初夏の手土産にぴったり
米粉のウィークエンドシトロン
米粉のウィークエンドシトロン
レシピを見る食に制限があっても、
一緒に楽しみたくて作ったケーキです
気負わず作れて、なおかつ、大人っぽさとほんの少しのかわいらしさが同居しているお菓子。みのすけさんが作るスイーツには、作り手も食べる側も楽しくさせてくれるパワーがあります。
今回教えてくれるのは、米粉を使ったウィークエンドシトロン。
「パウンド型で作るレモンケーキです。きめ細やかでしっとりしたパウンドケーキと、シャリシャリした甘い糖衣の組み合わせが大好きなんです」
ポイントは、小麦粉ではなく米粉を使っていること。みのすけさんが米粉のお菓子を作るわけとは?
「教室には、小麦アレルギーの方もいらっしゃるので、一緒に味わえるお菓子を作れたらという思いがありました。それに、私自身が『今日はグルテンフリーにしたいな』という体調の時もありますし、単純に『米粉の食感が好き』ということもあります」
自身だけでなく、生徒さんや家族の体調を考えて。誰かを思いやる気持ちが表れているのが今回のケーキというわけです。
時間が経つほどしっとりする米粉の生地と、
シャリッとした糖衣の組み合わせが格別
みのすけさんが使っているのは、ミズホチカラ。製菓用のために開発された米粉です。
「ふんわりと軽く仕上がる小麦粉に比べ、米粉はしっとり焼き上がります。特にこのミズホチカラは、一般的な米粉よりもきめ細かく、時間が経つほどにしっとり! 私は、さらにしっとりさせるために、アーモンドパウダーも加えています。ウィークエンドは、仕上げに糖衣をかけてしゃりしゃり感を出すので、その方が食感の違いを楽しめるのでおすすめですよ」
生地がしっかりまとまってきたら、パウンド型へ入れてオーブンへ。しばらくすると甘い香りが漂い始め、ふんわりふっくらしたケーキが焼き上がりました。これだけでも十分おいしそうですが、ここにさらに糖衣をかけていくのですからたまりません。
「糖衣には、レモンの果汁をたっぷり使っているので、甘酸っぱさが存分に味わえます。もし、国産のレモンがある場合は、皮を削って生地に混ぜ込むとより香りがたってきます」
ケーキ全体にたっぷりと糖衣を塗ったら、オーブンで糖衣を乾燥させて完成。
大人かわいいボックスで、
ほどよく気の利いた手土産に
さて、焼き上がったウィークエンドを休ませている間に、ラッピングのお話です。
「『ウィークエンドBOX』が本当にかわいくて使いたい! と思っていて。箱を組み立てて入れるだけでいいのですごく手軽。レモン柄もかわいいし、側面が水色なのもさわやかでいい! かわいくてキュンキュンしつつも、甘すぎなくて大人っぽい感じが大好きなんです」
カットせずに1本で手土産やプレゼントにする時には、この箱に入れるだけで見栄えはバッチリ! くせがなく、ほどよい愛らしさのあるデザインは、幅広い年代の方に喜ばれること間違いなしです。
「箱に直接入れると油染みが出てしまうので、私はOPPシートを敷くようにしています。お邪魔したお宅では、シートごと取り出してカットすればいいので便利ですよ」
作り手の思いを
さわやかなレモンケーキに託して
かわいらしいラッピング見ている間に、みのすけさんがウィークエンドをカットし始めました。糖衣を切り分けるザクッザクッという音が響きます。カットしたてを早速パクリ。
シャリシャリした糖衣が溶けて甘酸っぱさが口一杯に広がります。生地も話していた通りなめらかでしっとりした口当たり。食べ終わった後に残るレモンの香りがなんともさわやかで、もう一切れ食べたくなるほどです。
「これからの季節、さわやかなレモンのお菓子はぴったりだと思います。手土産にはもちろん、自分のためのちょっとしたご褒美にもおすすめです」
おいしくて、大人かわいくて、さりげなく相手の体も思いやることのできる米粉のウィークエンドシトロン。作り手の気持ちを託すことができるお菓子とラッピング、ぜひお試しください。
次回は、プラントベース材料で作るお菓子のお話を和泉シェフにうかがいます。
取材・文/晴山香織 撮影/大塚紘雅
1988年生まれ。福岡県在住。菓子製造技能士2級。県内の製菓学校を卒業後、パティスリーや製菓専門学校、企業のメニュー開発などを経て「みのすけ通信お菓子教室」として自身の教室を主宰。動画とLINEによる完全個別指導で、時間と場所に縛られずに受講できる新しいスタイルでお菓子作りを発信している。自由なスタイルに加え、わかりやすく作りやすいレシピが人気に。cottaオフィシャルパートナーとしても活躍している。