小麦粉の違いを知ろう!
スーパーの小麦粉コーナーには大抵、2種類の小麦粉が売られています。
1つは薄力粉。天ぷらの衣やお好み焼きなど、普段の料理によく使うやつ。お菓子を焼く際も、多くの場合は薄力粉を使います。
もう1つは強力粉。パンを焼くときによく使う小麦粉です。僕も当たり前のように強力粉と薄力粉を使い分けているけれど、この2つはどう違うのだろう?とふと疑問を抱きました。
成分的にどう違う?
ざっくりいうと、タンパク質が多いのが強力粉、少ないのが薄力粉なんだそう。
実際に、cottaで取り扱っている小麦粉を調べてみると、薄力粉と呼ばれるものはタンパク質が6.5~9.3%くらい、強力粉には、10.0~13.8%くらい含まれています。小麦粉には「グルテニン」と「グリアジン」というタンパク質が含まれていて、これが水と一緒にぐるぐる混ざると「グルテン」が出来上がるそう。「グルテン」は聞きなじみのある言葉ですね。これが「粘り」と「弾力」の元になるそう。
お菓子を作るときにタンパク質の少ない薄力粉を使うのは「グルテン」がたくさん出来ないため、お菓子作りのレシピで「生地をこねないようにさっくり混ぜる」というのも、こねることで「グルテン」がいっぱい作られるのを防ぐためなんですね。
実際に試してみましょう。今回は、いつもは「強力粉」で作るパンを「薄力粉」でも作ってみました。
薄力粉でパンを作ってみよう
まずは今回作ったパンの材料と手順を紹介します。
材料
・小麦粉 300g
・きび砂糖 大さじ1
・塩 小さじ1/2(海塩の粗塩)
・ドライイースト 小さじ1(3g)(サフインスタントドライイースト)
・ぬるま湯(40℃くらい) 180cc
今回使用した小麦粉は、強力粉はイーグル(タンパク質12%)、薄力粉はドルチェ(タンパク質9.3±0.5%)です。
手順
1.小麦粉、きび砂糖、塩、ドライイーストをボウルに入れてホイッパーで均一に混ぜる。
2.水を入れて、ヘラで混ぜて生地が一塊になったら手でこねる。
3.ポリ袋にボウルのまま包んで2時間発酵させる。手のひらでつぶしてガス抜きする。
4.4分割して丸く成形してオーブンシートをしいた天板の上にのせて、ポリ袋に包んで40分発酵させる。
5.表面に小麦粉(分量外)をふるい、切り込みを入れる。
6.230℃に予熱したオーブンで15分焼く。
薄力粉でつくったパン
強力粉と薄力粉の違いは、パンをこねている段階から顕著に現れました。
強力粉は普通にこねることができるのですが、薄力粉の生地はベタベタしていてまともにこねられません。こねるというよりも「混ぜる」に近い感覚でした。
発酵した生地にも違いが。強力粉は全体的に丸みを帯びたまま膨らみましたが、薄力粉はゆるい生地で、のっぺりと横へ膨らみました。生地は相変わらずベタついて分割も一苦労でした。
焼き上がりの違い
表面
まずは焼き色を見てみましょう。薄力粉は白みがかった茶色をしています。強力粉は濃くはっきりとした茶色です。表面の食感は、薄力粉の方が表面がザクザクしていました。例えるならよく焼けたお餅の表面みたいで香ばしいかったです。
中身
薄力粉は空洞が目立ってフランスパンのよう。でも、コシがありませんでした。表面の強いザクザク感に中身が負けてしまっている印象でした。強力粉では、対照的に目が詰まっていて、弾力があり、かみしめることができました。外側と中側とのバランスもよし。結果、薄力粉でもなんとかパンはでき上がるけれど、物足りない感じに仕上がりました。
まとめ
今回の2種類の小麦粉はタンパク質含有率が2.7%違います。仕上がりの違いはたった2.7%、されど2.7%といった感じ!仕上がりにはとても大きな違いがありました。
始めに言ったように、「薄力粉」の中でも銘柄によってタンパク質含量は6.5~9.3%と3%ほど幅があります。強力粉も3.5%くらい幅があります。タンパク質含有率で仕上がりが変わるので、様々な種類を試して自分の好きなものを見つけるのも楽しいかもしれませんね。
薄力粉や強力粉の各銘柄の比較がわかりやすく説明されているページがあるのでこちらもチェックしてみてくださいね。