ローソン×cottaコラボ
第3弾 西 剛紀シェフ
2024年4月に開始したローソン×cottaコラボ企画「幻のスイーツリレー」。大好評だった第一弾、第二弾に続き、フィナーレを飾る第三弾がスタート! メニューの共同開発を手がけた、cottaイチ推しのシェフ6名の魅力をご紹介するとともに、今回発売する商品や、お菓子作りへの思いについてもお届けします。
※関東全域で発売。
※長野県飯田エリア13店舗除く。
「いちごとクリームチーズプリンのタルト」
兵庫県で1982年に創業した「Riviere (リビエール)」。スイーツ激戦区といわれる尼崎市の西端にある武庫之荘で、地元の人々に愛される洋菓子店です。
今はその人気が全国に広がり、2023年には東京店をオープンし、2024年3月には大丸松坂屋百貨店、4月にはそごう横浜店に新規出店。オーナーシェフを務めるのは、2代目の西剛紀さんです。
東京店が店を構えるのは、人気の三軒茶屋エリア。フランスのカフェやパティスリーを思わせる、シックでおしゃれな外観が目を引きます。
アンティークの扉を開けると、店内にはさまざまな焼き菓子や色とりどりのお菓子の箱が。おしゃれなディスプレイと甘い香りに、目も心も奪われます。
先代との思いをつなぐ「ラングドシャ」
リビエールの名前を全国区に押し上げたのは、看板商品のラングドシャ。「猫の舌」という意味のラングドシャは、名前のとおり、薄さが特徴のクッキーです。
「製造の効率面から、一度は販売を休止していたのですが、復活を望む声を多くいただいて、レシピや包装をリニューアルし、新たにスタートさせました」
先代から続く人気商品のレシピを、西シェフがブラッシュアップ。ふわっと軽やかでありながら、サクサクとした食感。天然のバニラを使った自家製バニラシュガーの甘さが口いっぱいに広がり、やさしい余韻が残る、誰からも愛される味です。
「実は学生時代は真剣にバスケットボールに打ち込んでいたので、お菓子の道に進むことは考えていなかったんです。先代の時代は、早朝から夜遅くまで元日以外営業していて、自分が同じ道を進むことは想像していませんでした。
ケーキといえば、ショートケーキとモンブランしか知らなくて。あまりにも身近すぎる存在だったんですよね」
バスケを引退後、将来についてまだ何も決めていなかったときに、実家の店にクリスマスの仕込みの手伝いに行くことになり、父が働く姿を初めて目の当たりにしたそう。
「ケーキを作る父の職人としての姿に圧倒され、そのときに、僕も洋菓子の世界に進もうと決めました」
親子2代をつなぐ、ラングドシャ。お取り寄せなどでファンが広がり、多くの人々を幸せにしています。
ナイフ一本から生まれるチョコレートの花
この日は、西シェフがお菓子作りの中で好きな工程のひとつ、ショコラのデコレーション作りを披露していただきました。
「薄くのばしたホワイトチョコレートをナイフで削り取り、花びらの形を作ります。これは昔ながらの技法で、今はあまり使われていないもの。
でも、ナイフひとつで、チョコレートが華やかな姿になるって素敵だと思いませんか? 懸命に練習を重ねてできるようになった、思い入れのある技法なんです」
使っているのは、実はサーモン用のナイフ。いろいろ試してみつけた、シェフの大切な道具です。
フランス語で「花」を意味する「フルール」と名付けたショートケーキに飾って、完成です。
大切にしたいのは
日常にあふれている幸福
菓子職人となってから、3年間をフランスで過ごしたという西シェフ。
「フランスで印象に残ったのは、人々が暮らしを楽しんでいること。
ベランダで朝ごはんを食べたり、公園でのんびり過ごしたりするだけで、気持ちが温かくなるんです。フランスに行ったことで、幸せのハードルが低くなったかもしれません。
フランスでは、アンティーク屋さんを巡るのも楽しかったですね」
店内のあちらこちらに、妻の理美さんと買い集めたアンティークの什器が置かれていて、フランスの雰囲気を感じることができます。
「フランスに行って、作る人が幸せでこそ、おいしいお菓子が生まれるということも実感しました。
今の自分の仕事で大切なのは、お客さまはもちろん、働くスタッフたちを幸せにすること。夜はしっかり睡眠をとれるように働く人たちの環境を整えて、仕事に誇りを持ちながら、楽しく働けるようにサポートしていきたいです」
みんなに愛される味を形に
今回のローソン×cottaのコラボ企画で西シェフが考案したのは、「いちごとクリームチーズプリンのタルト」。ワクワクするキーワードが散りばめられたお菓子です。
「コンビニでの販売ということで、多くの皆さんに愛されるものにしたいと思い、まず、チーズを使うことを決めました。濃厚なチーズのプリン、甘酸っぱいいちごの風味、タルトの組み合わせを楽しんでもらいたいですね。
タルトのザクザク感を生かすために、生地には全粒粉を使っているのもポイント。食感だけでなく、風味も増して、よりチーズプリンとの相性がよくなっています。
リビエール本店のある関西では、残念ながら販売がないのですが、作ることでも楽しんでいただけたらうれしいです!
いちごとチーズのタルト
レシピを見るタルト(シュクレ)生地はフードプロセッサーでできるので簡単です。強力粉と薄力粉にアーモンドパウダーを合わせ、ザクザクとした食感にします。
cottaオリジナルのタルト型を使うと生地の敷き込みもラクにできて、きれいに立ち上がります。
焼き上がったら、内側をチョコレートでコーティングすると、プリン液を流しても食感をキープできます。
シャンティクリームの代わりに、チョコレートを飾るのもおすすめですよ。ぜひ作ってみてくださいね」
撮影/松園多聞、cotta(いちごとクリームチーズプリンのタルト) 取材・文/singt
西 剛紀シェフ
1983年兵庫県出身。 製菓専門学校卒業後、西鎌倉「レ・シュー」に勤務。 2008 年より3年間フランスで学ぶ。2019年に両親が創業した 「Riviere (リビエール)」を引き継ぎ、2代目オーナーパティシエに就任。 2023年に東京・三軒茶屋に2号店をオープン。先代から引き継いだお菓子を独自に進化させ、 着実にファンを増やしている。素材を生かした芳醇なお菓子が得意。