「RFM分析」、店舗の重要度の高いメニューを知る「ABC分析」を中心に、お店の売上アップに役立つポイントを紹介しますので、ぜひご一読ください。
データ分析の重要性
お店の売上分析をしていますか?
売上分析とは、自店舗の売上を分析し、課題や傾向を把握するプロセスです。
ただ単に売上金額の把握や過去売上高との比較だけをしていませんか?
目的に応じた分析を行うことが、売上や利益アップにつながります。
最初にデータ分析すべき理由とは何かを考えてみましょう。
店舗を黒字化させ長期的に経営していくためには、目標を達成させるための指標が必要です。
例えば「1日の売上をアップさせる」「利益を上げるために新しくメニューを開発する」などの目標を立てても、漠然としていると感じませんか?
「売上アップ」は具体的に何円なのか。
利益アップのためには原価が何円の新メニューをいくらで販売し、何個売る必要があるのか。
このように具体的な数値目標を出すためには、過去の売上データの分析が必要です。
つまり、データ分析は現状を把握し、的確な目標を設定するために欠かせないのです。
データ分析はマーケティング活動の一部。
「マーケティング」とは、経営における「売れる仕組み作り」に関する活動の総称です。
どのようなお客さまに、どのような価値を、どのように提供するのかを考え、商品・サービスが売れる仕組みを構築します。
マーケティングについてはこちらの記事で解説していますので、ぜひチェックしてくださいね。
お菓子屋さん・パン屋さんに必須のマーケティングとは?キホンを解説
データ分析の流れ
データ分析の流れをステップごとに解説します。
STEP1. 分析の目的を決める
最初に「何のためにデータ分析をするのか」という目的を設定します。
「売上をアップする」「お客さまを増やす」というような漠然としたものではなく、具体的にしておくのがポイントです。
例えば、「客単価の向上に結びつく施策の方向性を決定する」「新規顧客へのアピールでリピート率を引き上げる」など、目的に具体性を持たせることがポイントです。
STEP2. 仮説を立てる
目的を設定したあとは、達成のためにクリアしなければならない課題を見つけます。
課題がどのようなものか仮説を立てましょう。
例えば来店数の減少が課題であれば
・商圏内の競合店にお客さまが流れているのかもしれない
・看板メニューの集客効果が低いのでは?
といった仮説が立てられます。
立てた仮説が複数ある場合は、優先順位をつけましょう。
STEP3. データ収集を行う
次に立てた仮説の検証に用いるデータを収集します。
お店にPOSシステムを導入している場合はそのデータも活用しましょう。
データは正確性が重要です。
売上実績や顧客データ、来店客数、時間帯別売上高などさまざまなデータを日ごろから収集しておきましょう。
STEP4. データ分析を行う
収集したデータを分析します。
仮説に適した分析の手法を用いましょう。
データ分析にはさまざまな手法があります。
中でも代表的な「RFM分析」と「ABC分析」については次の章で解説していますので、参考にご覧ください。
STEP5. 解決すべき課題を決定し、施策を実施する
データ分析の結果から、解決すべき課題を特定します。
課題解決に向けて対策を立て、アクションを起こしましょう。
また、施策実施後はその効果を評価し、再度データ分析を行うことで改善の循環がスムーズになります。
データを活用し、効果的な施策を打つことが、売上や利益向上につながります。
お客さまの傾向を知る|RFM分析
データ分析の代表的な手法をみていきましょう。
ここではRFM分析について解説します。
RFM分析とは、お客さまの購入状況の分析です。
顧客が最後に商品を購入した日を評価の判断基準とします。
最近購入した顧客のほうが、何年も前に購入した顧客よりよい顧客と考えるものです。
顧客がどの程度頻繁に購入してくれたかを評価の判断材料とします。
頻度が高いほどよい顧客と考え、この値が多い場合は、常連客が多いと判断できます。
顧客の購買金額の合計を評価の判断基準とします。
一般的にこの金額が大きいほどよい顧客と考えられます。
優良顧客を見極め、自店舗の売り上げに貢献する可能性の高い顧客に優先してアプローチを行うことで、効率のよい営業活動ができます。
また、非優良顧客を把握し、その顧客層への来店施策を考えやすくなります。
分析の手順
1. 購買データを用意する
RFM分析に必要なデータは「商品・サービスの購入日」「購入頻度」「累計の購入額 」がわかる購買データです。
会員カードのような顧客情報を取得している場合、分析に活用できます。
RFM分析は、データの収集期間によって有効なデータがそろわない可能性があります。
特に季節性の高い商品は適さないので注意しましょう。
2. 2. ランク付けの基準を決め、グループ分けをする
R・F・Mごとにランク付けの基準を決めましょう。
下記の表のように5段階に分けることが一般的です。
RFMそれぞれの指標の見方は以下のようになります。
- Rが高いほど将来の店舗収益に貢献してくれる可能性が高い
- Rが低ければFやMが高くても競合店に奪われている可能性が高い
- Rが同じならば、Fが高いほど常連顧客
- Rが同じならば、FやMが高いほど購買力がある顧客
- RやFが高くてもMが少ない顧客は購買力が低い
- Fが低くMが高い顧客はRの高い方がよい顧客
- Fが上がらないか下がっている顧客は競合店に奪われている可能性が高い
3. グルーピングをする
ランク付けの基準を基に、顧客のグルーピングを行います。
以下はグルーピングの例です。
分析結果の活用例
課題を解決するために立てた仮説に、顧客グループごとの施策を考えましょう。
例えば次のような対策が考えられます。
- 優良顧客
プレミアムイベントのお知らせをDMやメールなどで送る
- 安定顧客
ポイントカードやスタンプカードを活用し、来店の頻度が上がるよう促す
- 新規顧客
2回目の来店を促す特典やキャンペーン情報などのDMを送る
- 休眠顧客
再訪のきっかけとなるイベントやキャンペーンDMを送る
それぞれの顧客に対し、来店の動機となるような施策を実行しましょう。
重要度の高いメニューを知る|ABC分析
お店のメニューについて、どれがお客さまから求められているものか、どれが粗利率の高いものかというように、メニューごとの重要度を把握できていますか?
メニューの重要度を明確にするときに役立つのがABC分析です。
ABC分析とは、メニュー単品を売上高や粗利率の順にリストアップし、ABCでランク付けする分析手法です。
メニューを整理して、重要なものから並べ、優先順位をつけて管理ができます。
売上に貢献しているメニューとそうでないメニューとが分かり、メニューの改廃や改良などの対策が考えやすくなるのです。
また、ABC分析で売れ行き好調なメニューを知ることは、お客さまのニーズの把握に役立ちます。
この記事では
上記2つを掛け合わせて分析する「クロスABC分析」について解説します。
分析方法
最初に店舗の売上高と各商品の利益率が分かるデータを準備しましょう。
Excel(エクセル)のような表計算ツールの活用がおすすめです。
1. 売上高の軸でABC分析をする
販売数量や単価などのデータから月の売上高を算出します。
【例】
次に、売上高の高い順に並び替え、売上構成比と累計構成比を出します。
売上構成比とは、売上高を100%としたとき、各メニューの売上高の割合です。
下記の式で算出できます。
売上構成比=メニューの売上高÷売上高合計
累計売上構成比 は、売上高1位の売上高構成比に2位以降の売上高構成比を足していったものです。
【例】
累計売上構成比が算出できたら、ABCでランク分けをします。
ランクは下記のように分類できます。
Aランク |
累計売上構成比が0〜70% |
売上が高い、お店のウリとなるメニュー |
Bランク |
累計売上構成比が70〜90% |
Aランクになる可能性のあるお店のサブメニュー |
Cランク |
累計売上構成比が90%〜100% |
売上高への貢献度が低いメニュー |
【例】
ABCのランク分けの考えた方は「パレートの法則」に基づいたものです。
パレートの法則とは、「売上や利益の80%は、全体の20%の商品がもたらしている」というもの。
この利益貢献度の高い「20%」のメニューを探し出す方法がABC分析なのです。
2. 粗利率の軸でABC分析をする
売上が高いことと利益が出ていることは必ずしも一致しませんよね。
そのため、利益アップのチャンスを逃さないためには、売上高だけでなく粗利率と組み合わせたABC分析が重要です。
粗利率でABC分析を行うときは、売上高ABC分析で使った一覧表の「売上高」→「粗利率」、「累計構成比」→「累計粗利率構成比」へ変更すると、売上高と同様にランク分けできます。
粗利率を軸としたABC分析では、お店への利益貢献度が高いメニューを把握できます。
3. クロス分析する
売上高と粗利率それぞれでABC分析を行ったら、クロス分析でメニューを評価しましょう。
売上高と粗利率の2つの指標で表にすることで、AAランク、ABランクなど、さらに詳細なABC分析ができます。
クロスABC分析をすると、上記のようにメニューを9つのランクに分類できます。
AAランクの売上高・粗利率ともに高いメニューが重要度の高いメニューです。
このAAランクメニューの販売数をいかに増やしていくかが重要な戦略となります。
例えば、売上高A粗利率Bは、原材料費抑えるような原価管理をすればAAランクになる可能性があります。
分析結果のいかし方
クロスABC分析をすれば、どのメニューの売れ行きがいいのか、利益を確保できているのかが一目で分かります。
販促をするメニューの優先順位を決めるときや、メニューの改善・改廃のときに活用できます。
例えば売上・粗利のどちらも中間に位置するBBランクのメニューがあるとします。
このメニューを利益アップさせるための改善方法を考えてみましょう。
上記のように、「売上高アップのために改善する」「粗利率を上げるために改善する」という明確な改善目標ができるため、対策が考えやすくなるのです。
また、売上高A粗利率Cは、「人気メニューであるものの、利益率が低い」というメニューです。
一見「メニューの停止をした方がよいメニューなのでは?」と思うかもしれません。
ACランクメニューは打ち出し方によっては、お店の目玉商品として集客の効果を発揮できるメニュー。
他のメニューと粗利率のバランスをとり赤字にならない対策をすれば、お店の武器となる場合もあります。
Cランクであってもメニューからなくすかどうかは、お客さまのニーズをチェックした上で決めましょう。
まとめ|売上アップには目的に合わせたデータ分析が必須!
この記事では、カフェ・飲食店向けに利益アップのためのデータ分析について解説しました。
データ分析はマーケティング活動の一環であり、お客さまの傾向やニーズを把握し、売上向上につながる大きなポイントです。
データ分析は「目的の決定→仮説を立てる→データ収集→データ分析→課題の決定・施策の実行」の流れで行います。
データ分析は目的に合った手法を用いましょう。
代表的な分析方法に「RFM分析」と「ABC分析」が挙げられます。
「RFM分析」ではお客さまの傾向を把握できます。
傾向でランク分けし、それぞれの顧客層に合わせた施策を実施し、顧客満足度を高めて利益アップを目指しましょう。
「ABC分析」は商品の売上や粗利などを分析し、それぞれの商品の重要度を評価します。
重要度の高いメニューに重点的に取り組むことで、売上向上につなげられます。
ぜひ今回の記事で紹介したデータ分析の手法を活用し、売上アップを目指してみてください。
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