バレンタインに!華やか仕上げの
ガトーショコラ風マドレーヌ
前回、栗のテリーヌを教えてくれたmarimoさん。今回は、バレンタインに合わせて作りたくなる、チョコレートたっぷりのマドレーヌを教えてくれました。
ガトーショコラ風チョコマドレーヌ
レシピを見る教室で一番人気のガトーショコラをヒントに
「レッスンでは、生徒さんから作りたいお菓子をリクエストしてもらうことが多いのですが、ガトーショコラが大人気です。
今日ご紹介するマドレーヌは、ガトーショコラのようなチョコレートの濃厚な味わいと、ほろっとした食感を目指したレシピ。
マドレーヌにすると、小さいのでプレゼントしやすく、1つずつ好きなときに気軽に食べてもらえるのもいいですよね」
家庭でも必ず上手に作れるよう、何度も何度も試作を繰り返してブラッシュアップさせた、marimoさんならではのレシピです。
チョコレート愛をマドレーヌに込めて
じつは、甘いものがちょっと苦手というmarimoさん。
「でも、チョコレートは甘さのなかに、ほろ苦さが感じられて、芳醇な香りが広がるところも大好きなんです。どんなお菓子もチョコレート味にアレンジしたくなるくらい(笑)!
今回のレシピでは、私がよくリピートしているカカオ58%のものを使っています。甘さと苦味のバランスの良さが魅力です」
「お菓子を構成するのは、レシピ、作り方、焼き方、そして材料。その4つのどれもが大切です。そのどれか一つでも欠けてしまうと、仕上がりに差が出てしまいます」
特に大好きなチョコレートのお菓子は、食べる人の笑顔を思い浮かべながらイメージをふくらませて、材料を選ぶところから楽しんでいるそう。
型にこだわれば満足度がさらにアップ
また、材料と同様に焼き上がりや味わいに違いが出るのが、使う道具です。
marimoさんが愛用しているのは、熱烈なファンが多い松永製作所製のマドレーヌ天板。
「熱伝導がすぐれているうえに、しっかりとラインが立って焼き上がりがとても美しいんです。上手に焼けるうれしさを生徒さんに実感してもらいたくて、教室でも使っています」
この型は、バターを塗ってから焼くと生地が気持ちよく型離れするのも、marimoさんがお気に入りの理由のひとつ。
外側はカリッとムラなく、中はふんわり焼き上がり、型からするっと外せます。
大人っぽく上品にデコレーション
「さらに、チョコレートでデコレーションをすると、華やかさが加わって、より、プレゼント向きになりますよ」
テンパリングが難しいチョコレートですが、marimoさんが教えてくれたのは、コーティング用のチョコレートを上掛けするアイディア。誰でも上手に、チョコレートのつやを出すことができます。
チョコレートが固まらないうちに、フリーズドライのフランボワーズを散らせば完成です。
チョコレートの光沢と真っ赤な粒で彩りを添えた大人っぽい雰囲気が、松永製作所の天板で焼いたスタイリッシュなシェル形のマドレーヌとよく合います。
お菓子のかわいらしさが引き立つギフトボックスに入れて
「お菓子のたたずまいを生かした、飾らず控えめなラッピングが好きです。
好きなときに食べてもらえるように、マドレーヌは一つずつガス袋に入れてシーラーで封をして。形がくずれないよう、ドーム形のボックスに入れるのがおすすめです」
marimoさんがセレクトしたのは、やさしい花柄のギフトボックス。詰めるだけでさまになるので失敗がなく、さりげなく思いを伝えられるのもポイントです。
今年のバレンタインのお菓子作りは、オーブンから漂うチョコレートの香りも満喫しながら、ゆったりと楽しんでくださいね。
次回は焼きたてのパンがいつでも楽しめる「コッタベーカリー」の開発ストーリーをお届けします。
取材・文/singt 撮影/田中舘裕介
marimo(マリモ)さん
菓子研究家、製菓衛生師。2008年に大学を卒業後、大手印刷会社で勤務しながら国際製菓専門学校の通信教育課程で製菓を学ぶ。その後、複数の製菓教室に通い、2015年に独立。2016年、東京・豊島区にて、お菓子教室「MARIMO CAFE」を開講。2018年からは通信講座、2021年にはお菓子をおいしく見せるための撮影講座を開設。きめ細やかな指導と再現性の高いレシピや美しい写真で、SNSでも人気を集めている。著書『本当においしいお菓子の作り方』など。