子どもの自由研究にもぴったり!
美しい宝石のような琥珀糖
シックで上品な花形のタルトや、華やかなデコレーションの生シフォンケーキなど、hitomiさんが生み出すお菓子は、どれもパッと目を引く美しさ。なおかつ、誰にでも作りやすいようにちょっとの工夫でできるようにと考え尽くされたレシピは、cottaでも注目の的です。
今回教えてくれるのは、まるで宝石のような琥珀糖。手軽にできる簡単さで、さらに色づけの工程が実験のようなので、子どもの夏休みの自由研究にもおすすめのお菓子です。
バタフライピーでキラキラ琥珀糖
レシピを見る色の変化が楽しい!
実験感覚で作れる琥珀糖
キラキラと輝く宝石のような仕上がりに、思わずため息がもれてくるほど。琥珀糖とは思えない美しさです。
「本当にきれいですよね。できあがった姿も美しいですが、作っている最中も色がきれいで楽しいんです。子どもの自由研究にもおすすめの実験系のお菓子。もちろん、大人も楽しめます」と話しながら、早速作り始めます。
鍋の中をのぞいてみると、深い青色の液体が。バタフライピーのハーブティーを煮出してから、粉寒天とグラニュー糖を入れたものです。
「中火でじっくり煮詰めていきます。ゴムベラを持ち上げたら、こんなふうに縁にちょっとたまってから落ちるくらいになるまで。混ぜては持ち上げて、状態の変化を見ながら煮詰めていくといいと思います」と、実際に持ち上げて見せてくれます。
「これをやっておくと、仕上がりの透明度が違うんですよ」と、途中で出てきた泡もしっかりスプーンで取り除くhitomiさん。小さなコツが詰まっています。
煮詰まったら一部をボウルに取り分けておき、残りは型へ。型にはあらかじめオーブンシートを敷いておき、しっかりクリップで留めてあります。
「大人だけだったら、そこまで気を使わなくてもできるかもしれません。もしお子さんが作業するなら、少しでも失敗を防げるようにあらかじめ準備しておくと安心ですよ」と、さすがのアドバイスです。
子どもと一緒に大人も夢中になれるお菓子
hitomiさん自身、よくお子さんとお菓子を作ってきたと教えてくれます。
「男の子二人なので、かわいいデコレーションを楽しむというよりもこういう実験系のものの方がウケが良くて。シュガースティックやラムネなどは、すごく興味を持って一緒に作ってくれました。食べるよりも作る方が楽しそうだったくらい(笑)。デコレーションをしたケーキなども食べてはくれますが、一緒に作ることはないんですよね。作る過程で変化がわかりやすいものだと楽しいみたいです。今回の琥珀糖も、真剣に観察してましたね」
息子さんが真剣に観察したというのが、この次の工程。先ほどボウルに取り分けておいた青い液体にレモン汁を加えて混ぜていきます。すると……
「見てください! 青から紫に変化していくのが本当にきれいなんです。これは大人でも気分があがりますよね。子どものころの理科の授業を思い出しませんか? 酸性を加えると色が変わるリトマス紙も同じ原理でしたよね。懐かしいですよねぇ。子どもたちもこの工程に夢中でした」と、ゆっくり混ぜると、その言葉通り青い液体がみるみるうちに紫に変わっていきます。
しっかり混ぜ終わったら、型に入れておいた青い液体の上へそっとのせるようにしていきます。
「きれいな色を出したくて、いろいろ試行錯誤しました。一気に紫を入れると青と混ざりすぎてしまうので、スプーンを使って縞模様を描くようにして入れるのがおすすめです。青も紫もきれいに出るし、間のグラデーションもすごくきれいになりますよ」
キラキラした宝石や鉱物をイメージしてカット
ラップをかけて冷蔵庫で冷やし、固まったら取り出していざカット!
「まず1.5cm幅の棒状に切ってから、斜めにカットして小分けにし、それぞれの角を落として宝石のように見せています」
取り出しただけでも青と紫のグラデーションがきれいですが、カットしていくとより光が入って透明度が増していきます。カットした断面が多いほど光の反射が増えてキラキラ見えるというわけです。
「あとは、切れ端をさらに細かく刻んで、そこに棒状の宝石を立てるようにすると、鉱物のように見えますよ」と、ささっと作ってくれます。少しの工夫で見栄え良く仕上げる技はさすがです。
さらには、シリコンモールドを使った琥珀糖も。青い液体を流し込み、そのまま置いておくだけで、とても涼やかなお菓子の完成です。イルカやヒトデ、タコなどの形がかわいらしく、透明感のある琥珀糖がさらに夏らしい仕上がりになっています。使ったのは「海のいきものシリコンモールド」。
バタフライピーで海の生き物琥珀糖
レシピを見る「カットする手間が省け、また違った見た目に仕上がりますよ。シリコン製なのでするんと型から取り出しやすくて便利です。この形もかわいいですよね」
砂糖の結晶化もおもしろさを感じるポイント
「そのまま常温で乾燥させると表面の砂糖が結晶化するんです。これが、2日ほど置いたもの。よかったらどうぞ」と見せてくれたものは、確かにまわりが白い結晶で覆われています。いただいてみると、表面がカリッとして、なかはもちっとした食感。その違いがなんとも楽しいお菓子です。
「色の変化に加えて、この結晶化も実験的で楽しいですよね。本当に自由研究にぴったりだなと思います」
さらにラッピングのアイデアも教えてくれました。青だけ、紫だけ、グラデーションだけに分けると、より色の違いわかってきれいです。
「琥珀糖の美しさを見せたいので、透明のケースにしました。お菓子の色を引き立たせるようにリボンもシールも白にして、極力シンプルにしています。このPET容器はガラスと違って軽いので、ママ友たちに気楽にお渡しできるのがいいなと思っています」
大人も子どもも楽しめる実験的な琥珀糖。小学生でも一緒に作れる簡単さも魅力ですし、ワイワイと賑やかな時間を過ごすこともできます。贈り物はもちろん、夏休みの自由研究にも役立つお菓子、ぜひ参考にしてください。
次回は、高橋ヒロさんに米粉のチョコチップパンのお話をうかがいます。
取材・文/晴山 香織 撮影/田中舘 裕介
cottaオフィシャルパートナー。「ほんの少しの努力でセレブ風☆」をモットーにしてお菓子やパンを作り続けている。手軽にできる工夫でぐっと華やかに見える仕上がりと、上品で写真映えのするラッピングやスタイリングが人気。お菓子作りの話や、二人の息子と夫との日々の料理を綴ったブログ「えセレブ日記」も注目を集めている。