お菓子作りに必要不可欠な道具
お菓子のほとんどは「混ぜる」ことによって作られます。
異なるものを混ぜ合わせて、さまざまな変化を生み出し、理想の状態に仕上げるお菓子作り。
混ぜる道具として欠かせない泡立て器とゴムベラのそれぞれの特性を考えながら、混ぜる器具の違い、混ぜ方の違いを考えてみたいと思います!
また、どの器具を使うかも大事ですが、その器具を有効に使えるかも大事。それぞれの器具の長所を生かせるよう私なりのポイントもご紹介します。
何のために混ぜる?
「すり混ぜる」「ムラなく混ぜ合わせる」「切るように(さっくり)混ぜる」などいろいろな表現がありますが、「何のために混ぜるのか」をイメージすると、どの器具を使うとよいか分かりやすくなりますよ♪
まず、泡立てることも混ぜる作業の一つ。「材料に空気を含ませ分散させるため」の作業です。
これはもちろん泡立て器の出番ですね。
すり混ぜる、というように「異なる材料をムラなくしっかり混ぜ合わせる」ときにも泡立て器が適しています。
「かたさを均一にする」「温度を均一にする」「練る」というときには、その材料に応じて混ぜやすい方を選べば大丈夫!
特に粘りが強い、かたいものを混ぜるときには、ゴムベラより木べらなどかたさのあるものの方が、楽に混ぜられます。
注意が必要なのは生地に気泡を多く含む場合。
「泡をつぶさないよう切るように混ぜたい」ときは、ゴムベラが適しているでしょう。
「粘りを出さないように混ぜ合わせる」ときも、ゴムベラで切るように混ぜます。
*どちらも混ぜ方によっては、泡立て器でも可能です。
また、途中まで泡立て器で混ぜ、最後にゴムベラに持ち替える、ということもあります。これは、両方の特性を利用するためです。
ワイヤーが何本もある泡立て器の方がゴムベラより材料の分散が早いので、ある程度分散するまで泡立て器を使います。
その後、ボウルの底や周りの生地をしっかりと集めながら混ぜるのが得意なゴムベラで、混ぜムラがないよう丁寧に合わせる、といった感じです。
泡立て器のポイント
空気を含ませるときや、すり混ぜるとき、それぞれの場合に適したタイプ、適した持ち方があります。
泡立てるとき
ワイヤーの本数が多く、軽く弾力があるものが適しています。
また、ワイヤーを軽く叩きつけたときに、よく振れるのもポイントです。
持ち方は、親指と人差し指以外を軽く添える程度にし、手首を動かすと柄が自由に動くようにすると、肩や手首が力まずに効率よく泡立てられます。
振動を抑えてしまうため、ワイヤーに指をかけないよう注意しましょう。
重い生地を混ぜるとき、すり混ぜるとき
ワイヤーが太くしっかりしているものが適しています。
ワイヤーの本数が多すぎるタイプは、中に生地が詰まってしまい混ぜづらいです。
持ち方は、ワイヤーに指がかかるくらい短く柄をしっかりと握るように持ちます。
よりかたいものは、下の画像のように握って混ぜると力が入ります。
*泡立て器の種類は、極端にタイプの違うものもあれば、その中間のタイプもあるので、必ずしも使い分けなければならないわけではありません。
ゴムベラのポイント
やわらかいものを混ぜ合わせたり、ボウルや鍋についた生地をきれいにかき取ったりまとめたりすることができます。
面を使って底からすくうように混ぜたり、切り混ぜたりするのにも適しています。
芯がしっかりとしていて、適度な弾力があるものがよく、耐熱性であれば何にでも使えて便利です。
基本的には上から軽く握るように持ちます。握り込んでしまうと、手首を返しながら使うときうまく扱えなくなるので注意しましょう。
泡立て器とゴムベラの持ち替えの一例
泡立て器とゴムベラの持ち替えを、スポンジケーキを作る工程を例に解説します。
粉を合わせるときはゴムベラで行うことが多いですが、aのように泡立て器でも可能です。ぐるぐる混ぜると泡をつぶしてしまい、また粘りが出過ぎるので、底からボウルに沿ってすくい上げるように混ぜます。
ですが、泡立て器ではどうしても取り切れない粉が、bのように残ります。ある程度粉が分散されたらゴムベラに持ち替え、底や周りをきれいにかき取りつつ、均一に混ぜる必要があるのです。
ゴムベラに持ち替え、cのように底からすくい上げて周りをかきとり、混ぜムラがなくなれば、dのように周りから生地をかき取ってひとまとめにします。
このc、dは、ゴムベラの弾力を効果的に使っています。
先端をしっかり反らせることにより、材料を残さず混ぜ合わせることが可能です。
どんなものであれ、泡立て器を使って混ぜた場合、周りにくっついて残ってしまう材料はこうしてゴムベラに持ち替えて混ぜる必要があります。
最後に…
いかがでしたでしょうか?
迷いの多いところでもあるかと思いますが、泡立て器?ゴムベラ?どちらを使うのがいいのだろう…ふと悩んだとき、お役に立てたらうれしいです。