人気のドライフルーツ、いちじく
果物を乾燥させたドライフルーツは、保存性が高まり、甘みや栄養がぎゅっと詰まっています。
今回は、ドライフルーツの中でも人気のドライいちじく(ドライフィグ)について、効能やパンに取り入れる方法を、レシピと共にご紹介します。
健康にも美容にも良いドライいちじく
いちじくの主な原産地はアラビアの南部で、そのままでも栄養価や薬効が高い果物。
でも、乾燥させて水分を抜いたドライいちじくは本来の栄養が凝縮され、生で食べるよりも栄養価が高くなる成分が多いのです。
ドライいちじくに含まれる栄養素
ミネラル
ドライいちじくは、カルシウム・鉄分・カリウムなどのミネラル分が豊富です。
カルシウムは骨や歯を丈夫に。
鉄分は貧血の改善などに。
カリウムは体内の余分な塩分を排出し、むくみや高血圧を予防してくれる効果があります。
食物繊維
ドライいちじくには水溶性食物繊維(ペクチン)と不溶性食物繊維(セルロース)がバランスよく含まれているため、便秘解消にも効果的。
美容にも効果を発揮
ドライいちじくに含まれる植物性エストロゲンは、女性ホルモンと似た働きをする物質。
女性ホルモンのバランスを整え、更年期障害の軽減などにも効果があるといわれています。
抗酸化物質も含んでいるので、アンチエイジングも期待できそうですね。
パンとドライいちじく
ドライフルーツとパンは王道の組み合わせで、パンがより香り豊かに仕上がります。
ドライいちじくは、プチプチした食感が少し歯ごたえのあるハードなパンやナッツの食感と相性抜群。優しい甘みは、ライ麦やチーズの酸味とよく合います。
イラン産?トルコ産?
ドライいちじくは、イラン産とトルコ産が多く出回っています。
イラン産は小粒でしっかりと水分が抜けきってかたく、かめばかむほど味が出てくるタイプ。
トルコ産は大粒で少しやわらかく、まるでジャムのように甘く濃厚。
パン作りにはトルコ産がおすすめです。
ドライいちじくの下準備
ドライいちじくをパン作りに使用する際は、やわらかく戻すことが大切。
なぜなら、乾燥したままのいちじくを混ぜ込むと、パン生地の水分を吸い取ってしまい、パンがかたく焼き上がってしまうから。
やわらかく戻す方法はいくつかありますが、代表的なものは湯通しです。
熱湯に10秒間程度入れてザルにあげ、キッチンペーパーで水気を拭き取ればOK。
他に、洋酒に漬ける、水に一晩浸す、などの方法もあります。
いちじくとカシューナッツのパン
ドライいちじくと相性のよいライ麦とカシューナッツを合わせた、少しハードなパンをご紹介します。
お料理やワインのお供にしたり、チーズや発酵バター、はちみつをのせたりして楽しんでも。
材料(2個分)
- 準強力粉…160g
- ライ麦粉…40g
- 水…135g
- きび砂糖…10g
- 塩…3g
- インスタントドライイースト…2g
- ドライいちじく…80g
- カシューナッツ…20g
下準備
- ドライいちじくは、上記の「ドライいちじくの下準備」を参照してやわらくし、1cm角にカットする。
- カシューナッツはトースターなどで軽くローストし、大きめに砕く。
- 他の材料は常温にしておき、暑い時期以外は水も人肌程度に温める。
作り方
- ボウルにいちじくとカシューナッツ以外の材料を入れて、ヘラなどで混ぜる。
- 水気がなくなればこね台に出す。
- 生地を広げて、半面にいちじくとカシューナッツの1/2量を散らして生地をかぶせる。
- 一つに丸め、とじ目を下にしてボウルに入れる。
- 生地を手で押さえてガスを抜き、2等分にする。
- 再びガスを抜いて、とじ目を上にする。
- オーブンシートを敷いた天板に並べ、湿気のある暖かい場所で約2倍の大きさになるまで二次発酵をする。
- 220℃に予熱したスチームオーブンで15分間~焼き色が付くまで焼く。
べたつきやすいので、台にたたきつけるようにして約5分間こねる。
*材料が均一に合わさればOK。
同じことを繰り返し、両手で生地をもむように具材を均等に混ぜ込む。
ラップをして一次発酵をする。
生地が約2〜2.5倍の大きさになれば発酵完了。
具材がなるべく表面に出ないように丸め、乾燥しないようにボウルをかぶせて15分間休ませる。
10×15cmの楕円形に広げて、上下を折りたたむ。
さらに半分に折って、とじ目をとじる。
発酵が完了したら生地の表面に強力粉を振って、ナイフで斜めに6か所切れ目を入れる。
「いちじくとカシューナッツのパン」の詳しいレシピページはこちら。
不老長寿の果物、いちじく
6000年以上も前から栽培され続けている長い歴史を持ついちじくは、おいしい上に健康や美容にも良い不老長寿の果物といわれるほど。
魅力的なドライいちじくを使ったパンをぜひ作ってみてくださいね。