一度は作りたいオランジェット
オランジェットは、かんきつ類の皮を砂糖漬けにしたもの(コンフィ)にチョコレートをかけたフランス生まれのお菓子。
果肉ごと輪切りにしたものや、皮だけを細長くカットしたものなど、見たことがある方も多いのでは?
作ってみたいけど難しそうなイメージもあるオランジェット。
でも実は、作り方はいたってシンプル!特別な材料も道具も必要ありません。
今回はコンフィから手作りする、本格オランジェットのレシピをご紹介。
お店のような透明感ある、キラキラ輝くコンフィに仕上げる秘訣もお教えします。
本格オランジェットのレシピ(約30枚分)
オランジェットの工程を大まかに分けると3つ。
- 砂糖漬けにする(煮詰めて冷ます工程を3回繰り返す)
- 乾燥させる
- チョコ掛け
レシピを見ると工程が多いように感じるかもしれませんが、先にこのイメージを頭に入れておくと作業がしやすいと思います。
オレンジのコンフィを作る
材料
- オレンジ…500g
- グラニュー糖…500g(a:250g・b:125g・c:125gに分けておく)
- 水…350g
オレンジは、国産のものがおすすめ。できれば無農薬のものだと◎
ポストハーベスト農薬は一般的な洗浄では落ちないといわれているので、輸入のかんきつ類を使う場合にはご注意ください。
作り方
- オレンジをスポンジやたわしなどで丁寧に洗い、皮に50か所ぐらい穴を開ける。
- たっぷりのお湯を沸かし、オレンジを入れて再沸騰させる。
- 5mmの厚さにカットする。
- 鍋に水とグラニュー糖aを入れて沸騰させ、いったん火を止めてオレンジを並べる。
- グラニュー糖bを加えて軽く沸騰させたら、弱火で15分間煮る。
- シロップに少しとろみが付き、オレンジが透き通っていたらOK。
- シロップを切り、網にのせる。
- 網を一度きれいに洗って、オレンジが冷めないうちに再度並べる。
*竹串(またはつまようじ)を二本使って開けるのがおすすめ。
穴を開ける理由は、あく抜きと味をよく染み込ませるため。
浮かないように箸などで押さえながら弱火で2~3分間ゆでたら、冷水にとって冷ます。
再度沸騰させたらオーブンシートで落としぶたをし、弱火で15分間煮る。
そのまま、完全に冷めるまで半日以上置く。
再度半日以上置いて、グラニュー糖cを加えてこの工程を繰り返す。
*繰り返すことで、オレンジがだんだん透き通ってきます。
*シロップがさらさらの場合は、様子を見ながらもう少し煮詰めてください。煮詰めすぎると、乾燥しにくくべたつくのでやりすぎにも注意。
100℃に予熱したオーブンで約1時間(途中で表裏をひっくり返す)乾燥させる。
*1時間以上加熱すると、かたくなるので注意!
半日~一日間自然乾燥し、べたつきがなくなればコンフィの完成。
*シロップが付いたままの網だとくっついてしまう可能性があります。一度きれいに洗うのがおすすめです。
仕上げる
材料
- チョコレート…適量
チョコレートは、コーティング用のものでもクーベルチュールでも、お好みのものでOK。
コーティング用のもの以外を使用する場合は、テンパリングが必要です。
作り方
- コンフィをチョコでコーティング。チョコが固まったら出来上がり。
写真のように、ピスタチオやドライクランベリーをトッピングするのも◎
砂糖を3回に分けて加えるのはなぜ?
「最初から砂糖を全部入れて煮てはけないの?」と思われるかもしれませんね。
砂糖を分けて加え、時間をかけて煮詰めるのには理由があるのです。
下の写真をご覧ください。
最初から全量の砂糖を加えたものと、レシピ通りに砂糖を3回に分けて加えたものとの比較です。
乾燥前も後も、皮・果肉共に違いがはっきり。レシピ通りのものは透明感とつやがあるのがお分かりいただけると思います。
コンフィは少しずつシロップの糖度を上げていくことで、フルーツの水分がシロップに置き換えられていきます。
一度に糖度上げると、中まで浸み込まなかったり、強い浸透圧によりかたくなってしまったりすることも。
手間暇をかける理由が、ちゃんとあるのですね。
時間がないときにも◎時短レシピ
冬に旬を迎えるハッサクのコンフィで作るオランジェット。
皮のみを使用して小さくカットすれば、砂糖を一度に投入してもおいしく作ることができます。
材料
- ハッサクの皮…2個分
- グラニュー糖…皮と同量
- 果汁…ハッサク1/2個分
- 水…皮がひたひたになる量
- チョコやグラニュー糖…適量
作り方
- ハッサクの皮を十字にカットして剥く。
- 鍋に皮とたっぷりの水を入れ、沸騰したら弱火にして10分間ゆでる。
- 湯を捨てて新しい水を入れ、工程2を繰り返す。
- スプーンを使って白い部分を軽くこそげ取る。
- スティック状にカットしたり、好きな型でくり抜いたりする。
- 鍋に5と果汁・水・グラニュー糖を入れ、弱火で煮詰めていく。
- オーブンシートなどに並べ、1日間~自然乾燥させる。
- チョコやグラニュー糖でコーティングすれば、出来上がり。
合計3回、ゆでこぼす。
*ほんの少しで大丈夫です。削り過ぎると薄くなり、かたい仕上がりになってしまいます。
*時々鍋をゆすりながら、水分がほとんどなくなるまで煮詰めてください。
スティック状のものにはチョコを。
型で抜いたものにはグラニュー糖をまぶして。
デコレーションケーキの飾りにも◎
「オランジェット」の詳しいレシピページはこちら。
おうち時間に手作りオランジェットはいかが
ご紹介したオランジェットは、工程は単純ですが時間がかかるレシピ。
もっと手軽に作ってみたい方は、市販のコンフィなどを利用する方法も。乾燥させてチョコをかけるだけなら、ハードルはぐんと下がるのでないでしょうか。
おうち時間に、ぜひ手作りオランジェットをお楽しみください。