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冷蔵発酵で作るパンレシピ、ポイントや注意点も

date
2019/05/20
writer
みりんパン
category
パン作り

冷蔵発酵でパンを焼いてみよう

パン作りには、冷蔵発酵という方法があるのをご存じでしょうか。

この方法をうまく使えば、家事や仕事の合間にパンを作ることができるように。
気温が上がってくる季節に気を付けたい、過発酵の対策にもなるのでおすすめです。

今回は、冷蔵発酵でのパンの作り方を詳しく解説。イースト量を通常より抑えて、少しだけ発酵を進めてから冷蔵庫に入れ、翌日に焼くという方法をご紹介します。
ポイントを押さえれば簡単に挑戦できますよ。

冷蔵発酵とは

冷蔵発酵とは、こねた生地を一次発酵するときに、室温ではなく低温(冷蔵庫)でゆっくり発酵させる方法のこと。

「長時間熟成」や「長時間低温発酵」という言葉を聞いたことはありませんか?
パンの製法としては、「オーバーナイト法」とも呼ばれます。

冷蔵発酵のメリット・デメリット

冷蔵発酵にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

冷蔵発酵のメリット

  • 時間の調整がきく。
  • 小麦のうま味を引き出し、味わい深いパンになる。
  • イーストの量を控えるため、イースト特有の匂いを抑えて、小麦本来の香り豊かなパンが焼ける。
  • パンの老化が遅く、おいしい状態を長く保てる。
  • バゲットなどのハードパンは気泡が入りやすくなる。

冷蔵発酵のデメリット

  • 発酵の見極めが必要。
  • クラストがややかたく、引きが強いパンになる。
  • 焼いたパンの表面に、「フィッシュアイ」や「火ぶくれ」と呼ばれる、ぶつぶつができてしまうことがある。

冷蔵発酵パンを作るときの注意点

冷蔵発酵だからこその注意点をチェックしましょう。

イースト量の細かい調整が必要

0.1g単位で量れるスケールを使用するなど、きちんと量りましょう。

作業開始から24時間以内には焼き上げる

材料と混ぜ合わせてから24時間を過ぎると、イーストの働きが低下していきます。
また、長時間の保存にはカビや腐敗の心配も。

作業開始から焼き上げまでを、24時間以内で完了させるのが好ましいでしょう。

発酵が進みすぎる場合がある

冷蔵庫に入れていても、パン生地の発酵は進みます。
発酵しすぎてしまう原因は、生地のこね上げ温度が高すぎるか、冷蔵庫の温度が高いこと。

こね上げ温度が26~28℃になるよう、材料や仕込み水の調整を。
野菜室は比較的高い温度に設定されているので、5℃前後の冷蔵室に入れるほうが失敗が少なくおすすめです。

冷蔵発酵のおすすめレシピ:カマンベールハニーパンのレシピ

カマンベールチーズとはちみつのハードパンは、お好みで黒こしょうをトッピングすると、ぐっと大人っぽい味に。
パンチで生地をつなぐので、こねる作業はありません。

工程内にタイムテーブルを記載しています。参考にしてみてくださいね。

材料(3個分)

  • 強力粉(はるゆたかブレンド)…165g
  • 全粒粉(春よ恋)…35g
  • インスタントドライイースト…0.5g
  • 塩…3g
  • 砂糖…5g
  • 水…140g
  • カマンベールチーズ…75g
  • はちみつ…適量
  • 粗びき黒こしょう…お好みで

作り方

1日目

  1. 16:00 ボウルに計量した粉類を入れ、混ぜておく。
  2. 水を加えヘラで粉気がなくなるまで混ぜる。

  3. こね上げ温度は26~28℃になるように整えるのがコツ。

  4. 30℃で20分間休ませる。
  5. 16:25 1回目のパンチ。
  6. 指を水でぬらして生地を優しくつかみ、ちぎれないところまで引っ張り上げたら生地をたたむ。
    これをボウル1周行う。

    1回目のパンチ終了。

  7. 30℃で20分間休ませる。
  8. 16:45 2回目のパンチ。
  9. 工程4と同様に行う。
    生地に弾力があり、表面がつるんとしてくる。

  10. 30℃で約30分間発酵。
  11. *1.5倍くらい膨らむのが目安。

  12. 17:15 冷蔵庫に入れ、一晩休ませる。
  13. *時間にすると、12~20時間程度。

2日目

  1. 12:30 生地を冷蔵庫から取り出す。
  2. 冷蔵庫に入れる前よりも約2~2.5倍の大きさになっているのが目安。
     
    *ふくらみが悪いときは、30℃で30分間程度発酵を追加する。

  3. 3分割して三つ折りにし、30℃で30分間ベンチタイム。
  4. 13:00 とじ目を上にしてガスを抜き、カマンベールチーズを25gずつ包み、成形。
  5. 13:10 とじ目を下にして置き、30℃で一回り大きくなるまで二次発酵。
  6. *パンマットがあれば布取りすると良い。

    二次発酵の間にオーブンの予熱(250℃)を開始。
    このとき、天板を入れたまま予熱するのがポイント。

  7. 13:45 とじ目を下にしてオーブンシートにのせ、カマンベールチーズが見えるまでクープを入れる。
  8. クープの部分にはちみつをかけ、お好みで粗びき黒こしょうをかける。
  9. 予熱した天板にオーブンシートごとのせ、焼成。
  10.  
    スチーム機能がある場合、スチームを入れ250℃で6分間→220℃で11分間。
    スチーム機能がない場合は、霧吹きをして同様に焼く。

    *焦げそうなときはアルミホイルで覆うか、温度を低くする。

  11. 14:05 焼き上がり。

食べるときにはちみつを追加でかけてもおいしいですよ。

既存のパンレシピを冷蔵発酵で作るポイント

今回の作り方を応用して、既存のパンレシピを冷蔵発酵で焼くことも可能です。

基本的には、レシピのイースト量を1/3程度に抑えることで、冷蔵発酵に対応するイースト量にすることができます。

イースト量の調整の仕方

以前のコラムでご紹介した「ベーコンエピ」のレシピを例に解説します。

パン生地の材料

  • 準強力粉(リスドォル)…200g
  • インスタントドライイースト…1.5g
  • 水…126~130g
  • 塩…3g
  • 砂糖…6g
  • 無塩バター…6g

このレシピのイースト量は、ベーカーズパーセントで「0.75%」。
1/3量ということは、「0.25%」にすればOK。

(粉のグラム数)×(イーストのベーカーズパーセント)=(イースト量)
200g×0.25%=0.5g

作り方

  1. イースト量を0.5gにして生地をこねる。
  2. 1.5倍に膨らむまで30分間ほど発酵させ、冷蔵庫に一晩入れる。
  3. ベンチタイムからは、元のレシピ通りの工程でOK。

ベーカーズパーセントについての詳しい説明は、コラム「ベーカーズパーセントとは?徹底解説!」をご覧ください。

パン作りに大切なこと

発酵にかかる時間は糖分や油脂の量によって異なって来るので、発酵具合を見極めることが大切。

発酵の見極めは、冷蔵発酵の場合だけでなく、通常のパン作りにも大切な作業ですよね。
目で見て、生地に触れて、発酵の進み具合を見極めることが最も大切なのです。

空き時間をうまく使ってパン作り

今回は、冷蔵発酵のパン作りについて、レシピを交えて詳しく解説しました。

パンを焼くときに3~4時間拘束されるというのは、ハードルが高くて大変。
冷蔵発酵をマスターすれば、家事や趣味の合間に手軽に生地作りができるようになります。翌日の朝ごはんに焼きたてパンを楽しむなんてこともできますよ♪

date
2019/05/20
writer
みりんパン
category
パン作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

フルタイムで働く合間、パン作りをするのが楽しみな主婦。焼き立てパンのおいしさを、より多くの方に知っていただけるとうれしいです。

コメント

士業ママさん

2020/06/13 21:55

このレシピで作りましたが、イーストの分量は間違いではないですか?全く膨らみません。他の同様なレシピと比較しても極端にイーストの分量が少ない気がします。如何でしょうか。

みりんパンさん

2020/06/15 11:53

士業ママさん、コメントいただきありがとうございます(^^) イーストの量についてですが、コラムで紹介しているレシピは低い温度で長時間発酵させることを前提で作っています。イースト量を通常通り(1.5〜2%)にしてしまうと過発酵になってしまう可能性が高くなるので、意図的にイースト量を少なくしています。 全く膨らまなかったとのことですが、膨らまなかったのは発酵時でしょうか?焼成時でしょうか?士業ママさんが思ったようなパンが焼けるよう力になりたいので、教えていただけると幸いです(^^)

士業ママさん

2020/06/23 08:55

みりんパンさん、お返事ありがとうございます!!結果から申し上げますと、大成功いたしまして大変美味しいパンが焼けました。 1日目7番行程の、30度で30分発酵させ1.5倍に、、という箇所で悩みました。 捏ね上がり生地の温度も適温で、オーブンの発酵モードを使ったのですが、10分20分延長しても膨らまず、結局温度を上げて更に時間をかけて1.5倍程度まで膨らむのを待ってみました。 その待っている間に他サイトの冷蔵発酵レシピなどを漁り読み、イーストがやや少な目な気がしてコメントしました。当方の経験の浅さ経験無さです。大変失礼いたしました。 本当に美味しいパンが焼け、感動でした。これからもこのレシピ何回も活用させて頂きたいです!

みりんパンさん

2020/06/28 02:57

士業ママさん、コメントいただきありがとうございます。 美味しく焼いていただけたとのことで、とても嬉しいです(*^^*) 温度や時間を変えて発酵の状態を見ていただけたとのことで、他にもパン作りに挑戦される方にとってとても参考になるコメントだと思います!感謝いたします! 私のコラムに拙くわかりにくい表現があったかと思います。申し訳ありません。。 この生地自体がとてもシンプルなので、コラムにあるハニーチーズ以外にもポテトサラダやきんぴらゴボウなど、残り物のお惣菜を包んで焼くのもおすすめです!ぜひ活用していただけると嬉しいです(*^^*) みりんパン

レモンさんさん

2021/02/17 08:50

とても美味しく焼けました ハチミツがあいますね コラムの記事も勉強になりました 教えてくれてありがとうございます また作ります

桜 えこさん

2021/02/22 21:53

私は、生地を捏ねてすぐに冷蔵庫(野菜室)に入れていました 一晩オーバーナイト発酵しても膨らまなかったのです その原因がわかりました みりんさんのこのレシピの「7番目 30℃で約30分間発酵 *1.5倍くらい膨らむのが目安」がポイントなんですね  さっそく、みりんさんのこのオーバーナイト発酵のレシピでパンを作ってみます オーブン30℃でなく35℃発酵でも大丈夫ですか

さっとんさん

2021/10/23 21:34

倍量にしてエピもつくりました! カマンベールチーズとはちみつ最高でした とってもおいしかったです

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