溶き卵をきれいに塗ろう!
パン生地の表面に溶き卵を塗って焼き上げるパンを作ったことはありますか?
きれいに塗ったつもりなのに、焼き上がったパンを見て残念な気持ちになった経験がある方もいらっしゃるのでは。
今回は、パンに溶き卵を塗る理由を解説し、きれいに仕上げるためのポイントをご紹介します。
溶き卵を塗る理由
焼成前のパン生地に溶き卵を塗る理由は、焼き上がったパンの表面につやを出すため。
食感に多少の変化はありますが、パン生地の味を変えることなく、美しいつやと焼き色を付けることができるのです。
ちなみに、生地の表面に塗る溶き卵のことをフランス語で「ドリュール」または「ドリール」と呼び、これを塗る作業を「ドレ」といいます。
ドリュールの作り方
ドリュールにはいろいろな配合がありますが、塗りやすくて焼きむらができにくいものをご紹介します。
パンの表面に塗るドリュールは少量で十分なため、少なめの分量です。
生地に卵を配合するパン生地なら、その残りをドリュールに活用してもよいでしょう。
材料
- 全卵を溶きほぐしたもの…20g
- 牛乳…3g
- 塩…ひとつまみの半分程度
この材料を使う理由
全卵
卵黄だけを使う場合、焼き色は濃く出ますが、粘度があり塗りにくいため焼きむらができやすくなります。
また卵白を余らせてしまうと、使い道を考えなければいけないのはつらいところ。
塗りやすく使いやすい、この二つの点から全卵を使用しています。
牛乳
牛乳は、色が濃く出過ぎることを防ぎ、伸びを良くするために使用しています。
塩
塩を入れることで、卵のこしが切れて伸びが良くなり、殺菌効果も期待できます。
作り方
- 材料を全て合わせて、フォークなどで切り混ぜる。
泡立てないように、しっかりこしが切れるまで混ぜましょう。
- 茶こしなどでこす。
しっかり混ぜたつもりでも、こさずに塗るとむらができる原因に。こすと卵白の塊やカラザという白いひも状の部分を取り除くことができ、作業性がぐんとアップ。
出来上がりを左右する大事な作業です。
- 出来上がり。
ドリュールを塗るときのポイント
トッピングの前に塗る
アーモンドやワッフルシュガーなどトッピングがあるときは、先にドリュールを塗りましょう。
トッピングをのせてからでは、とても塗りづらくなってしまいます。
はけに付いたドリュールは適度に落とす
はけに余分なドリュールが残っていると、パン生地に塗るときにドリュールが垂れてしまい、焼きむらの原因に。
適度な深さがある容器にドリュールを用意して、はけをしごきながら塗りましょう。
はけを寝かせるようにして塗る
二次発酵後のパン生地はとても繊細。
はけで傷つけてしまうと焼き上がりに影響します。
はけを立てずに寝かせるようにして、広い面を使って優しくドリュールを塗りましょう。
段差のあるパンは巻き目に沿って塗る
バターロールやクロワッサンのように、成形によって生地に段差ができるパンは、巻き目の方向に沿うようにしてはけを動かしてください。
見る角度を変えながら塗る
一方向だけから生地を見ていると、ドリュールが塗れていない箇所が出てきます。
生地の底に近い部分やパン生地が隣り合っている面などは、見落としやすいので注意。
天板の向きを変えたり、目線を変えたりして、塗り残しのないように塗りましょう。
ドリュールを塗れていない部分は、焼き上がると画像のようにはっきりわかります。
おすすめの道具
二次発酵後の繊細なパン生地に塗るドリュール。
きれいに塗るためには、使用するはけにも気を使いたいところ。
そこでおすすめしたいのが「折曲 山羊刷毛 極(45mm)」という商品。
このはけは、毛質が非常にやわらかいのでパンの表面を傷つけません。
液垂れもしにくいので、きれいにドリュールを塗ることができます。
毛が抜けにくいのも魅力的。
私は3年以上前に購入しましたが、いまだに抜け毛知らずです。
少し高価に感じますが、なくてはならない道具のひとつ。
とても優秀なので、ぜひ使ってみてくださいね。
動画でおさらい
仕上げまで丁寧に つやつやのパンを作ろう!
パン作りは、焼き上がる最後の瞬間まで気が抜けません。
「ドレ」という工程一つを取っても、出来上がりに大きく影響します。
ポイントを押さえて、見た目も味も満足できるおいしいパンを目指しましょう。