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【パッケージ中澤】お菓子屋さんの課題を解決する「ものづくり」への想い

date
2024/10/30
writer
コッタビジネス編集部
category
ボイスデータ > メーカーインタビュー
ケーキや焼き菓子・和菓子など、おいしい商品をお客さまへ届けるためには、お菓子を包むパッケージや安全を守る鮮度保持剤など「包装資材」が欠かせません。包装資材は店舗とお客さまを結ぶ架け橋ともいえる存在です。 製菓業界を「包装資材」で支えてくれる、パッケージメーカー各社にcotta独自インタビューを行いました。各社のこだわりや商品開発の秘話、ものづくりへの想いをお届けします。 シリーズ第1回目となる今回は、島根県松江市に本社を構える紙器メーカー、株式会社パッケージ中澤にインタビューしました。

課題を解決するものづくりを目指して

株式会社パッケージ中澤は1958年創業以来、長きにわたり製菓業界を支える存在です。ケーキ箱やケーキトレー、洋菓子・和菓子の企画箱、個包装用袋など、そのラインナップは多岐に渡ります。
商品企画部所属の梶野さんに、取材にご協力いただきました。
【cotta】 最初に貴社製品についてお聞かせください。他社と比較して、貴社製品にはどのような強みがありますか?
【梶野さん】 ユーザーさまの使いやすさを追求し、製品を作ることです。 例えばケーキ箱というひとつの製品をとっても、ユーザーさまにとっての利便性・使い心地の向上を目指し、小さな工夫を凝らします。 それだけでなく、お求めやすい価格に保つことも強みだと考えています。
【cotta】 商品開発において、特に力を入れているポイントやどのようなこだわりがありますか?
【梶野さん】 ユーザーさまが「何を求めているか」を追及することですね。 当社の商品は「課題を解決するモノ」だと考えています。「自分たちが作りたいモノ」ではなく、あくまでもユーザーさまファースト。 「今、ユーザーさまがどんなことに困っているのか?」という課題はもちろん、「困っている問題の本質は何なのか?」ということを念頭に置いて取り組んでいます。 問題を理解することに力を入れ、その問題を解決するための商品開発に臨んでいます。

人気デコ箱TSDシリーズの誕生秘話

【cotta】 数ある商品の中、特に売れ筋・人気の代表アイテムは何でしょうか?
【梶野さん】 TSDシリーズです。保冷剤スペース付デコ箱ですね。
【cotta】 TSDシリーズにはどのような特徴がありますか?
【梶野さん】 デコ箱の内側に保冷剤を収納できるスペースを設けました。こちらのスペースは保冷剤だけでなく、ケーキのデコレーションに使うキャンドルやオーナメントも収納できるんです。 アイデア次第で使い方が広がる、便利な多用途スペースが人気の理由です。
【cotta】 TSDシリーズはどのようなお客さまから人気がありますか?
【梶野さん】 地球温暖化の影響もあり、現在では北海道から沖縄、さらには海外のお客さままで。幅広い洋菓子店さまでご利用いただいています。 近年オープンされた洋菓子店さまも、真っ先にTSDシリーズを選ぶ傾向にありますね。
【cotta】 cottaでも人気のTSDシリーズ。保冷剤スペースの幅が約2cmも確保されているのが特徴的です!スペースにゆとりがあり、メッセージカードやおまけの焼き菓子を入れるという使い方もできますよね。しかも、ケーキトレーとは干渉しないので安心感があります。 定番シンプルな白無地をはじめ、ブラックやレッド、オレンジなどカラーバリエーションも豊か。店舗のイメージや、イベントに合わせたチョイスができますよね。 中には牛柄というポップなデザインがあるのも印象的です。
【cotta】 TSDシリーズの商品開発はどのようなコンセプトの下で取り組まれましたか?

【梶野さん】 従来品よりも

  • より安全な箱を作る
  • 大きな保冷剤の収納スペースを確保する

というコンセプトで開発に臨みました。

【cotta】 「安全な箱」と「収納スペースの確保」ですか。こちらのコンセプトを設定するまでにどのような経緯があったのか、TSDシリーズ商品開発のきっかけやその背景についてお聞かせください。
【梶野さん】 一般的なデコ箱の保冷剤収納スペースといえば、天面のポケットを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。 この形式について、ユーザーさまから 「ポケットが落ちないか心配」 「ケーキを入れる際に、上に当たらないか注意しながら使用している」 「保冷剤が1つしか入らない」 など、さまざまなご意見をお聞きしていました。 また、当社のデコ箱従来品は、糊貼り部分が底面にくるという構造でした。 そのため、ケーキを出し入れする際に、糊貼り部分とトレーが干渉してしまって。「箱にトレーが引っかかって使いづらい」というユーザーさまからのお声をいただいていたんです。 これらの課題の解決を目指して、TSDシリーズ開発に取り組みました。
【cotta】 ユーザーさまの声が商品開発のきっかけとなったのですね。TSDシリーズの開発において工夫された点や、こだわりポイントをお聞かせください。
【梶野さん】 ケーキ箱では糊貼り部分を隠すために底面に設計していました。反対に糊貼り部分をケーキ箱の内側に持ってきて、その部分を「保冷剤収納スペースとして活かしてみてはどうだろう?」とひらめいたんです。 保冷剤収納スペースが内側にあれば、保冷剤が落ちて大切なケーキを崩すというリスクもなくなりますし、上の空間にも余裕が生まれます。保冷剤も1つだけでなく、持ち帰り時間に応じて複数入れることもできる。 それからはデコ箱の設計そのものを見直し、何度も試作品を作製。 ある程度形になったところで、地元の洋菓子店さまに箱をお試しいただき、リアルな声をうかがいました。 さらに改良を重ね、現在のTSDシリーズが完成したんです。
【cotta】 ケーキを出し入れするとき、型崩れを起こすリスクを減らせるのはとてもうれしいポイントです! せっかく美しくデコレーションされたケーキ、購入してもそのままの形で食べたいもの。糊貼り部分をカモフラージュしつつ、保冷剤の収納スペースも確保するとは、まさに一石二鳥ですね。 現場でユーザーさまに使ってもらい、そこからの気づきを得る。まさに「問題の本質を理解する」という姿勢が、商品開発に反映されていることがうかがえます。発売後、ユーザーさまの反応はいかがでしたか?
【梶野さん】 「ケーキを入れるときにポケットが邪魔にならず、スムーズに作業できるようになった」 「保冷剤を複数入れられるから、暑い日でもケーキを安心して運べる」 「冷却効果が向上した」 など喜びのお声をいただきました。 開発に取り組んで、本当によかったと感慨深いです。

世界中のお菓子屋さんから信頼されるブランドになるために

【cotta】 今後の展望についてお聞かせください。
【梶野さん】 私たちは日本国内にとどまらず、海外でも通用する製品づくりを目指していきたいと考えています。 品質・デザイン・機能性のすべてにおいて妥協せず、どこの国であっても安心して使っていただける製品を提供していきます。 世界中の人々に信頼されるパッケージブランドを築いていきたい。
【梶野さん】 当社は使う人への思いやりを大切にし、ものづくりに強いこだわりを持っています。 特に、私たちのお客さまは、大規模なチェーン展開を行う企業さまではなく、町のお菓子屋さん。地域に根付く、身近なお店が主なユーザーさまです。 そのため「既製品」という存在が最も役に立ち、需要が高いと考えています。常に使う「既製品」だからこそ、使う人のことを第一にする必要があるのです。 これからも課題解決型のものづくりに励み、心を込めて製品を作り続けることで、新たな市場にも挑戦し続けます。

株式会社パッケージ中澤 住所:〒690-0021 島根県松江市矢田町250-2 HP :https://p-nakazawa.com/
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