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カフェ・飲食店のアルバイト教育|お店の戦力となる人材育成のポイント

date
2024/01/23
writer
コッタビジネス編集部
category
育成 > 人財育成
お菓子屋さん、ベーカリー、カフェなどの飲食店では、スタッフの技術・サービスの質が店舗の評判や集客力に直結します。 そのためアルバイト・パートのスタッフ教育には力を入れたいところですよね。 「スタッフの教育って具体的に何をすればいいの?」と悩んだことはありませんか? この記事では、スタッフ教育の重要性や効果的にトレーニングするポイントについて紹介します。 飲食業界での競争が激化する中、スタッフの教育は経営の成功のカギとなります。 お店の戦力となるスタッフを育て、経営の成功を目指しましょう!

アルバイト教育に力を入れる重要性とは?

アルバイト・パートスタッフ教育を充実させる重要性について確認していきましょう。

スタッフ教育の成功は売り上げ に直結する

お客さまはよい商品・サービスを求めてお店を選びます。 どんなにクオリティの高い商品を販売していたとしても、対応するスタッフの態度が悪かった場合、リピートしてもらえなかったり、お店に対して悪いクチコミを拡散されたりする可能性がありますよね。 スタッフがスキルや知識をしっかりと習得し、お客さまの満足度が高くなるサービスを提供することが重要です。 スタッフの教育・トレーニングに力を入れれば、業務に対する理解が深まります。 スキル・知識を身に付けてもらうことで、スタッフ自らが考えて行動できるようになり、提供するサービスの品質向上につながるのです。 スタッフがお客さまに対して心地よいサービスを提供できるようになれば、お客さまのお店への信頼度や満足度が高まります。 お店のリピーターになり、クチコミやSNSなどでよい評判を広めてもらえる可能性もありますよね。 スタッフの教育を充実させることで、お店のブランド力や信頼度が向上します。 その結果、集客力や競争力が強化され、売上や利益の増加につながるのです。

定着率をアップさせ、お店の損失を抑える

人手不足が深刻化している昨今。 スタッフを採用するだけでなく、その人材を長く定着させることが重要です。 アルバイト・パートスタッフの採用活動や新人教育には人的にも金銭的にもコストが発生しますよね。 せっかく採用して教育したスタッフが短期間で辞めてしまうと、採用活動や教育にかけたコストがムダになってしまいます。 また、頻繁にスタッフが入れ替わることは、お客さまへのサービスに安定性が欠けてしまう恐れもあります。 採用・教育コストの損失を低減するには、スタッフ教育の過程で定着を促すことが重要です。 教育やトレーニングを通じ、スタッフ自身がスキルアップを実感したり、周囲からの評価を感じたりできれば、仕事へのやりがいにつながります。 その結果、スタッフの定着率が高まり、採用・教育コストなどのお店の損失を抑えることができるのです。

アルバイト教育の方法

ここからは、どのような方法を用いてアルバイト教育をするのかという具体例を紹介します。

マニュアルを作成する

アルバイトスタッフを複数人雇う場合は、マニュアルを作成しましょう。 業務に必須の知識や必要なスキルをまとめておくことで、効率的に内容を伝えられます。 マニュアルは店舗業務の基準となるものです。 例えば接客の基礎や調理業務、衛生管理など、各項目について説明したマニュアルがあれば役に立つでしょう。 マニュアルを作成すれば、スタッフの作業のクオリティを標準化できます。 記載された内容を実践することで、高い質の仕事・チームワークが実現できるようになるのです。 マニュアルは全く知識のない人が見ても理解できるように作ることが大切です。 文章だけでなく、写真やイラスト、動画などを適宜使用し、見やすくわかりやすいマニュアルを作りましょう。 マニュアルは作成するだけでなく、お店の状況に応じて随時更新することもポイントです。

To Do リストを作成する

「マニュアル作成に時間を捻出できない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。 その場合はお店の役割・ポジションで必須の「To Do リスト」を書き出しましょう。 「To Do リスト」は「やることリスト」です。 どんな時に何をやるかを具体的にリスト化します。 アルバイトスタッフに具体的に何をすべきなのかを把握してもらうことから始めてみてください。 下記はホールスタッフのTo Do リストの例です。
どんな時に 何をやるか
お客さまのご来店 ご挨拶・人数確認・席へご案内
未オーダーのお客さまがいらっしゃる場合 お客さまを気にかけながら店内をラウンドし、お決まりの場合はオーダーテイク
未オーダーの方がいない場合 店内を見て回り、お冷やバッシングの対応をする
キッチンから料理が出来上がった場合 料理が冷めないように、すぐにキッチンから提供へ
お客さまが席を立った場合 レジ対応
レジ対応後 テーブルバッシング&セット
特に初めてアルバイトをするスタッフの場合、「自分に求められている仕事は何なのか」という全体像を認識してもらうことが大切です。 その後にひとつひとつの項目について深掘りしたマニュアルや、OJTなどの研修があるとスムーズに働けるようになるでしょう。

OJTを導入する

OJT(On the Job Training)とは、現場の先輩がトレーナーとなり、業務を指導する方法です。 実際の業務をやってみながら学ぶため、スキルが習得しやすくなるというメリットがあります。 OJTを取り入れる際のポイントは、新人スタッフ勤務日のどの日でも指導担当者を同一にすることです。 マニュアルを導入していたとしても、作業の正確性やスピード感は個人差が出てしまうもの。 日によって指導担当者が異なる場合、新人スタッフは何が正解なのか判断がつきにくくなってしまいます。 作業の習得に時間を要する可能性もあります。 新人スタッフと同時間帯に勤務する、信頼のおけるスタッフに指導担当者になってもらい、できるだけ新人スタッフと一緒に勤務してもらいます。 指導内容にムラがないため、新人スタッフの効率よいスキル習得効果が期待できます。

チェックシートを作る

チェックシートを導入することもおすすめの手法です。 習得してほしい業務のリストを作成します。 チェックシートを用いると、現時点でできていることや、これから習得すべきことが可視化できますよね。 新人スタッフ自身が現状把握しやすくなり、向かうゴールも明確になるため、モチベーションアップにもつながります。 また、指導担当者も適切な指導やフィードバックをしやすくなるメリットがあります。 新人スタッフの習熟度に応じた教育やトレーニングができるようになるのです。 「教えたと思っていたけれど、実は教えていなかった」というような、指導漏れの防止効果もあります。 チェックシートの項目に習得の優先度を付けるのもよいでしょう。 効率よく業務の進め方について身に付けることができるようになります。

アルバイト教育を成功させるポイント

最後に、アルバイト教育を成功させるために意識したいポイント・コツをご紹介します。

お店の方針・理念(コンセプト)を教える

新人教育を行う際にスキルや知識だけを教えていませんか? 店の方針・理念についてもしっかりと伝える必要があります。 方針や理念を教えても、一見スキルアップにはつながらないように思えますよね。 しかし、お店への理解が深まるため、スタッフが自然に理念や方針に従って行動を起こせるようになります。 「店舗の一員として、自分はどのように行動すべきか」という考え方が身に付けられるのです。 どのような考えや価値観で店舗運営しているのかを理解することで、よりクオリティの高いサービス提供を目指せます。 自店舗ならではのサービス提供にもつながり、他店との差別化をはかれることもメリットです。

ステップを踏んで教える

新人スタッフの教育をするときは経験の有無やその人の性格・資質に合わせて段階的に行います。

  1. 業務の理由や目的を説明する
  2. 実際の方法を説明する
  3. 指導担当者が実演する
  4. 新人スタッフに実践してもらう
  5. フィードバックし、復習する

例えば上記のようなステップを踏むとよいでしょう。 一度の経験で全てを習得することはできませんよね。 着実にスキルが身に付くようにサポートしましょう。

コミュニケーションを取って相互理解を深める

担当者に教育を任せている場合でも、店長と新人スタッフとの間のコミュニケーションは重要です。 新人スタッフが店長とうまく信頼関係を築けないと、スタッフ育成がうまく進められないだけでなく、早期離職につながる恐れもあります。 スタッフの採用・教育は店長の役割のひとつ。 スタッフをまとめ、お店に一体感や活力を生み出すためには、店長とスタッフの良好な関係性が欠かせません。 日常的にコミュニケーションを取る機会を設けましょう。 会話のコミュニケーションだけではなく、表情や態度にも注意を向け、困っていることや問題を抱えていることがないかを観察します。 店長への信頼感が高まることで「このお店で働きたい」という気持ちが高まり、仕事へのモチベーションがアップする効果が期待できます。
店長の役割についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてくださいね。 飲食店店長の大事な役割|スタッフがイキイキ働けるお店作りのコツ

教育時間を加味してシフトを作成する

教育時間がシフトに考慮されているかも確認しましょう。 お店のモデルシフトに教育時間のシフトをプラスしてシフトを組み立てます。 教育時間のシフトが加算されるため人件費は上がってしまいますが、しっかりと教育に注力できるので、その後のお店のシフトは安定します。 反対に、人件費を抑えるためにモデルシフト内で教育時間を収めようとした場合、新人スタッフへのサポートがおろそかになりがちに。 「忙しくてたいへん」「きちんと教えてもらえない」という不満につながり、離職の原因になりかねません。 お店の戦力としてしっかりと育てるために、教育時間を加味した上でシフトを作成しましょう。
シフト作成についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 シフトの組み方を徹底解説!簡単なのにわかりやすいシフトを組むコツとは

評価制度を整える

スタッフへの評価制度が曖昧になっていませんか? 評価制度を整えることは、新人スタッフの仕事へのモチベーションを引き出す効果が期待できます。 「いつになったら時給があがるの?」 「何をがんばればよいのかがわからない」 というように、見通しが立たないまま業務に臨んでいると、モチベーションが低下し、早期離職の原因に。 例えはスキルアップの基準を設け、クリアすれば時給がアップするという仕組みを作れば、スキル習得と収入増加が連動し、積極的に業務に取り組めるようになります。 努力に対して、正当な評価を得られることは、スタッフにとってうれしいことです。 店長が自分を見てくれていて、きちんと評価してくれているという環境が、スタッフのモチベーションアップにつながります。

まとめ|アルバイト教育に力を入れて、魅力的なお店をつくろう

お菓子屋さん・パン屋さん・カフェ・飲食店の成功のためには提供する商品や料理の質だけでなく、お店で働くアルバイト・パートスタッフの活躍も欠かせません。 魅力的なお店づくりのためにはスタッフの教育が重要です。 お店に定着し、活躍してもらうためにマニュアルやOJTを導入し、新人スタッフのモチベーションをアップさせながら教育に臨みましょう。 スキルだけを教えるのではなく、店舗の方針・理念なども伝え「自主的に動けるスタッフ」に教育することが大切です。
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