商品POPやポスター、のぼりなど、さまざまな種類がある販促POP(ポップ)。
お菓子屋さんやパン屋さん、カフェ・飲食店などをはじめ、さまざまな店舗で販促ツールとして活用されています。
きっとあなたのお店でも使用していますよね。
なかでも商品のそばに置く商品POPは、店舗の売上を左右するほど大事な存在です。
「もっと上手にポップを作りたい」「どうすれば効果のあるポップが書けるの?」と悩んだことはありませんか?
この記事では商品POPの役割や、POPを作る前に決めておくこと、POP作りの基本、さらに効果を引き出すためのコツについて詳しく解説します。
あなたのお店も、POP1枚で大きな変化が起きるかもしれません。
作り方のポイントを押さえて、お店を盛り上げていきましょう!
商品POPの役割|商品とお客さまをつなぐ存在
POPを単に「情報伝達手段」と思っていませんか?
商品を買うときのお客さまの感情や心理は
- 注目
- 興味・関心
- 買いたい欲求
- 比較・検討
- 買う決断
- 購入
という順で変化していきます。
この心理の変化に着目して、POPにどのような働きがあるか、その影響力の大きさについて理解を深めましょう。
商品に注目してもらう
商品を買ってもらうためには、「1.注目」をクリアし、お客さまに商品の存在に気付いてもらわなければなりませんよね。
ただ商品が並んでいるだけの売場だと、その商品に興味がない消費者は素通りしてしまいます。
商品POPを商品のそばに置くことで、その存在を知らせ、注目してもらうことができます。
あなたも鮮やかで目立つ色合いのPOPや、「限定商品」と書かれたPOPに足を止めたことはありませんか?
このように、効果的なPOPは商品への注目を集める強力なツールです。
まるでスタッフがお客さまに声掛けしているような役割を果たしてくれます。
商品の情報を伝える
「1.注目」から「2.興味・関心」に心が動くまでには、商品の情報が必要です。
お客さまが商品を理解しやすいように、情報や特徴を端的に伝えましょう。
例えばあなたが、パン屋さんで食パンを買うとしましょう。
500円の食パンと350円の食パンが並んでいます。
パンのそばに商品名と価格が記載されたプライスカードだけが添えられていたらいかがでしょうか?
両者の違いがわからず、選びづらいと思いませんか?
この場合、価格の判断になりがちです。
500円の食パンは価格だけ見て、スルーしてしまうかもしれません。
それぞれの食パンに、商品情報・特徴が掲載された商品POPがあるといかがでしょうか?
「北海道産の小麦を使用」「生クリーム使用」などのように、その商品ならではの特徴が書かれていると、興味を持ちやすくなると思いませんか?
500円食パンと350円食パンの違いが分かれば、500円食パンを選択する可能性も高くなります。
「よくわからない」と思う商品は買いませんよね。
POPは商品の情報や特徴を適切に伝え、商品を選びやすくする役割があるのです。
購買意欲を高める
POPは情報を伝えると同時に、お客さまの購買意欲を促進する役割も持ち合わせています。
「3.買いたい欲求」から「5.買う決断」の後押しもPOPの大きな役割です。
「買いたい」という気持ちを引き出すためには、ただ単に情報を掲載するのではなく、ターゲットとなるお客さまの知りたい情報や、メリットを掲載しましょう。
先ほど例に出した500円の食パンを例に、ターゲットとなるお客さまが「グルメ層」と仮定して考えてみましょう。
グルメな人が求めているものは、「おいしさ」ですよね。
この場合のPOPにはパッと見て「おいしさ」が伝わるようなワードを掲載するとよいでしょう。
商品情報に加え、「しっとり、とろけるような絹食感」や「クリーミーで自然な甘み」などのような言葉が添えられているといかがでしょうか?
商品が持つ「おいしさ」がイメージでき、自分が食べる情景が思い浮かびませんか?
このように、お客さまが知りたい情報や、商品・メニューから得られる満足感などを伝え、
購入後の「未来の自分」を想い起こさせると、購買意欲が向上しやすくなります。
商品POPはお客さまに「商品を買いたい」と思わせ、購入を後押しする役割があるのです。
商品POPは、お客さまが商品を発見し、買う決断に至るまでの心理動向に関わる存在。
お客さまと商品を結びつけ、案内する、まるで店舗の接客スタッフのような働きをしてくれるのです。
POPの基本的な役割や種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひチェックしてくださいね。
販促POPとは?目的や役割、効果を引き出すポイントを解説
【重要】商品POP作成前に決めること
販促を目的とした商品POPを効果的に作るためには、作成前の準備がカギを握ります。
しっかりと作戦を立て、販促効果のあるPOPを作りましょう!
ターゲット層を決める
「誰に伝えるのか」を決めてからPOPを作りましょう。
ターゲットを絞れば、具体的な訴求ポイントを決めやすくなります。
売る側は「老若男女、あらゆる人に買って欲しい」と思いがちです。
しかし、ターゲットを幅広く設定すると、訴求ポイントがあいまいになるもの。
売りたいお客さま・ターゲット層を絞ることで、その層が「いいね」と思えるようなメッセージを伝えやすくなります。
お客さまからの共感度が高まり「買いたい」と思われるPOPが作りやすくなります。
訴求ポイントを決める
ターゲットに合わせ、POPの訴求ポイントを決めます。
売り手側としては、商品についてあれやこれやとおすすめしたくなるもの。
しかし、お客さまの立場からすると情報過多となり、商品の良さが伝わりません。
ターゲットを絞るのと同様に、商品の訴求ポイントも絞り込みが重要です。
訴求ポイントを決めるために、まずは商品・サービスの情報を書き出し、整理しましょう。
その中からターゲットとなるお客さまが知りたい情報や、興味を持つポイントをピックアップします。
売り手側ではなく、お客さま目線で訴求ポイントを決めることが、POP作りの基本です。
キャッチコピーを作る
訴求ポイントが決まったら、キャッチコピーを作りましょう。
キャッチコピーとは、名前の通り、お客さまを「キャッチ」するための広告文のこと。
商品やサービスの特徴や機能をわかりやすく表現することで、お客さまの興味を引くための文章を指します。
興味を引くために大切なことは、設定したターゲットとなるお客さまが「どんな満足感を得られるのか」を提示すること。
その商品・メニューを選ぶことでどんな食体験ができるのか。
おいしさや質のよさ、食べた後の満足感、流行(トレンド)を体験できるなどを、思い起こさせるような文章にできるとよいでしょう。
デザインを決める
POPに掲載する情報が決まったら、デザインを決めましょう。
同じ内容でも、POPに使う色合いやフォント、レイアウト次第で全く別物になりますよね。
店内の雰囲気とのバランスも考え、ターゲットや訴求ポイントに合わせたデザインにしましょう。
例えば、親しみある雰囲気にしたい場合は、マジックやマーカーで手書きPOPを作る。
高級感を演出したい場合は、シックで落ち着いた色合いやフォントでPOPを作る。
伝えたい雰囲気を具体的に書き出してみましょう。
デザインを決めやすくなり、商品の魅力を引き出すPOPが作りやすくなりますよ。
インターネットで配布されているフリー素材やテンプレートなどを印刷して活用するのもよいでしょう。
商品POPを作るときの注意点とその対策
POPを作るときの注意点とやりがちなミスを紹介します。
お店のPOPは当てはまっていませんか?
対策方法も一緒に紹介していますので、ぜひチェックしてくださいね。
掲載する情報にメリハリがない
POPに掲載するキャッチコピー、商品説明、商品名、商品価格などの情報。
全て同じ文字の大きさで書かれていると、「何を一番に伝えたいのか」がわかりませんよね。
メリハリのないPOPは、パッと見て情報が伝わらないので、お客さまに読まれない可能性が高くなります。
【対策】
POPに載せる情報は優先順位をつけましょう。
パッと見て15秒ほどで読める程度の情報に絞ります。
優先順位が高いものは大きめに、低いものは小さめに掲載すると、メリハリが出て、情報が伝わりやすくなります。
メリハリを出すためには余白も大事です。
適度なスペースを作ると、お客さまに伝えたい最も重要なメッセージが際立つので、足を止めてもらいやすくなりますよ。
色を使い過ぎている
POPの色、5色以上使っていませんか?
さまざまな色を使いすぎると、視線が分散してしまいがち。
何を伝えたいのかがわかりづらいPOPになってしまいます。
【対策】
ついカラフルにしたくなりますが、使う色は3~4色ほどに抑えることがおすすめです。
メインカラー、サブカラー、アクセントカラーを基本に作成します。
使用する色は店舗ブランドに合った色や、展開する商品のテーマに合った色、季節感のある色などを使用するとよいでしょう。
強調したい箇所がある場合は、色を足すのではなく、文字の大きさや太さでメリハリをつけるのもひとつの手。
統一感を保ちながら、注目度をアップさせることができますよ。
店舗・ブランドイメージに合っていない
お店の雰囲気に合っていない、ブランドイメージと異なるようなPOPになっていませんか?
POPは販促ツールですが、店頭に置くもの。
売り場の雰囲気作りを担う面を持ち合わせています。
例えば、シックで落ち着いた雰囲気の洋菓子屋さんが、ビビッドカラーの「当店人気№1!」という商品POPを使っていたら、違和感がありますよね。
その商品の売り場だけでなく、店内全体の雰囲気に不和が生まれてしまいます。
また、デザインはお店の雰囲気に合っていても、書かれている文章のトンマナがお店のイメージに合っていないこともあります。
【対策】
商品POPにも店舗のブランディングを反映させましょう。
ブランディングとは、自店舗が大切にしているコンセプトや想い、価値観をお客さまに伝えることです。
ブランディングを基にPOPを作ることで、
お店の世界観が統一され、イメージアップにもつながりますよ。
ブランディングについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてくださいね。
【飲食店向け】ブランディングとは?お客さまに選ばれるお店になるためのポイント
商品POPの効果を上げる5つのコツ
POPを作る上で注意点がわかったら、次はさらに効果を高めるためのコツに目を向けましょう。
販促に成功する商品POPは、お客さまの心を動かし、商品への興味を引き出すだけでなく、最終的には購買へと導く力を持っています。
ここで紹介するコツを意識してPOPを作ってみてくださいね。
写真やイラストを活用し、アイキャッチ力アップ!
写真やイラストの活用で視覚からアピールしましょう。
文字だけの商品POPよりも注目度が上がり、お客さまの関心を引きやすくなります。
写真はリアルな情報を伝えることができます。
例えばパンやケーキなどの断面図を載せると、言葉で伝えるのが難しい情報を、視覚的に伝えられます。
一方イラストは、親近感や温かなイメージを持ってもらうことを得意としています。
注意点は、写真やイラストを使いすぎないこと。
写真やイラストが多いとお客さまがどこを見てよいかわからず、視点がばらけるため、POPの効果がイマイチになる可能性があります。
また、店内の雰囲気とチグハグになることも。
どの商品を強調したいのか、店舗全体のバランスと調和が取れるかなどを考慮して、効果的に使いましょう。
オノマトペで「おいしさ」を表現する
オノマトペとは、擬態語(ふわふわ、もっちりなど)や擬音語(パリッ、ザクザクなど)など、音や声、物事の状態を象徴的に表現した言葉のことです。
オノマトペを使うことで、商品の味や食感、香りなどのイメージが湧き、「おいしそう」「食べたい」という気持ちを呼び起こします。
お客さまが食べる瞬間や、食べた後の余韻をイメージできるようなオノマトペを使うとよいでしょう。
プライスカードにひとこと添えるだけでも、POPの販促効果アップが期待できます。
限定性をアピールし、購入を後押し!
「季節限定」「今だけ!」「数量限定」など、限定性のあるフレーズに引かれたことはありませんか?
希少性を伝えることは、お客さまに「今買わないと」と思わせ、購入の後押しをしてくれます。
お店によっては「焼きたて」「できたて」のような、その時だけの商品の新鮮さがアピールポイントとなる場合も。
商品への期待感を高め、さらに限定性の効果で売上アップが期待できます。
「人気ナンバーワン」やランキングで商品を選びやすくする
「人気№1」「当店おすすめランキングTOP5」などはよく見かける手法ですよね。
人気である理由やおすすめである理由を添えた商品説明があると、商品の魅力がさらに伝わり、販促力がアップしますよ。
POPには、人気商品をお知らせしてアピールする役割だけでなく、お客さまに「選びやすさ」を提供する役割があります。
来店する全てのお客さまが、時間に余裕があるとは限りませんよね。
中には仕事の合間のように、急いでいるお客さまもいるかもしれません。
「人気№1」や「おすすめランキング」は、何を買えばいいか迷う時間を短縮しながらも商品提案をしてくれるPOPです。
求めている商品をすぐに探し出せれば、買い物の満足度もアップするため、顧客満足度向上も期待できます。
「スタッフの声」などの体験談で信頼性アップ!
買い物するときや、飲食店を探すときなど、クチコミやレビューを参考にしませんか?
クチコミは体験談であり、大きな説得力を持ちます。
お客さまが購入を決断するのは売り場です。
売り場にクチコミやレビューがあると、信頼性が高まり、購入決断を後押ししてくれますよ。
「店長イチ押し」「スタッフ〇〇のおすすめ」などのフレーズだけでなく、食べた感想や体験した感動を、クチコミのように書きましょう。
話しかけているような言葉で書くと、お客さまの共感度を高め、販促効果アップが期待できます。
もちろん、お客さまからのクチコミを載せるのもよいでしょう。
まとめ
この記事では商品POPの役割や、POPを作る前に決めておくこと、POP作りの基本、効果的な書き方のコツについて解説しました。
商品POPはお客さまが商品を見つけ、購入を決断するまでを後押ししてくれる、サービススタッフのような存在です。
効果的な商品POPを作るには事前準備が大事。
いきなり作らずに、
- ターゲット層を決める
- 訴求ポイントを決める
- キャッチコピーを決める
- デザインを決める
というステップを踏むと、確度の高いPOPが作りやすくなります。
商品POPは「見る」ものです。
パッと見て情報が伝わりやすいようなレイアウトで作成しましょう。
また、商品POPは店内の雰囲気作りに影響を及ぼします。
ブランディングを反映させ、店舗にマッチしたPOP作りが大切です。
POPは工夫次第でお客さまの心をつかむ強力な販促ツールになります。
今回ご紹介したPOP作りのポイントやコツをぜひ取り入れてみてくださいね。
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