見た目もかわいい伝統菓子を作ろう♪
寒氷というお菓子をご存じでしょうか。
さまざまな形に型抜きされた色鮮やかな和菓子で、見た目もかわいらしく、食べてもおいしいんですよ♪
今回は、自宅でも作れる寒氷のレシピをご紹介します。
寒氷とは
寒氷とは、寒天と砂糖を練り固めた生地を型で抜き、乾燥させたお菓子。「かんごおり」と読みます。
白濁して寒々とした見た目や、食べた際にシャリッという食感が氷に似ていることから名付けられたといわれています。
また、製造過程で液体が熱いうちに、めん棒で乳白色になるまで摺り混ぜて固める工程があることから「摺り琥珀(すりこはく)」とも。
寒氷の発祥については明確にはわかっていませんが、茶会の普及が進んだ江戸時代ではないかという説があります。
見た目がかわいらしく華やかな寒氷は、茶菓子として今でも使われています。
寒氷と琥珀糖の違い
寒氷と似たお菓子に琥珀糖があります。
どちらも寒天を使用した伝統な和菓子ですが、製法や見た目、食感に違いがあります。
琥珀糖は寒天と砂糖を煮詰めて作り、表面を乾燥させることによって、外側はシャリッと・中はやわらかいゼリーのような食感になるお菓子です。
透明感があり、宝石のような見た目から人気。
寒氷も寒天と砂糖を煮詰めて作る工程は一緒ですが、琥珀糖とは異なり、寒天と砂糖を煮詰めた後、液体が熱いうちにめん棒で摺り混ぜることで砂糖が再結晶して乳白色に。
外側の食感は琥珀糖よりもシャリッと感は少なく、空気を含んでいるので口の中で溶けていくような食感が楽しめます。
琥珀糖について詳しく知りたい方は、コラム「食べられる宝石!琥珀糖のレシピ・作り方」をチェック!
寒氷のレシピ(12×15cmの流し型1台分)
家庭で作りやすい分量の寒氷のレシピです。
糸寒天は、前日から水に浸してふやかしておいてくださいね。
摺り蜜を作る
材料(作りやすい分量)
- グラニュー糖…125g
- 水…57g
作り方
- 鍋にグラニュー糖と水を入れ、火にかける。
- 鍋よりも大きいボウルに水(分量外)を入れておく。
- 112~115℃まで煮詰めたら火を消し、2に鍋をつけて45~50℃になるまで冷やしていく。
- 温度が下がったらめん棒で真っ白になるまでぐるぐると混ぜていく。
- 写真のように、重みが出て真っ白になったらOK。
- ラップに包んで冷蔵庫に入れておく。
錦玉液を作る
材料
- 糸寒天…6g(粉寒天の場合も同量)
- 水…250g
- グラニュー糖…625g
- 摺り蜜…30g
- 食用色素…適量
- 金箔…適量
下準備
- 糸寒天は前日から水に浸してふやかしておく。
- 流し型に耐熱ラップをぴちっと敷いておく。
作り方
- 前日にふやかしておいた糸寒天をぎゅっと絞り、分量の水と一緒に鍋に入れる。
- 摺り蜜は別の小ボウルに入れておく。
- 火にかけ、沸騰してから2~3分間ゴムベラで混ぜながらしっかりと寒天を溶かす。
- 寒天が溶けたらグラニュー糖を入れ、グラニュー糖のざらつき感がなくなるまでゴムベラで混ぜる。
- 103~105℃になったら火を消し、液体をこす。
- 液体が50℃になるまで、ボウルに入れた水にあてて冷ます。
- 50℃になったら水の入ったボウルを外す。摺り蜜に少量の液体を入れてのばす。
- 液体の入ったボウルに戻し、めん棒でぐるぐると混ぜる。
- 純白になり、たらすと小山になってすぐに消える状態まで混ぜる。
- 約半量を流し型に入れる。
- 残りの液体を食用色素で着色する。
- 着色した生地をゴムベラに当てながら、少しずつ静かに流し入れる。
- 冷蔵庫でしっかりと固める。
- 型から取り出し、8mmにカット。
- 横に倒し、好きな型で抜く。
- くしゃくしゃにしたクッキングシートの上に並べる。
- お好みで金箔をのせる。
- なるべく湿気がない乾燥した部屋で2~3日間乾燥させて出来上がり♪
今回はピンク色と白色の2色で作りましたが、お好みに合わせていろんな色や形で作ってみてくださいね。
「寒氷」の詳しいレシピページはこちら。
レシピのポイント
寒氷を作るうえで重要なポイントをご紹介します。
寒天をしっかりと煮溶かす
寒天はしっかり煮溶かさないと、仕上がりのかたさに影響してしまいます。
寒天が溶ける温度は90℃といわれていますが、種類によっては100℃で溶けないものもあるので、使用方法の確認を。
沸騰してからすぐに火を消してしまうと寒天が溶け切らず、ダマが残ってしまうことがあります。
ゴムベラでこまめに混ぜ、沸騰状態で最低でも2分間は加熱しましょう。
錦玉液の煮詰め加減が重要
煮詰める温度が少し高いほうが結晶になりやすく、失敗が少なくなります。
でも、煮詰めすぎると結晶が大きくなりすぎ、ザクッとした歯ごたえの仕上がりに。
煮詰め温度は103~105℃を目安に。
目安温度の少し手前に温度を設定しておくと、焦らずに作業できるのでおすすめです。
錦玉液の混ぜ具合をチェック
錦玉液を混ぜる際の注意点は、混ぜ過ぎるとコシが切れ過ぎて固まらない原因になること。
白くなり、垂らすと小山ができるくらいの状態を目安に混ぜていきましょう。
また、混ぜる器具は、すりこ木など棒状のものがおすすめ(今回はめん棒を使用しています)。
泡立て器で混ぜるとコシが切れてしまい、ゴムベラで混ぜると空気が入ってしまいます。
余った摺り蜜の活用方法
摺り蜜が余ってしまったら、ぜひチャレンジしてほしい活用法がこちら!
まず、粉糖を入れて混ぜて耳たぶくらいのかたさにします。
めん棒でのばしてお好きな型で抜くと、お菓子の仕上げ用パーツが作れますよ♪
おしゃれでおいしい伝統和菓子・寒氷に挑戦!
今回は、かわいくて色とりどりな見た目の和菓子・寒氷のレシピをご紹介しました。
美しい和菓子は、見ているだけでも癒されますよね♪
いろいろな形や色で、季節に合わせて作るのも楽しいかと思います。
ぜひ挑戦してみてください。