シルパットとシルパンの違い、わかりますか?
オーブンで使えるシリコンマット、シルパットとシルパン。
名前が似ているので、どう違うの?どちらがどのお菓子に向いているの?と、わからなくなることはありませんか?
今回は、シルパットとシルパンの特徴や、向いているお菓子について比較を交えながらご紹介したいと思います。
シルパットとシルパンの特徴
シルパットもシルパンも素材は同じ。グラスファイバーにシリコンコーティングされたオーブン用マット。
−40℃~300℃までと幅広い温度帯で使用できるため、冷凍庫やオーブンで使用することができます。
また、耐久性があるため、洗って何度でも使用が可能。
どちらも均一に火が通るため、むらなく焼けるのが特徴です。
シルパットとシルパンの違いを詳しく見ていきましょう。
シルパット
マット全体にシリコンコーティングがされていて、表面がつるっとしているのがシルパット。
cotta あいりおーさん監修 つるっと剥がれるシルパット
cotta シルパット(300×400)
cotta シルパット(240×360)
cotta シルパット(270×270)
向いているお菓子は?
マカロン・ダックワーズ・ラングドシャなどのやわらかい生地や、バターが多めの絞り出しクッキーなどの生地におすすめです。
表面がつるっとしているので、焼き上がったお菓子も剥がしやすくきれい♪
パン生地のこねにも◎
絞り出しクッキー
薄くて軽いベーキングシートだと絞ったときに浮き上がってしまうこともある絞り出しクッキー。
天板にフィットするシルパットなら絞りもらくらく。
マカロン
下火の当たりが優しいので、マカロンもひび割れしにくい。
同じ大きさに絞れるようにガイドが付いた「マカロンガイドマット」もあります。
シルパン
網目になったグラスファイバーの穴をふさがないように、シリコンコーティングがされているのがシルパン。
シルパットと違い、シルパンは穴が開いたシートなのです。
cotta あいりおーさん監修 クッキーがサクッと焼けるシルパン
cotta シルパン(300×400)
cotta シルパン(240×360)
cotta シルパン(270×270)
向いているお菓子は?
焼成の際、メッシュ状に開いた穴から余分な水分や油分が落ちるので、サクサクに仕上げたい型抜きクッキーやタルト、パイ生地などにおすすめです。
底から蒸気が抜けるので、凹凸のない美しい焼き上がりに♪
型抜きクッキー
底が浮かないと表面も平らに。アイシングするクッキーにもぴったり。
タルト
タルト型の底を外してシルパンの上に置いて焼くと、底が浮かずにサクサクのタルトに◎
タルトリングがない場合の裏技です。
シルパットとシルパンで焼き上がりを比較
シルパンに向いているお菓子をシルパットで焼くとどうなるの?という疑問、ありますよね。もちろんその逆も。
いくつかのお菓子で比較してみた結果をご紹介します。
ビスキュイ
見た目
どちらも、見た目はあまり変わりなく焼ける。
味・食感
シルパットは、外はカリッと中はふんわりとしている。
シルパンは水分が抜けてしまう分、ぱさつきが感じられる。
選び方
しっとり仕上げたいお菓子には、水分が抜けてしまうシルパンは生地のぱさつきに繋がるのでNG。
また、緩い生地はシルパンで焼くとメッシュ部に生地が入り込んでしまいます。
天板にも生地や粉糖が落ちるので、洗うのが大変。
ビスキュイなどゆるい生地は、やはりシルパットを使うほうがいいようですね。
絞り出しクッキー
バター83%配合の生地で比較。
見た目
シルパットは広がって大きめに。
シルパンは広がらない分、小さめで高さがある。
味・食感
シルパットはサクサクした中にも少ししっとり感があり、あっさりとした味。
シルパンはザクザクした食感でバターを強く感じる味。
バター含有量が多いため、かなり味に差が出る。
選び方
絞り出しクッキーはシルパットを使うことが多いですが、シルパンでも焼くことができます。
見た目や食感でシルパンを選んでもよいでしょう。
ただ、バター含有量が多い生地なので、焼き上がりには生地がメッシュ部分に入り込んでしまいます。
絞りを失敗したときも、シルパットだと生地をすくい取って絞り直すことが可能。やり直しがきかないシルパンに絞るのは、慣れていない人には難しいかもしれません。
アイスボックスクッキー
バター67%配合の生地で比較。
見た目
シルパットは裾広がりの台形。
シルパンは垂直にまっすぐで厚みがある。
味・食感
シルパットはサクッと軽い感じ。
シルパンはザクザクとした感じでバターの風味を強く感じる。
選び方
おいしく焼けるので、どちらも使えます。
形の好みや食感の好みで選ぶとよいでしょう。
型抜きクッキー
バター50%配合の生地で比較。
見た目
形や高さなどにあまり違いはないが、裏面に違いがある。
シルパットは少し浮いてしまっている。
シルパンは平らに焼けている。
味・食感
均一に熱が通るため、シルパットもサクサクしている。
食べ比べると、シルパンのほうがよりサクサク感がある。
選び方
シルパットでもおいしく焼ける。
シルパンを使うと裏面も美しく焼けるため、見た目もきれいに仕上がるのでおすすめです。
パイ
「冷凍パイシート10cm×10cm」をそのまま焼いて比較。
見た目
どちらももよく膨らんでいるが、膨らみ方に違いがある。
シルパットは裏面が若干ゆがんでいる。
シルパンは均一に膨らんでいる。
味・食感
どちらも均一に火が通っているのでサクサク。
シルパンのほうが、よりサクサクしていて口の中でハラリと層が崩れる食感。
選び方
シルパットでもおいしく焼けますが、よりサクサクした食感や焼成後の形の美しさを考えると、シルパンがおすすめです。
どのお菓子も、生地の配合によって違う結果になることもあるかと思いますが、参考にしていただけたらと思います。
動画でおさらい
シルパットとシルパンを使い分けてみてください
シルパットとシルパンはどちらを使うかで、味や見た目が変わってくることがわかっていただけたでしょうか。
奥が深いシルパットとシルパンの使い分け。
違いを把握して、ぜひ使い分けてみてください!