コッタスタッフと、フルーツに詳しい築地市場ドットコムさんの対談の後編です♪
「かんきつ類の果実って、どの部分が甘いの?」
「レモン・みかん・オレンジ…、どのフルーツをどんなお菓子に使えばいいの?」
など、いろいろ聞いちゃいます!
(前編はこちら)
写真はなつみさんの「はちみつレモンマフィン」
A:フレンチやイタリアンなどのレストランパティシエ→海外洋菓子店チーフパティシエを経験。コッタに入社後パン作りに目覚め修行中!
M:洋菓子店のパティシエ→製菓専門学校講師後コッタに入社。子どもと作るかわいくて簡単なお菓子作りが得意。
T:聞き手。お菓子作り初心者のコッタスタッフ。ラッピング好きなコッタツイッター(@cotta_corecle)の中の人。
築地市場ドットコム:築地市場から全国へおいしい食材と情報をお届けする、築地市場ドットコムツイッター(@tsukijiichiba)の中の人。#苺の断面図カタログ がネット上で話題に。
かんきつ類の特に甘い部分はどこ?
M かんきつ類の良さは、あの輪切りのかわいさもありますよね〜!
写真は、ぱおさんの「お花オレンジと紅茶のレアチーズケーキ☆」ですが、ずらりと並んだ輪切りがとっても華やか!
今まで「断面を見せたいから輪切りがいい」と固定概念がありましたが、縦切りと輪切りでどんな違いがあるんですか?
築地市場ドットコム かんきつ類を縦(ヘタが上の状態)に切ると、中の房もそのまま残ってしまうので品種によっては食べにくい原因になります。
中のツブツブの感じやジューシーさもわかりますし、見栄えもよいので、輪切りにすることが多いのではないでしょうか?
種が入っているかどうかも一目でわかります。
T 確かにスイーツに使われる場合、大抵輪切りですよね。
食べやすさにも通じているんですね。
M いちごは先っぽが一番甘いとよくいいますが、かんきつ類にも特に甘い部分があるんでしょうか?
築地市場ドットコム かんきつ類もいちごと同じで、一般的にはヘタよりも下の方が甘さが強いです。なので、甘さについては輪切りにすると、ちょっとバラツキが出てしまうかもしれません…。
ただ、日当たりがよいところで育ったかんきつ類や、樹上で完熟させたものは当然甘いですし、収穫後に少し寝かせて「酸」が抜けたものは食味としては甘く感じますので、一概には言い切れないですね。
T そうなんですね!いちごと同じか…初めて知りました。
育った環境や保存で、甘さが変わるものなんですね。勉強になります!
まずは皮から…?
T 写真は、はつみさんの「レモンケーキ」。自家製のレモンピールを使ったレシピです。
かんきつ類って、皮もよくお菓子に使われますよね。
皮の部分は香りが強いからでしょうか?
M 皮は香りが強いですよね~。
お菓子に入れるのに、皮だとレシピをいじる必要がなくて手軽に使えるんです♪
例えば絞った果汁を入れようと思ったら、その分、他の水分(牛乳とか卵とかそれぞれのレシピで使っている液体)を減らしたり、粉類を増やしたりする必要があります。
でも皮なら削って入れれば、ほぼ元のレシピをいじらず、かんきつ類の要素を加えらえれるんです。
T なるほど〜。
レシピを計算し直さなくていいのは、初心者的にもうれしい!
M それに、皮は加熱にも強いので、焼いても香りが残りやすいです!
チョコレートとか水分が嫌いな食材でも、皮なら入れられるのがうれしいですね。
私は、味や香りを出すために、お菓子作りには果実より皮の方をよく使います。
T 確かに、皮は加熱してもそれほど変質しないというか、形も残りますよね。
初心者さんは、まずは皮から使ってみる、っていうのもいいかもしれませんね!
そういえば和泉シェフも「タルト フロマージュ」でレモンの皮を加えてました!
きょこさんの「ホワイトショコラシトロン」みたいに、飾りに使うのもおしゃれで憧れます…!
コッタコラムにも「国産レモンを使って。自家製レモンピールの作り方」って記事がありますね。
かんきつ類いろいろ、おすすめの使い方
T 最後に、かんきつ類の中でも、レモンはこんな使い道に向いてる、オレンジはこんなお菓子に向いてる、グレープフルーツはこんな風に使うといいよ!みたいおすすめがあれば教えてください!
M A ちょっと長くなるので、まとめると…
レモン
M 果汁→酸味が強いので味のアクセントに (例)チーズケーキで酸味をプラスしたいとき
皮→香りが爽やかなので、焼き菓子に入れて爽やか感を出したいとき(例)レモンの皮を入れたマドレーヌ
A レモンは、果物の変色を防ぐのにも活躍しますよね!
あと、コッタユーザーの皆さんなら一度は経験したことがあるのでは?
紫芋のお菓子を作るときに卵と紫芋が反応して、とんでもない色に変色してしまったことがあると思います。
これも、レモン汁を入れることで中和されるんですよね。
完璧ではありませんが、お菓子の味を邪魔せず、さまざまな変色を防ぐことができます!
オレンジ
M 果汁→程よい酸味 (例)そのまま絞ってゼリーとか
皮→香りが爽やかなので、焼き菓子に入れて爽やか感を出したいときに使います。チョコレートにも合います!
果肉→タルト・ロールケーキ・デコレーションに
A オレンジはやはりたっぷりな果汁がいいですよね♪
オレンジジュースで炊いたカスタードや、クレープシュゼットのようにオレンジジュースにクレープを浸すなんて食べ方も。
酸味が少ないので、ジュースそのままを味わえるのがオレンジの良いところです!
グレープフルーツ
M 果汁→酸味+ちょっと苦み (例)ゼリーとか? 紅茶と合います
皮→えぐみや苦みがある気がして、あんまり使われないのかな?
果肉→タルト・ロールケーキ・デコレーションに
A グレープフルーツは、果肉の豊潤さ!
レモンやオレンジと比べて果肉がかたいので形が残りやすいし、房ごと皮をむけば水分が出てくることも少ないので、そのままタルトにのせてもおいしい。
ピンクグレープフルーツは、かんきつ類で唯一のピンク色なんじゃないでしょうか?
あの見た目はインスタ映えばっちりだと思います。
冷たいスイーツとの相性は?
築地市場ドットコム オレンジ系は、確かに果汁までそのまま使えるのが魅力的だと思います。酸味が少ないので、砂糖をたっぷり使わなくても甘さを出せるのもヘルシーでよいかも。
T かんきつ類はゼリーとかムースとか、冷たいお菓子にもいいですよね!
築地市場ドットコム かんきつ類と、ゼリーやムースとの相性ってどうなんですか?
かんきつ類の果汁って、たぶん酸性だと思うのですが、よく固まらないとか…?
A かんきつ類は、ジュースがたっぷり取れるのでゼリーにも向いてますね!
オレンジやグレープフルーツをきれいに皮からくり抜いて、皮をカップ代わりにするのは、昔からゼリーの定番としてありますよね。ゼリーに果肉もごろごろ入れちゃうのとか、大好きです♪
ただ、築地ドットコムさんの言う通り、酸が強いレモンやグレープフルーツはゼラチンの固まりを弱くしてしまうので、100%果汁で作るのは難しいです。
お水とお砂糖を足して、酸を弱くする必要があります。それはムースにも同じことが言えると思います。
T とっても勉強になりました!
これからの季節、酸味や爽やかな香りが特に恋しくなりますよね。かんきつ類を使ったスイーツ作りに挑戦したくなりました!
まずは、焼き菓子に皮を加えるところからかな…?
みなさん、どうもありがとうございました(*^^*)
築地市場ドットコム A M ありがとうございました(*^^*)
(前編を読む)