何が違う?スイート・ミルク・ホワイト
多種多様な製品がある「チョコレート」。
チョコレートにはさまざまな規格がありますが、今回は一般的に「スイート」・「ミルク」・「ホワイト」と呼ばれている製品の違いについてご紹介。
チョコレートの製造工程についても解説します。
まずはチョコレートの製造工程を知ろう
皆さんご存じのように、チョコレートはカカオ豆が主原料。
このカカオ豆を発酵・乾燥させた後、ローストし破砕・分離。この分離で外皮や胚芽を取り除き、残ったもの(胚乳)がチョコレートの元となるカカオニブです。
カカオニブをペーストにしたものがカカオマス。
カカオマスを圧搾すると、油脂分であるカカオバターが取り出せます(ちなみに、カカオマスを圧搾したココアケーキを乾燥・粉砕したものがココアパウダー)。
さて、ここからやっと最終的なチョコレートの製造過程。
さまざまな種類に合わせて、カカオマス・カカオバター・砂糖・粉乳など乳成分を配合。微粒化→練り上げ→調温という工程を経て、成形・冷却・包装されチョコレートが完成!
かなりざっくりとお話ししましたが、これを知っておくとこの後の説明についてもイメージが湧きやすいはず。
表にしてみたので、ぜひ確認してくださいね。
チョコレートにはさまざまな規格があり、カカオ分などの含有量が決められています。
例えば、日本の規格で「チョコレート」と表示できるのは、
- カカオ分が総重量の35%以上(もしくはカカオ分と乳成分の合計が35%以上)
- カカオバターが18%以上
- 水分が3%以下
という基準を満たしたものだけといった具合です。
原材料の違い
スイート・ミルク・ホワイトの3種のチョコレートの一般的な原材料の違いを、一覧表にまとめてみました(このほかに香料や乳化剤が入ることがありますが、ここでは比較するもののみ記載)。
表からも分かる通り、スイートとミルクの違いは、乳成分(粉乳など)が入るか入らないか。
そしてこの2つとホワイトの違いは、カカオマスが入るか入らないかになります。
ホワイトにはカカオマスが入っていないから、チョコレート独特の苦みがなく、色も白い。
カカオマスが入っていなくても、カカオから取れる成分(カカオバター)を使用しているので「チョコレート」と呼べるわけですね(国によって割合の規定は異なります)。
使用時に気をつけたい!温度や固まり方の違い
スイート・ミルク・ホワイトの3種は、色や味が違うだけではありません。
成分の違いによって、扱い方も違ってくるのです。
テンパリング温度の違い
チョコレートのお菓子を作るときに必要なことがあるテンパリング(調温)。
ミルクとホワイトには乳成分が配合されるため、スイートに比べて温度が低くなるのが特徴。
一般的な数値を一覧にしたものがこちらです。
また、チョコレートは高温になると、香りが飛んだり分離を引き起こしたりするので、最初に溶かす温度が高すぎると台なしに。ミルクやホワイトは温度が低いので、より注意してくださいね。
溶ける温度の違い
チョコレートは、カカオバターの割合が多いほど溶けやすくなります。
そのため、スイートよりミルク、ミルクよりホワイトと、溶けやすさがUP。
プレゼントする際にも、気をつけましょう。
固まり方やかたさの違い
3種類のチョコレートは、固まり方やかたさにも違いがあります。
スイートで作る冷やして固めるお菓子にミルクやホワイトを使うと、緩くなったり固まらなかったりという失敗の原因に。
焼き菓子でも同様に、うまくいかない原因になることがあります。
色や味の違いだけでなくいろいろな影響を及ぼすので、むやみに変更することは避けましょう。
違いを楽しんで
カカオの品種・産地・カカオ分が変われば風味が変わるチョコレート。そこへスイート・ミルク・ホワイトという種類が加わると、選択肢は数えきれないほど…!
お菓子に使うときは、それぞれの違いに気をつけなくてはなりません。
でもその違いがあるからこそ、いろいろなお菓子を楽しむことができるのです♪
それぞれの違いを知って、お菓子作りに活用していただけたらと思います。