複雑なスパイスの香りが魅力のスイーツ
つやのある濃い茶色で素朴な雰囲気のあるお菓子「パンデピス」。
さまざまなスパイスの香りとコクのある甘さが口いっぱいに広がり、どこか懐かしい味わいがします。
今回は、甘くてスパイシーな味がクセになる「パンデピス」のレシピをご紹介。混ぜるだけで手軽に作れるというところも、このお菓子の魅力ですよ。
パンデピスとは?
パンデピス(Pain d’ épices)とは、「スパイス入りのパン」という意味のフランスの伝統菓子。フランス語で「épices(エピス)」が香辛料(スパイス)を意味します。
フランス各地で作られており、ブルゴーニュ地方とアルザス地方のものが特に有名です。
シナモン・スターアニス・ジンジャーなど数種類のスパイスと、たっぷりのはちみつを加えて焼き上げられ、しっとり&もっちりとした食感が特徴。
パウンド型などで焼き上げた「ケーキタイプ」が一般的ですが「クッキータイプ」もあり、スパイスの配合をはじめレシピもさまざまです。
パンデピスの起源は、10世紀頃に中国で作られていた保存食で、11世紀頃に十字軍の遠征によりヨーロッパ各地に伝えられ、広まったといわれています。
年間を通して見かけるお菓子ですが、特にクリスマスになると多く出回るようになり、クリスマス市には専門の屋台が登場。クリスマスプレゼントとして贈ることも多いそうですよ。
パンデピスのレシピ(18cmパウンド型1台分)
ホイッパーでぐるぐる混ぜるだけで簡単!基本の絶品レシピをご紹介します。
材料
- はちみつ…100g
- 牛乳…60g
- 無塩バター…40g
- きび砂糖…20g
- 薄力粉…90g
- 細挽きライ麦粉…30g
- ベーキングパウダー…6g
- スパイスミックス…7g
- オレンジピール…12g
- レモンピール…12g
- 卵…50g
下準備
作り方
- はちみつ・牛乳・無塩バター・きび砂糖をボウルに入れ、湯せんで温める。
- オレンジピールとレモンピールを合わせてみじん切りにする。
- ボウルに薄力粉・ライ麦粉・ベーキングパウダー・スパイスミックスを合わせてふるい入れ、中心がくぼむようにホイッパーで混ぜる。
- くぼみに1を3回に分けて加える。まず1/3量を流し入れ、ホイッパーでぐるぐると混ぜる。
粉気がなくなってきたら、残りの半量を加えて混ぜる。
- 2を1の残りに加えて混ぜてから、生地に加えてさらに混ぜる。
- 溶き卵を2回に分けて加えて混ぜる。
- ゴムベラに持ち替えて生地につやが出るまで混ぜ、型に流し入れる。
- 予熱したオーブンの温度を170~180℃に設定し、約40分間焼く。
焼き上がったら型から出し、ケーキクーラーにのせて冷ます。
- 完全に冷めたらラップでぴっちりと包み、一晩休ませる。
- 出来上がり。
「パンデピス」の詳しいレシピページはこちら。
きれいな割れ目を作る方法
生地をオーブンに入れて7~8分間後、一度取り出して生地の中央にナイフで縦に切り込みを入れると、きれいな割れ目ができますよ。洗練された印象の焼き上がりに。
切り込みを入れない場合はワイルドな割れ目ができますが、それも素朴で趣のある仕上がりです。
切り込みを入れても入れなくても膨らみ具合は変わらないので、お好みで試してみてください。
レシピのポイント
「作り方1」で、はちみつ・牛乳・無塩バター・きび砂糖を合わせたら、湯せんで温めてサラサラの液状にしておくのがポイントです。
粉類と混ざりやすくなり、膨らみもよくなります。
温度は42℃前後がベスト。
粉類と液体を混ぜるときは、中心から少しずつ粉を取り込むように液体と混ぜると、ダマになりにくいですよ。
日持ちはどれくらい?
はちみつやスパイスの殺菌効果や防腐作用のおかげで比較的日持ちはよいのですが、2週間以内を目安に、できるだけ早く食べ切ることをおすすめします。
ご家庭の環境などによって日持ちが変わってくるので、十分ご注意ください。
保存方法
ラップでぴっちりと包んでジッパー付きの袋に入れ、冷蔵庫の冷蔵室または野菜室で保存しましょう。
おすすめの食べ方
トーストして、たっぷりのバターを塗って食べるのがおすすめです。表面はカリッと香ばしく、中はもっちり♪染み込んだバターが絶妙なおいしさ。
チーズや肉料理とも相性抜群。本場フランスではフォアグラをのせて前菜に楽しむそう。
アレンジ提案:デコレーションして豪華に
仕上げにドライフルーツやスパイスを飾り付けると、プレゼントにもぴったりな豪華なパンデピスになりますよ。
材料
- アプリコットジャム…30g
- スターアニスホール…適量
- シナモンスティック…適量
- ドライオレンジスライス…適量
- ドライイチジク…適量
- ドライフルーツミックス…適量
作り方
- ホールスパイスとドライフルーツを用意し、大きいものは適当な大きさに切る。
- アプリコットジャムを裏ごしして耐熱容器に入れ、電子レンジ(600W)で20~30秒間加熱する。
- ジャムが温かいうちに、粗熱が取れたパンデピスの上面にハケで塗る。
- ジャムが乾かないうちにドライフルーツやホールスパイスを飾って出来上がり。
甘くてスパイシーなパンデピスを作ろう♪
フランスで愛されている歴史あるお菓子「パンデピス」についてご紹介しました。
見た目は地味ですが、食べればそのおいしさのとりこに。
混ぜるだけで手軽に作れるので、皆さんもチャレンジしてみてくださいね♪