シフォンケーキに使う油脂
シフォンケーキに使う油脂は、ご存知の通り液体油脂です。液体油脂を使うことでふわふわのシフォンケーキができるともいわれています。
では、バターを使ってシフォンケーキを焼くとどうなるのでしょうか。
膨らまないのかな?
ふわふわにならないのかな?
そんな素朴な疑問を検証してみたいと思います。
バターを使ったシフォンケーキを作ろう
材料(17cmシフォン型)
- 卵黄…60g(L玉3個分)
- グラニュー糖(卵黄用)…30g
- 無塩バター…30g
- 牛乳…40g
- 薄力粉…70g
- 卵白…160g(L玉4個分)
- グラニュー糖(卵白用)…40g
作り方
- ボウルに無塩バターと牛乳を入れて、湯せんにかけて溶かしておく。
- ボウルに卵黄を入れてほぐし、グラニュー糖を入れてもったりするまで泡立てる。
- 別のボウルに卵白を入れてハンドミキサーでほぐす。
- 2の卵黄に1の無塩バターと牛乳を加えて混ぜる。
- メレンゲの半量を4に加え、泡立て器でしっかりと混ぜ合わせる。
- シフォンケーキ型に生地を入れて、型をゆすって平らにしたら菜箸などをさして、ぐるぐる回して余分な空気を抜く。
- 180℃に予熱したオーブンで30分間焼成。
- 焼き上がったら、型ごと逆さにして冷ます。
バターが溶けても湯せんから外さず、そのまま温めておく。
全体が泡立ってきたらグラニュー糖を3回に分けて加え、ピンとツノが立ったしっかりとしたメレンゲを作る。
よくふるった薄力粉を加え、泡立て器でつやが出るまで混ぜる。
残りのメレンゲを加えて丁寧に混ぜ合わせ、最後はゴムベラに持ち替えて生地を均一にする。
バター使用でもきちんと膨らみ、きれいに焼き上がりました。
メレンゲの状態や生地の状態などは「シフォンケーキの失敗しない作り方」を参照してください。
液体油脂とバターとの違い
常温で液状の液体油脂と違い、バターは生地に入れたときに温度が低いと固まっていき、メレンゲの泡をつぶしてしまうそうです。
メレンゲがつぶれると高さの出ないシフォンケーキになってしまうので、注意が必要です。
バターで作る場合のポイント
- バターと牛乳を湯せんにかけて温めておく。
- バターの温度が冷めるのを防ぐため、卵黄にグラニュー糖を入れて泡立てたら一度置いておき、先にメレンゲを作る。
- 冬場に気温の低い室内で作るときはバターの温度が下がりやすいので、5の工程でボウルを温めるなどした方がよい。
バターが溶けたからといって湯せんからはずすと、どんどん冷めてしまうので使う直前まで温めておく。
バターと牛乳、薄力粉を入れたらすぐにメレンゲと合わせる。
液体油脂を使ったシフォンケーキと比較
同じ分量で、バターを太白ごま油に変えて作ったシフォンケーキと比較してみました。
高さ
並べてみると、若干、太白ごま油使用の方が高いような感じです。
カットして、断面の高さを測ってみました。
バター使用は8cm。
太白ごま油使用は9cm。
やはり、太白ごま油使用の方が、少し高さが出ています。
キメ
太白ごま油使用の方が、若干、キメが細かいです。
弾力
フォークで押してみると、バター使用はふわふわの中にも弾力があり、強く押してもそれほど深く沈みません。
太白ごま油使用はフォークがそのまますーっと沈んでいく感じです。
手で持った感じも全く違って、太白ごま油の方がやわらかくてふんわりとしています。
食べた感じ
バター使用は、口の中に入れるとバターの香りがふんわりと広がります。バター使用のジェノワーズのような風味を感じつつ、でもやわらかさはシフォンケーキというなんとも不思議なおいしさです。
太白ごま油使用は、口に入れると卵の香りを感じ、あっさりとした味わいです。口溶けもふわふわしゅわんとして、とても軽いです。
全体の見た目
バター使用の方がしっかりと立っています。デコレーションを施す場合は、バター使用の方が生クリームを塗ったりフルーツをのせたりしやすいかもしれません。
バターを使ったシフォンケーキもおいしい!
バターを使ってもシフォンケーキはおいしく焼けることがわかりました。
ただ、溶かしバターの温度に注意しなければならず、本来のシフォンケーキの作り方に比べると少し手間はかかってしまいます。
バター使用のシフォンケーキもふわふわしっとりに焼けますが、シフォンケーキ特有のふわんしゅわんとした軽い食感は、やはり液体油脂だからこそかなとも思います。
バターの香り豊かなシフォンケーキ。あっさり軽いふわしゅわシフォンケーキ。どちらがお好みでしょうか?
気になる方は試してみてくださいね♪