フランス生まれの「田舎パン」カンパーニュ
フランス生まれのパンは数多くありますが、その中でも豊かな粉の風味と深い味わいで多くのファンを持つパンが「カンパーニュ」。作ってみたい憧れのパンの一つではないでしょうか。
今回は、風味豊かな本格カンパーニュのレシピと、おすすめの食べ方をご紹介します。
カンパーニュとは
カンパーニュとは、しっかりと焼かれた香ばしいクラストと、大小ふぞろいの気泡があるしっとりしたクラムが特徴のパン。
丸形や楕円形が一般的ですが、地方によって王冠形や花形、馬蹄形などのバリエーションがあります。
「カンパーニュ」はフランス語で、「田舎」という意味の言葉。
昔、パリ近郊に住む人々が作った大型のパンを、パリ市内に売りに来ていたことから「パン・ド・カンパーニュ(田舎風のパン)」と呼ばれるようになりました。
小麦粉に10%前後のライ麦粉や全粒粉を配合し、自家製の発酵種(ルヴァン種)やフランスパン発酵生地を用いるなど、配合や製法はさまざまあります。
本格カンパーニュのレシピ(直径約18cmのもの1個分)
小麦とライ麦の風味を堪能できる、味わい深いカンパーニュのレシピです。
今回は、冷蔵庫で発酵させる「オーバーナイト法」で作ります。
材料
- 準強力粉…200g
- ライ麦全粒粉…30g
- モルトパウダー…0.5g(入れなくてもOK)
- 水…155g
- インスタントドライイースト…0.8g
- 塩…4.6g
- 打ち粉(強力粉、ライ麦全粒粉)…適量
下準備
- 発酵かごにライ麦全粒粉をふる。
- 成形が終わったら、天板を入れたオーブンを250℃で予熱する。
作り方
- ボウルに準強力粉・ライ麦全粒粉・モルトパウダーを入れて混ぜ、水を加える。
粉気がなくなるまでゴムベラで混ぜたら、室温で30分間オートリーズを取る(※オートリーズについては後述します)。
- インスタントドライイーストを加えて見えなくなるまで混ぜたら、塩も加えて混ぜる。
- 台に出してなめらかになるまでこねる。
生地の一部を伸ばして、やや厚みのあるグルテン膜ができていればこね上がり。こね上げ温度は24~25℃。
- 室温(25℃前後)で70~80分間発酵。
指穴が残れば発酵終了。
- パンチをする。
手のひらで押さえてガスを抜き、左右から1/3ずつ、向こう側と手前側からも1/3ずつ折り畳む。
- 保存容器(容量900ml)に入れ、冷蔵庫で15~20時間発酵。
*約1.5倍に膨らむのが目安。
- 容器から出した生地を四角形に整えたら、生地を中央に寄せ集めるようにして丸める。
生地温度が17~18℃になるまでベンチタイム(約1時間)。
- 成形をする。手のひらで押さえてガスを抜き、7の要領で丸める。
生地表面にライ麦全粒粉をまぶし、とじ目が上になるように発酵かごに入れる。
- 28~30℃で50~60分間最終発酵。
- オーブンシートの上で発酵かごを逆さにして生地を出し、十字にクープを入れる。
- オーブンの庫内に蒸気を入れるか霧吹きで水を吹きかけ、220~230℃で28~30分間焼成すれば完成。
「パン・ド・カンパーニュ」の詳しいレシピページはこちら。
レシピのポイント
おいしいカンパーニュを焼き上げるポイントは3つ!
ポイント1.ライ麦全粒粉を加えて風味アップ
小麦の風味にライ麦のほのかな酸味がおいしさのポイント!
それぞれの素材の味を引き立て、焼き上がったときの香りも格別。
ポイント2.オートリーズを取る
オートリーズとは粉に水を吸水させる時間のこと。
これにより、伸びのよい生地が作れます。
クラムには大小の気泡ができ、ボリュームのある焼き上がりに。
ポイント3.冷蔵庫で時間をかけて発酵
手間はかかりますが、冷蔵庫でゆっくり発酵させることにより生地の熟成が進んでうまみが増し、奥行きのある豊かな味わいになります。
おいしい食べ方
焼き上がったカンパーニュをもっとおいしく楽しみましょう♪
おすすめの食べ方をレシピとともにご紹介します。
クリームチーズを使った簡単ディップでタルティーヌ
ハムのディップ
- クリームチーズ30g・生クリーム20g・ロースハム50g(刻む)・ディジョンマスタード5g・塩・こしょう・ナツメグ各少々をブレンダーやフードプロセッサーで混ぜる。
- お好みで、ピンクペッパーやチャービルを飾る。
オレンジのクリームチーズディップ
- クリームチーズ50g・オレンジマーマレード15g・オレンジピール15g・シナモン少々を混ぜる。
- 刻んだチョコレートをトッピングして召し上がれ。
フランス・アルザス地方の郷土料理をアレンジ
タルトフランベ風タルティーヌ
- クリームチーズ25g・プレーンヨーグルト25g・塩・こしょう・ナツメグ少々を混ぜてソースを作る。
- パンに適量を塗り、オニオンスライスと細切りベーコンをのせてトースターで焼く。
- 好みでナツメグやこしょうを振りかける。
サンドイッチにもぴったり
にんじんとツナのサラダのサンドイッチ
- ヨーグルト大さじ1・オリーブオイル大さじ1.5・粒マスタード大さじ1・刻んだディル1~2本・塩・こしょう少々を混ぜてドレッシングを作る。
- せん切りにしたにんじん120~130g・汁気を切ったツナ缶1個・粗く刻んだくるみ20gを1に加えて和えたら、レタスと一緒にパンに挟む。
カンパーニュはもちろん、食パンやレーズンブレッドなどにも合いますよ。
本格カンパーニュをおうちで手作り!
カンパーニュは、フランス各地で昔から日常のパンとして作られてきました。
素朴だけれど味わい深いこのパンは、お料理との相性が抜群で、パリで人気のビストロや星付きレストランでも提供されることが多いそうです。
ご自慢のお料理とともに、カンパーニュをお楽しみくださいね。