お菓子作りの基本・メレンゲ
お菓子作りの基本でもあるメレンゲ。フワフワした食感を生み出すお菓子において、なくてはならない存在です。
そんなお菓子作りに重要な役割を果たすメレンゲに種類がある事をご存知ですか?
それぞれの特徴や使用用途などを詳しく解説していきます!
メレンゲには3種類ある?3種のメレンゲを詳しく解説!
メレンゲにはフレンチメレンゲ・イタリアンメレンゲ・スイスメレンゲの3種類があります。
それぞれ卵白と砂糖を合わせて泡立てた物に違いないのですが、その製法に違いがあり、作るお菓子での役割も大きく変わってきます。
フレンチメレンゲ
卵白に砂糖を少量ずつ加えていき、角が立つまで泡立てたもの。
一番オーソドックスなもので、メレンゲと言えばこのフレンチメレンゲを思い浮かべる方も多いかと思います。
主に焼き菓子など、火を通して作る物に使用するのが一般的で、使う目的によって砂糖の量や泡立て方で変化をつけられます。
例えば…、
- 砂糖を多く入れて角がしっかり立つまで泡立てたきめの細かいつぶれにくいメレンゲは、きめ細かいフワフワのスポンジ系の生地に使用。
- 砂糖少なめで泡立てたモコモコとした安定性の悪いメレンゲは、気泡の空いたビスキュイ生地に使用。キメの粗いビスキュイ生地はシロップをたくさん含ませたい時に使います。
などなど。
フレンチメレンゲだけでも、お菓子によって作り方が変わってきます。
ただ卵白に砂糖を入れて泡立てるだけなのに、全く違う食感に仕上げたりできる所も面白いですよね。
イタリアンメレンゲ
軽く泡立てた卵白に、約118℃に煮詰めた熱いシロップを垂らしながら泡立て続け、シロップの熱で卵白の一部を熱凝固させて泡立てたもの。
しっかりとしたかたさがあり気泡も安定しているので、主に冷たいお菓子・バタークリーム・デコレーションなどに使います。
口の中でふわっと溶けてなくなるムースは本当においしいですよね。そのおいしさは影で頑張っているイタリアンメレンゲの力かもしれません!
バタークリームを作る際も軽くクセのない味に仕上がるので、フルーツ等のフレーバーとも合わせやすいです。
絞り出しても形がきれいに残るので、デコレーションにも最適です。ちょっとクラシックなお菓子だと、アイスクリームを覆うようにメレンゲを絞り出し、バーナーで焼き目をつけたゴージャスなアントルメがあります。身近なお菓子だとレモンタルトにメレンゲを乗せて焼いたりする事もありますね。
色々と使用用途の多いイタリアンメレンゲ。フレンチメレンゲよりもややハードルは上がりますが、冷たいお菓子作りには欠かせない存在です!
スイスメレンゲ
卵白に砂糖を加え、湯せんで温めながら50℃まで上げ、湯せんから外して熱が冷めるまで泡立てたもの。
イタリアンメレンゲと同じく卵白の一部を熱凝固させているので、しっかりとしたかたさがあり気泡が安定しています。
スイスメレンゲの方がツヤと粘りが強く、水分を含まないため、よりかためです。
主な使用用途は、冷たいお菓子やデコレーションなど。
なぜスイスメレンゲはあまり出番がないのか?
卵白の一部を熱凝固させて作るイタリアンメレンゲとスイスメレンゲ。
しかし主流は圧倒的にイタリアンメレンゲ。
それはなぜか?
両方作ってみて感じたのは、イタリアンメレンゲの方が作業性が良いという事でした。
スイスメレンゲは湯せんにかけたら、常にかき混ぜながら温度を上げていきます。
イタリアンメレンゲはシロップを沸かす間は基本放置。温度が上がったら卵白に入れ、泡立てるだけでしたので圧倒的に作業性が良かったです。
もちろん他にも理由はあるのでしょうが、作業性がイタリアンメレンゲに劣るというのもスイスメレンゲが表舞台に出てこない原因の一つかなと思いました。
ただ、家庭で作るにはスイスメレンゲは非常に作りやすいと思います。少量のシロップを沸かすのは難しいので、スイスメレンゲを作れば湯せんであっという間に熱凝固させたメレンゲが作れてしまいます。
機会があれば、スイスメレンゲの存在をぜひ思い出してあげてください。
メレンゲを使用したお菓子
ムラングシャンティ
メレンゲを絞り出した後で乾燥焼きし、たっぷりのクレームシャンティを絞ったムラングシャンティ。こちらはスイスメレンゲで作っています。
サクッと軽く、メレンゲのおいしさを堪能できるお菓子です。
ふんわり軽~いコーヒーブッセ
フレンチメレンゲで作ったビスキュイキュイエールに、イタリアンメレンゲで作ったコーヒーバタークリームをサンドしたブッセ。
ふんわりした生地に、あっさり目のバタークリームが絶妙なおいしさです!
「ふんわり軽~いコーヒーブッセ」の詳しいレシピページはこちら。
まとめ
一言でメレンゲと言っても種類によってその製法はさまざま。
3種のメレンゲ、それぞれの特徴を理解し、作るお菓子に合わせた製法で使い分けてみてくださいね。