フランスの揚げ菓子・ベニエについて詳しく知ろう!
キリスト教のカーニバル(謝肉祭)でもふるまわれる、揚げドーナツのような発酵菓子・ベニエ。
今回のコラムでは、ベニエのレシピをご紹介。
本場でのベニエがどのような意味をもつ食べ物なのかなどについても解説します。
カーニバルの風景に思いをはせながら、ベニエ作りを楽しみましょう。
ベニエとは
ベニエとは、フランスで古くから親しまれてきた揚げ菓子。
イーストで発酵させた生地を揚げて粉砂糖やジャムをかけたものや、りんごなどの果物に衣をつけて揚げたものなど、一言でベニエといっても地方や家庭によってさまざまなスタイルがあるようです。
衣を付けた揚げ物料理をベニエと呼ぶことも!
ベニエのレシピ(15個分)
身近な材料で簡単に作れるシンプルなレシピ。揚げたては絶品です。
材料
- 強力粉…80g
- 薄力粉…40g
- きび砂糖…20g
- インスタントドライイースト…2g
- 塩…1g
- 全卵…25g
- 牛乳…50g
- バニラオイル…4滴
- バター(食塩不使用)…10g
- 揚げ油(米油)…適量
- 粉砂糖…適量
下準備
- 強力粉・薄力粉・きび砂糖・イースト・塩をひとつのボウルに計ります。
*塩とイーストが重ならないように計量してください。 - 全卵・牛乳・バニラオイルをあわせておきます。
- バターを常温に戻してやわらかくしておきます。
作り方
- ボウルに入れた粉類をホイッパーでムラができないようにぐるぐる混ぜます。
- 1に全卵・牛乳・バニラオイルを加え、まとまるまでゴムベラで混ぜます。
- 台に出し、表面がなめらかになるまで10分間ほどこねます。
*最初は台にすりつけるようにこね、まとまってきたら台にたたきつけながらこねてください。
- バターを加え、なめらかになるまでこねます。
*最初はまとまりのない状態ですが、こねていくうちにまとまってなめらかになっていきます。作り方3と同様に台にすりつけるようにこね、まとまってきたら台にたたきつけながらこねましょう
- 表面はなめらか、広げると薄い膜状になればこね上がり。
*この状態を「グルテン膜ができた」といいます。
- ボウルに入れてラップをかけ、30℃で60分間ほど発酵させます。
*時間はあくまで目安。一回り大きくなったら発酵終了。夏場は室温に置いて発酵させてもよさそうです。
- 強力粉(分量外)を薄く振った台に生地を出します。
*打ち粉をするのは、生地がくっつかないようにするため。 - めん棒で、16×26cm幅にのばします。
- 角が出るように端を落とし、5×5cmにカットします(15個取れます)。
*切れ端は試し揚げに使い、味見用にしてもいいですね!
- 170℃に熱した米油で揚げていきます。こまめに返し、均一に色が入るように作業します。
- おいしそうなきつね色になったら、油から取り出します。
- 熱々を皿に盛り付け、茶こしで粉砂糖をたっぷりかければ完成です!
「ベニエ」の詳しいレシピページはこちら。
レシピのポイント
ベニエ生地のポイントは、生地をしっかりこねてグルテンを作ること!
この工程で食感の良い生地に仕上がります。
そして、気をつけたいのが生地を揚げる工程。
薄くのばした生地を揚げますが、かなりぷっくりと膨らみます。
鍋の大きさにあわせて数回に分けて入れるなど、調整するのがきれいに揚げるコツです。
おいしい食べ方
揚げたてのベニエは絶品!粉砂糖を好きなだけたっぷりかけて、口いっぱいに頬張りましょう。
禁断の追い粉砂糖もおすすめです。罪深いおいしさ!
中は空洞なので、アイスやフルーツソース、クリームなど好みのものを詰めてもいいですね。
本場のベニエはどんな風に食べられている?
ベニエが特に活躍するのが、キリスト教カトリックのお祭り「カーニバル(謝肉祭)」の時期。
フランスのカーニバル最終日は「マルディグラ」と呼ばれ、翌日からイースター(復活祭)までの40日間は肉などを食べるのを制限するそう。そのため、この日はおいしいものを好きなだけ食べてもよいとされています。
そこでふるまわれるのが、揚げドーナツのようなベニエ!
カーニバルからイースターまでの一連の流れはカトリック圏の世界各地で行われ、各地に名物料理がありますが、ベニエは日本での知名度が高いですね!
アメリカのルイジアナ州・ニューオリンズのカーニバルも世界的に有名で、そのニューオリンズの名物菓子こそ粉砂糖がたっぷりかかったベニエ!
カーニバルある所にベニエあり、というところでしょうか。
ニューオリンズが舞台の有名なアニメ映画『プリンセスと魔法のキス』でも、蜜をかけた粉砂糖たっぷりのベニエがとってもおいしそうに描かれていて、一度は現地で食べてみたいという憧れが募るお菓子です。
ベニエの名店といわれる「カフェデュモンド」が日本から撤退してしまったのは残念!
揚げたて熱々のベニエを召し上がれ!
ぷっくり膨らんだベニエを囲んでのおやつタイムは、とても盛り上がりそう!
揚げたての絶品ベニエを楽しめるのは手作りならではの醍醐味です。
ぜひ、お試しください。