vivianさんのこだわりをちりばめた
理想のロールケーキ天板
cottaパートナーとして、絶大な人気を集めるvivianさん。数々のレシピ開発とともに、cottaオリジナルの道具を監修されています。今回は、特にvivianさんのお気に入りアイテム、ロールケーキ天板について伺いました。
くるくる可愛い外巻きロールケーキ
レシピを見る使い勝手と美しさを兼ね備えて
「ロールケーキのチャームポイントは、くるっと〈の〉の字を描いたクリーム。これまでのものではきれいな形にならず、いつか理想的なロールケーキ用の天板を作りたいと思っていたんです」
「ロールケーキは、いざ、クリームを巻くときに生地が折れたり、断面が美しくならなかったりするのが悩みでした。オーブンについてくる天板だと底が平らではないうえに深さがあり、重たいのも難点なんですよね」
そこでvivianさんが考えたのは、薄くて細長い、ほかにはないデザインです。
細部にまでこだわりを
「この天板は、高さ約20mm。薄くすっきりとしていて、流し入れた生地を手早く均一に広げやすいんです。焼き上がった生地を取り出しやすいように、縁の立ち上がりは少し斜めになっています。
女性の手でもホールドしやすいことを考えて、幅は短めに。その分、巻きを多くして〈の〉の字をしっかり出せるよう、長さを伸ばして長方形にしました。
これまでのレシピと同じ分量で焼けるように計算したのも、ポイントです。大小2つのサイズがあるので、お手持ちのオーブンのサイズに合わせて選んでくださいね」
大サイズは卵3個分、小サイズは卵2個分のレシピをそのまま使えます。
生地を天板に流し入れたら、パンパンと手で型の底をたたき、しっかりと空気を抜くのがコツ。大きな気泡が消えて、焼き上がった生地のきめが整います。
「アルミ製でとても軽いので、この作業がとてもラクチン。ロールケーキの生地は高温短時間で、表面はきつね色に、裏側はあまり色をつけないように焼きます。もしできたら、もう1枚この天板を重ねると、火の当たりがやわらいで、よりきれいに焼けますよ」
長方形の生地だから巻きやすさ抜群!
生地が焼き上がったらホイップしたクリームを塗り、いよいよ生地を巻いていきます。
「巻き始めは生地をUの字にくせをつけて、少ししっかりめに。きれいに巻けると、生地が割れるのも防げるんです」
カットしたケーキは、vivianさんが思い描いた理想の美しい「の」の字に。
「この形を追い求めて、何度も何度も試作を繰り返しました。家族が飽きてしまって、誰も食べなくなるくらい(笑)。でも、そのかいがあって、ようやく理想にたどりつけました」
難しいことにこそチャレンジしたくなる、vivianさんならではのエピソード。開発に携わったなかでも、愛着の深い道具だからこそ、ぜひみなさんにたくさん使ってほしい!ということで、今回はロールケーキのスペシャルバージョンも教えてくれました。
いちご&クリームで映え度満点!おめかし裏巻きアレンジ
こんがりとした面を内側にする〈裏巻き〉にすると、また違った表情になり、デコレーションもぐっと映えます。
「フルーツを入れて少し重くなっても、幅が短めなので、しっかりホールドできて、きれいに巻けるんです。みんなで集まる日には、ホイップクリームを絞り出し、さらに、いちごやチョコレート細工などを飾るとゴージャス感が増しますよ」
「シンプルなロールケーキをマスターしたら、ぜひアレンジにもトライしてみてください。フルーツを変えたり、クリームや生地にフレーバーを加えたりと、楽しみがどんどん広がるのもロールケーキの魅力ですね」
ロールケーキは、年代を問わず好まれる永遠の定番。好きなサイズに切り分けることができるので、大勢で集まる日におすすめです。
真っ赤ないちごをあしらえば、テーブルが華やいでお祝いの日にぴったり。お正月やひな祭り、誕生日などに、ぜひ作ってみてください。
次回はmarimoさんに、バレンタインにおすすめのマドレーヌを教わります。
取材・文/singt 撮影/忽滑谷なつみ
vivianさん
cottaオフィシャルパートナー。家庭で作れて再現性の高い、スタイリッシュなパンやお菓子のレシピが人気。cottaオリジナルのイギリス食パン型など、材料や道具の監修も務める。季節の移ろいを楽しみながら仕込む手仕事や、ふだんのおかずなど、毎日役立つ料理の提案も発信。