お菓子屋さん・パン屋さん・カフェなどの飲食店において、売り上げを安定させるためにはリピーターの存在が重要です。
しかし、競合店がひしめき合う中、リピーター獲得に課題を感じる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、リピーターを増やすための方法や事例をご紹介します。
リピーターが増えない理由や、リピーター施策を実行する際の注意点についても深掘りして解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
なぜリピーターを増やすことが大切なの?
リピーターとは、店舗や商品などに愛着・好感を持ち、継続して複数回購入してくれる顧客のことを指します。
なぜリピーターが重要なのか、その理由は大きく2つあります。
1つは、安定した売り上げの確保にリピーターは大きく貢献してくれるからです。
新規顧客獲得にはリピーター顧客獲得よりも5倍のコストがかかるといわれます(1:5の法則)。
また、「パレートの法則」では「売り上げの8割を2割のリピーターが生み出す」と示しています。
つまり、リピーターを増やすことは費用対効果が高く、安定した売上・利益獲得が期待できるのです。
2つめの理由は、リピーターは新規顧客を呼ぶ存在でもあるという点です。
常連客が店舗についてよいクチコミをSNSなどで発信した場合、それを見たことがきっかけになり、来店者が増える可能性が高まります。
クチコミは、お店が直接広告や販促するよりも「ユーザー目線の声」としての信頼性が高いため、より集客効果が期待できます。
リピーターは直接的な売り上げアップだけでなく、集客への貢献も期待できる心強い存在なのです。
リピーターの重要性については、こちらの記事でさらに詳しく解説していますのでご覧ください。
リピーター客はなぜ重要?リピート率を上げるメリットやポイントを徹底解説
お客さまがリピーターにならない理由とは?
「新規顧客を獲得したものの、二度目の来店がない」
「何回か来店してくれたけれど、休眠顧客になってしまった」
このようなお悩みがありませんか?
リピーター獲得のためにも、何がリピートにつながらない原因になっているのかを把握することは大切です。
当てはまるものはないかを確認しましょう。
お客さまに店舗の印象を残せていない
お客さまがリピーターにならない理由の1つは、単純にお客さまがお店の存在を忘れていることです。
飲食業界は常に競争が激しく、単に味やおいしさだけでは競合店との差別化が難しいですよね。
せっかく新規顧客を獲得したとしても、店舗がお客さまの中で強く印象に残っていない場合、時間の経過とともに記憶から薄れていってしまいます。
この問題を解決するには
- 他店にはない価値を提供できているか?
- 店舗にしかない特別感を提供できているか?
ということについて見直してみましょう。
お客さまに店舗ならではの価値を提供できれば、「またあのお店をリピートしたい」とよい印象付けができます。
自店舗の強みを把握し、大切にしているコンセプトや想い、価値観をお客さまに伝えることが重要です。
また、これら一連の活動は「ブランディング」に当たります。
つまり、店舗のブランディングが実践できているかどうかが、リピーター獲得のためには重要となるのです。
ブランディングについてはこちらの記事で解説しているので、チェックしてくださいね。
【飲食店向け】ブランディングとは?お客さまに選ばれるお店になるためのポイント
商品・サービスのクオリティが期待値よりも低い
商品やサービスのクオリティが期待を満たしていない場合、リピーターが増えない大きな原因に。
お客さまに満足いただけないと、リピーターになってもらうことは難しいです。
日頃からお客さまの視点で、「どのようなお店だったらリピートしたくなるか、常連客になるか」「お支払いいただく金額以上の価値を提供できているか」という顧客心理を考えてみましょう。
クチコミのレビューやSNSの投稿を参考にするのもひとつの手です。
課題がわかれば、品質管理の徹底や接客の見直しなど、スタッフトレーニングを通じて改善します。
スタッフとコミュニケーションを積極的にとり、問題点や改善すべきことなどを共有し、チーム一丸となって店舗のレベルアップを図りましょう。
次回の来店を促す、リピーター獲得の施策を行っていない
お客さまに次回の来店を促すアクションが取れていますか?
店舗側がお客さまに再来店を促すことができるかどうかで、リピート率は大きく変化します。
お客さまがお店のことを記憶し、商品やサービスに満足をしていたとしても、「お店に行って商品・メニューを買う」という行動を起こさせる必要があります。
例えばあなたがあるお店を一度利用して、おいしいケーキを食べたとしましょう。
数日後にお財布を開き、そのお店のショップカードを発見します。
お店のことを思い出し、「あのケーキ、おいしかったな」「また食べたいな」と思っても、すぐに行動に移す人は少ないのではないでしょうか?
しかし、そのショップカードに期限付きのクーポン券が付いていたらいかがでしょうか?
「せっかくだから、期限までにクーポンを使おう」と考え、来店・購入のアクションに出やすくなると思いませんか?
上記の例のようにまだ常連客ではないお客さまに「お店に行って買い物をする」というアクションを取ってもらうには、工夫が必要です。
お客さまが再度訪れる理由を提供することが、リピーター獲得のカギとなります。
リピーターを増やすための施策|アイデア・事例を紹介
ここからは、リピーターを増やす方法を具体的にご紹介します。
イベントや旬に合わせて限定メニューを展開する
新商品・新メニューの開発は、リピート顧客の来店を促します。
クリスマスやバレンタインなどの大規模なイベントや、旬の果物をつかった季節限定メニューなどを開発しましょう。
同時にSNSを通じて情報発信すると、来店につながりやすくなります。
お店に訪れる度に、新しい商品との出会いがあるとワクワクしますよね。
「次は何だろう?」とお客さまにとっての楽しみとなり、来店するきっかけ作りになります。
看板メニューを強化する
看板メニューを作ることは他店との差別化が図りやすい手法のひとつです。
看板メニューはお店の顔となり、「このお店といえばこの看板メニュー」「○○を食べるんだったら、あのお店がいい」などのように、顧客の心に深くお店の存在を印象付けられる存在だからです。
例えば独創的な見た目のスイーツや、食感にこだわったパンなど、他店では味わえないお店ならではの商品・メニューで顧客の心に深く印象を残せたとします。
その商品・メニューを「また食べたい」という気持ちとともに、お店自体のことを想起し、お客さまが再訪してくれる可能性がアップします。
看板メニューはリピーター獲得のために心強い味方なのです。
ポイントカード・スタンプカード
リピーター獲得の施策としての代表的なものとして、店舗オリジナルのポイントカードやメンバーズカードの発行が挙げられます。
「毎月X日はポイント2倍」や「スタンプ全部貯まったら500円引き」など、お客さまが再訪したくなるような理由を作りましょう。
会計時にポイントが利用できる場合は、お店側から積極的に「ポイントを利用されますか?」という声かけを行うのもコツ。
「お得に買い物できた」というお客さま満足度のアップや、顧客ロイヤリティの醸成へとつながる効果が期待できます。
また、スタンプカードやポイントカードが有形である場合、そのカードを見て店舗のことを思い出すというきっかけ作りにもなります。
店頭イベントの企画
「店舗○周年創業祭」や「毎月X日はシュークリームの日」などのように、定期的なお店独自のイベントを企画しましょう。
「このイベントがあるならお店に行こうかな」という再来店のきっかけ作りとして有効です。
ダイレクトメール(DM)
誕生日のような特別の日に、クーポンやプレゼントなどの特典を付けてDMを送ると、再来店の可能性が高まります。
また、店舗側から「特別な招待を受けている」と好印象になるため、顧客ロイヤリティの向上にもつながります。
「前は店を利用していたけれど、なんとなく店に行かなくなった」というお客さまに対して、効果が期待できます。
DMを送ってお店のことを思い出してもらい、再来店のきっかけ作りをしてみましょう。
お店のLINE公式アカウントを開設する
「DMを送るほど経費はかけられない」という場合もありますよね。
コストを抑えながらリピーターを獲得する手段のひとつとしてLINE公式があります。
LINEは普及率が高く、老若男女問わず利用者が多いのが特徴。
また、公式アカウントからの発信は開封率も高いため、メールマガジンよりも効果が期待できます。
新規来店時にできるだけ「ともだち追加」をしてもらい、店の情報を定期的に発信し、リピーターを獲得しましょう。
SNSを活用し、お客さまとつながりを持つ
InstagramやFacebookなどのSNSを活用しましょう。
SNSは導入コストがかからず、一度の発信で多くの人々に情報を届けられることが大きなメリットです。
SNSで店舗の情報を発信し、その情報がお客さまの目にとまれば、店舗のことを思い出して来店してくれるかもしれません。
来店した際にSNSのアカウントをフォローしてもらえるような仕組みを作りましょう。
リピーター施策でのポイントや注意点
リピーターを増やすための施策を実行する際に注意すべきポイントについて紹介します。
リピーター施策は目的に合わせて実施する
施策はさまざまありますが、重要なのは「何を目的にするのか」を考えて実施することです。
施策は実施するだけでなく、その後の効果測定と検証が必要。
- 目的が達成できているか?
- 次の施策につながる改善点はあるか?
などを振り返り、PDCAサイクルを回していくことでリピーター施策の精度がより高まります。
例えば、前章で紹介した施策は次のように分類できます。
目的 |
施策例 |
強いファン作り |
看板メニューを強化する |
飽きられない仕組み作り |
イベントや旬に合わせて限定メニューを展開する |
来店の動機付け |
ポイントカード・スタンプカード |
来店の動機付け |
店頭イベントの企画 |
お店のPR &思い出し効果 |
ダイレクトメール |
お店のPR &思い出し効果 |
LINE公式アカウントからの発信 |
お店のPR &思い出し効果 |
SNSの活用 |
目的に応じて実施する施策を選びましょう。
リピーター施策だけに偏りすぎない
リピート顧客の獲得は新規顧客獲得よりもコストが抑えられ、利益率も高いため、店舗の売り上げアップや経営の安定には欠かせません。
しかし、リピーター施策に偏りすぎないように注意が必要です。
新規顧客は将来のリピーターでもあります。
長い目でみて将来のリピーターを確保するために、リピーターと新規顧客はバランスよく獲得していく必要があるのです。
値引きしすぎ、価格競争に注意する
消費者は「お得」が好き。
値引きのような「お得さ」を打ち出した施策は、集客効果が出やすいのが特徴です。
しかし、あまりにも頻繁に値引きをすると
- 通常価格での販売ではお客さまが購入してくれない
- いつも値引きしているイメージがついてしまう
というような、デメリットが生じる可能性も。
価格競争でしか勝てなくなると優良客の育成が難しくなり、売上高・利益率の低下や経営の圧迫につながる恐れがあります。
値引きを行う場合は慎重に判断しましょう。
高いクオリティの商品やメニュー、心地よい接客などを通じて、顧客の心をつかむことが重要です。
価格以外の価値を顧客に提供することで、真の意味でのリピーターを獲得し、長期的な顧客関係を築くことができます。
まとめ
この記事ではリピーターを増やすための方法や注意点などについて解説しました。
リピーターを獲得していくためには、商品・サービスに磨きをかけ、お客さまに選ばれる店舗作りを実現しなければなりません。
さまざまな施策を紹介しましたが、一番重要なのは「自分が顧客だったら、どんなお店を何度も利用したくなるか?」という顧客心理を考えることです。
効果的な施策は、お店のブランディングやターゲット層によっても異なりますので、試行錯誤する中でお店にフィットするものを見つけていきましょう。
リピーター獲得の成功は店舗の安定や成長につながります。
積極的にリピーター獲得に臨んでいきましょう。
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