長い「コロナ禍」から抜け、長期休暇の行動制限解除や感染防止対策の緩和などもあり、飲食業界の消費者行動の復活が期待された2023年上半期。
あなたのお店の状況はいかがでしたでしょうか?
他の店舗の状況についても気になるところですよね!
コッタビジネスでは法人会員さまに向けて、2023年上半期の振り返りとトレンドに関するアンケートを実施し、
どんなメニューが好調だったのか、2023年下半期はどんなメニューに注目しているかなどの情報をまとめました。
2023年下半期の店舗運営のヒントとなる耳より情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
(この記事は2023年9月に作成しました。)
調査概要
- 調査項目:2023年上半期店舗状況アンケート
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:コッタビジネス会員
- 回答者数:483人
- 調査時期:2023年8月8日~8月18日
※こちらの調査結果を引用・転載する際は「コッタビジネス調べ」とクレジットに明記するようお願いいたします。
WEB上で引用する場合には、「シェフペディア by cotta business」(https://www.cotta.jp/business/chef-pedia/)のリンクを付与してください。
今回アンケートにご協力いただいたコッタビジネス会員さまの業種は以下の通りです。
2023年上半期を振り返り!約4割が「売上維持」
最初に、2023年上半期のお店の売上状況について質問しました。
一番多かった回答は「売上維持(前年±0)」の39.5%で、全体の約4割の回答がありました。
「とても好調(前年+20%以上)」が4.3%、「好調(前年+20%以内)」が21.1%と、25.4%の店舗が「売上好調」と回答。
「減少(前年-20%以内)」は13.8%、「かなり減少(前年-20%以下)」は3.7%で、17.5%の店舗が「売上減少」との回答でした。
全体的には「売上減少」を「売上好調」が上回る結果となりました。
2023年5月から新型コロナウィルス(COVID-19)が5類へ移行されたこともあり、店舗への来店の増加傾向がアンケートの結果からうかがえます。
【業種別】2023年上半期、売れ行き好調のメニューは?
次に、2023年上半期、売れ行きが好調であったメニューについて伺いました。
菓子、パン、カフェ・飲食の業種別でご紹介します。
お菓子屋さんではクッキーなどの焼き菓子が好調!
回答数272のうち約半数の147店舗が、焼き菓子系の商品が好調であったとの回答でした。
「タルト、ケーキ」などの生菓子は35店舗、「プリン、シュークリーム」は17店舗、「和菓子」13店舗、「健康志向のお菓子」が12店舗、「レモンを使ったお菓子」が7店舗との結果となりました。
「焼き菓子」と回答のあった147店舗中、「クッキー缶やアイシングクッキーなど、クッキー系商品」との回答が61店舗と、大きな割合を占めていました。
他の焼き菓子は票が分かれましたが、「スコーン」が17店舗、「シフォンケーキ」が13店舗、「パウンドケーキ」が13店舗との回答があり、王道焼き菓子が好調であることがうかがえます。
こちらの回答結果とリンクするように、コッタビジネス内でも焼き菓子販売に使用する「鮮度保持剤」や「ガス袋」は毎年売り上げが増加傾向です。
特に去年から今年にかけて大きく伸長しています。
焼き菓子を販売されているお店、これから販売予定のお店の方はぜひチェックしてみてくださいね。
鮮度保持剤はこちらをチェック!
ガス袋はこちらをチェック!
パン屋さん
59店舗の方に回答いただきました。
内訳は以下の通りです。
- 甘い菓子パン系:16店舗(27%)
シナモンロール、チョコスコーン、芋パン、あんバターフランス など
- 食パン:13店舗(22%)
- ベーグル:9店舗(15%)
- 総菜パン系:7店舗(12%)
タコス、野菜を使ったパン、焼きカレーパン など
- クロワッサン:3店舗(5%)
- バゲット:3店舗(5%)
- その他:8店舗(14%)
カフェ・飲食
カフェ・飲食業では126店舗の方に回答いただきました。
- 焼き菓子:38店舗(30%)
クッキー、スコーン、マフィン など
- 生菓子:27店舗(21%)
ケーキ、プリン、シュークリーム など
- お食事系メニュー:27店舗(21%)
カレー、ハンバーグ、モーニングセット など
- ドリンク:12店舗(10%)
- パン、パンケーキ、キッシュ:8店舗(6%)
- パフェ、かき氷:5店舗(4%)
- 和菓子:3店舗(2%)
- 特になし:6店舗(5%)
【業種別】2023年上半期、新しく販売を始めた新メニュー
次に、2023年上半期の新メニューについて伺いました。
菓子、パン、カフェ・飲食の業種別でご紹介します。
お菓子屋さん
272店舗の方からご回答いただきました。
新メニューの内容は以下の通りです。
- 焼き菓子:73店舗(27%)
クッキー系(23店舗)、スコーン(9店舗)、パウンドケーキ(4店舗) など
- 生菓子:41店舗(15%)
チーズケーキ(9店舗)、桃のケーキ、フルーツタルト など
- 米粉やプラントベースなど、健康志向のお菓子:18店舗(7%)
米粉のクッキー、マフィン、アレルギー対応菓子 など
- パフェ、かき氷:13店舗(5%)
- 和菓子:10店舗(4%)
- その他:32店舗(12%)
レモンを使ったお菓子、ドーナツ、グラノーラ など
パン屋さん
59店舗の方に回答いただきました。
新メニューのジャンル内訳は以下の通りです。
- 菓子パン系:21店舗(36%)
レモンチーズマフィン、シュトーレン、カヌレ など
- 食パン、テーブルロール:6店舗(10%)
- ベーグル:5店舗(8%)
- 総菜パン系:7店舗(12%)
野菜を使ったパン、サンドイッチの拡充、カレーパン など
- その他:8店舗(14%)
全粒粉を使ったパン、米粉を使ったパン、ドリンク類 など
カフェ・飲食
カフェ・飲食業では128店舗の方に回答いただきました。
回答の内訳は以下の通りでした。
- 焼き菓子:19店舗(15%)
クッキー、スコーン、マフィン など
- 生菓子:17店舗(13%)
ケーキ、プリン、シュークリーム など
- ドリンク:16店舗(12%)
スムージー、フラッペ、クリームソーダ など
- パフェ、かき氷:14店舗(11%)
- 米粉やプラントベースなど、健康志向のメニュー:11店舗(9%)
ヴィーガンの焼き菓子、小麦・たまご・乳成分不使用の焼き菓子 など
- お食事系メニュー:9店舗(7%)
スパイスカレー、桃のパスタ、ナポリタン など
- パン、パンケーキ、キッシュ:9店舗(7%)
- 和菓子、他:8店舗(6%)
- 特になし:25店舗(20%)
「トレンド」と感じているメニューは「健康志向のメニュー」!
店舗での販売の有無は関係なく、「トレンド」だと感じているメニューについて質問しました。
アンケートの結果から、「健康志向のメニュー」に注目している店舗が多いことが分かりました。
各スーパーさまをのぞいてみても、プラントベースフード商品が増えている印象がありますよね。
近年食の健康志向ブームが加速しており、今後も続くことが予想されます。
その流れをひしひしと感じている我々cottaが、「おいしくって、健康で、環境にもやさしい。」をテーマに新しく
cotta tomorrow サイトを立ち上げたのも2023年上半期でした!
アンケートを実施したのが8月ということもあり、「かき氷」「パフェ」の注目度も高かったです。
「ドーナツ、生ドーナツ」や、「ニューヨークロール、シュプリームクロワッサン」などのアメリカンスイーツに関心を持つ店舗も見られました。
健康志向メニュー:49店舗
- ヴィーガン・プラントベースのメニューやスイーツ
- ギルトフリーなスイーツ
- 米粉を使ったお菓子
- 全粒粉を使用したパン
- 発酵食品を使用したメニュー
- 葛を使ったお菓子
など
プラントベースのお菓子づくり・パン作りについてはこちらをチェック!
冷たいスイーツ:36店舗
今年もパフェは人気メニュー!
特に、桃やマスカットなどの季節のフルーツをふんだんに使った、見栄えのいいパフェが注目を集めていました。
パフェレシピの特集はこちらをチェック!
アメリカンスイーツ:35店舗
- ドーナツや生ドーナツ:19店舗
- シュプリームクロワッサン(ニューヨークロール):16店舗
健康志向のメニューとは反対に、ハイカロリーなアメリカンスイーツへの注目も高まっています。
シュプリームクロワッサンとは、クロワッサン生地を渦巻き状に巻いて焼き、チョコレートなどでデコレーションした、ニューヨーク生まれのスイーツです。
cottaコラム「
【NYで話題沸騰!】シュプリームクロワッサンのレシピ・作り方」もぜひご覧ください。
レシピのポイントについてもお話ししています。
その他
- カヌレ、カヌレの派生系お菓子(パヌレ、シュヌレ):20店舗
- 抹茶や芋など、和の素材を使用したスイーツ:17店舗
- レモンを使用したお菓子:9店舗
- 映えるメニュー:6店舗
- 韓国メニュー:6店舗
- パンスイス:2店舗海外のお菓子や料理(台湾、イギリス、中東など)
トレンドリサーチに使う媒体は? 7割以上が「Instagram」
トレンドリサーチをするときに使う媒体についてうかがいました。
Instagramの使用率が高く、74.4%との回答。
次に「ネット検索」が48.1%、「WEBサイト」が45.2%で、トレンドリサーチのほとんどがオンラインからであることがうかがえます。
オーナーさまのInstagram使用率が高いのと同様に、お客さまが行くお店を選ぶとき、トレンドリサーチをするときにInstagramを活用することが想像できます。
今の時代、情報収集でSNS活用は欠かせませんね。
シェフペディアにおいても、SNSの活用事例についての記事を公開していますのでチェックしてくださいね。
【飲食店】SNSを集客に活用!メリットやデメリット、成功のコツを徹底解説
2023年下半期、特に力を入れたいことは「新メニュー開発」
2023年下半期に、「特に力を入れたい点」を質問したところ、「新メニュー開発」との回答が全体の60.7%という結果でした。
新メニュー開発への関心の高さが分かります。
次点で「仕入れ見直し」が40.5%で、2023年に入ってから加速した物価高騰の影響がうかがえます。
続いて「SNSアカウント作成/更新」が30%、「自社ホームページ作成/更新」11.2%、「人財採用」5.2%、「その他」10%という結果でした。
新メニュー開発
- お客さまがほぼ常連さまなので新しいメニューを考えたい。 (パン)
- 毎年の期間限定メニューに加え、その年の1シーズンのみの期間限定品も登場することで、目新しさと購買意欲の向上につながるから。 (カフェ・飲食)
- 物価の高騰につき、日持ちする商品を増やし、日持ちしない商品を減らす。 (菓子)
- ヴィーガンのお客さまの増加。 (カフェ・飲食)
- アレルギーの方からのご要望にお応えしたいから。 (菓子)
仕入れ見直し
- 物価高騰により、少しでも仕入れ値を抑えるため。 (菓子)
- 物価高により、売上増より経費の見直しの方が効率いいと思ったから。 (菓子)
- オーガニックや植物性のものを使いたい。 (カフェ・飲食)
SNSアカウント作成/更新
- SNSからの問い合わせが増えているため。 (菓子)
- どれだけ認知されるかが大事だからSNSに力を入れたい。 (菓子)
- イベント出店の告知のため。 (パン)
その他
- インターネット需要があるため、販売形態を見直す。 (菓子)
- 機会損失の軽減のために流通温度や包装や賞味期限の変更、見直し。 (パン)
- オンライン販売だけだったが、コロナ禍も緩和傾向なので実店舗販売をする。 (菓子)
2023年下半期に開発を考えているメニューは?
最後に、2023年下半期に開発を視野に入れているメニューについて伺いました。
アンケートの結果から、多くの店舗でトレンドである「健康志向メニュー」の拡充を予定している傾向が見えました。
健康志向なメニュー
- ヴィーガンメニュー。 (カフェ・飲食)
- グルテンフリーやヴィーガン、低糖質低糖質等の特徴のあるお菓子。 (カフェ・飲食)
- プラントベースのケーキ。 (カフェ・飲食)
上記のように健康志向メニューとの回答は47店舗ありました。
季節を意識したメニュー
- 秋冬の果物を使ったスコーン。 (菓子)
- かぼちゃスイーツ。 (カフェ・飲食)
- クリスマスケーキ。 (菓子)
- シュトーレン。 (パン)
上記のようにシーズンメニューの開発をすると回答した店舗は73店舗ありました。
これからハロウィンやクリスマスなど年末にかけてイベントが盛りだくさんの季節になりますね!
ハロウィンアイテムのご準備はこちらから!
『お店を彩るハロウィンアイテム&レシピ 2023』
クリスマスの人気トレンド!「シュトーレン」のご準備はこちらから
『シュトーレン特集 2023』
その他
その他、以下のようなご回答もありました。
- クッキー、クッキー缶:16店舗
- 焼き菓子:17店舗
- ニューヨークロール、シュプリームクロワッサン:3店舗
- バターサンド:2店舗
ほか
まとめ
2023年上半期は、アフターコロナで店舗への客足が戻りつつも、原材料価格の高騰が店舗経営に影響を及ぼしていることがうかがえました。
2023年下半期、トレンドとして多くの注目を集めているのは、米粉やプラントベースの素材を使用したメニュー。
既に開発メニューの予定としている店舗も多数見受けられました。
下半期も物価高が続くと予想されますが、トレンドやお客さまの要望などを取り入れながら、経営のかじを取っていきましょう。
今後も『シェフペディア』ではトレンドやお役立ち情報を発信していきますので、ぜひチェックしてくださいね!
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