cotta
へ戻る

シェフぺディア

お菓子屋さん・パン屋さんのための 開業・経営ノウハウ情報サイト

カフェ・飲食業の採用基準の決め方は?お店に合う人材で売り上げアップ!

date
2023/12/12
writer
コッタビジネス編集部
category
育成 > 採用
お店の成功は働く「人」にかかっています。 しかし、優秀なスタッフを見つけ、定着させることは簡単なことではありませんよね。 店舗スタッフの採用活動において、採用基準を設定していますか? 採用基準を明確にすることで、お店にぴったりの人材を採用しやすくなります。 この記事では、飲食店において採用基準を設定する重要性やそのポイント、注意点について解説します。 適切な人材を選ぶことで、お店の魅力を最大限に引き出し、売上アップを目指しましょう。

採用基準とは?

採用基準とは、企業や店舗が新しいスタッフを採用する際に設定する、必要なスキルや資質、経験などの基準のことです。 これらの基準は、応募者が業務に適しているかどうかを判断するための重要な指標となります。 飲食業界では、技術的なスキルだけでなく、スタッフ間のチームワークや顧客サービスに対する姿勢も重要視されます。 採用基準を明確にすることで、効率的かつ効果的な採用プロセスを実現し、店舗の運営や売上アップに貢献する人材を見つけられます。 単に優秀な人材かどうかだけではなく、「自店舗にとって」よい人材かどうかを見極めることが重要です。 採用基準は、店舗の業態やコンセプトに合わせて決める必要があります。
カフェ・飲食業の経営課題の1つである人材採用。 人材採用の基本や成功のコツについて、こちらの記事で解説していますので、ぜひチェックしてくださいね。 カフェ・飲食業スタッフ人材採用の基本|失敗の原因や成功のコツを紹介!

どうして採用基準が必要なの?設定する目的とは

採用基準を設けることには、以下のようなメリットがあります。

人材と店舗のミスマッチを防ぐ

採用基準を設けることで、自店舗の価値観や職場環境に合わない人材を選んでしまうリスクを減らせます。 例えば、職歴や経歴を重視してスタッフ採用をしたとします。 個人の能力は高くても職場になじめなかった場合、早期離職する可能性があります。 スタッフとの相性や働く環境が合わないと、仕事へのモチベーションの低さ、サービスの品質低下などの問題が生じる原因に。 これらの問題はお客さま満足度を下げる要因であり、売上ダウンにもつながる恐れがあります。 採用基準は求職者と店舗間の価値観のズレやミスマッチを防ぐために重要なのです。

選考の判断がスムーズになる

求人に対する応募者数が多い場合、採用担当者は多くの面接を行うことになります。 採用基準が明確になっていると、応募者を評価する際の判断基準がはっきりし、選考プロセスがスムーズに進行します。 経歴やスキル、性質などの合否判断がしやすくなり、選考の効率化や正確性を高められるのです。 適切な人材を迅速に見つけられるため、採用活動の効率化にもつながります。

誰が担当しても同じ条件で採用できる

採用基準が明確であれば、採用の担当者を変更する場合や、複数人で採用を担当する場合でも、同じ基準で応募者を評価できます。 公平で均一化された採用ができるため、人材と店舗との一体感が生まれやすくなるのです。

採用基準の決め方・ポイント

採用基準は次の5つのポイントを意識すると策定しやすくなります。

採用の目的を定める

最初に採用の目的を明確にしましょう。 新たな人材が必要となった理由によって、重視する採用基準が異なるからです。 例えば、以下のようなことが考えられます。

  • お客さまが増えてきて人手が足りないため、サービス向上のために人材が欲しい
  • 卒業シーズンで学生アルバイトが辞めるため、補填しなければならない
  • 製造スタッフが退職するため、同じレベルのスキルを持つ人材が必要
  • ベテランの接客スタッフが抜けるため、主体性があるリーダー格の人材を探す

それぞれで、必要な人材像が異なりますよね。 採用活動は経営戦略の一部です。 自店舗にどのような課題があり、解決のためにはどのような人材が必要なのかを確認しましょう。

必要な勤務時間帯や日数を洗い出す

お店に必要なシフト時間帯や日数を把握しましょう。 アルバイトやパートとして応募してくる学生や主婦層は、働ける時間に制限がある可能性があります。 経営する上で確保したい勤務時間帯や日数を明確にし、応募者の希望とマッチするかどうかを確認できるようにしておきましょう。

コンピテンシーモデルを作成する

「コンピテンシー」とは、高い成果を出す人材に共通する行動特性のことです。 コンピテンシーは店舗によって異なります。 店舗で優れたパフォーマンスを発揮しているスタッフの共通点を見つけましょう。 スタッフの性格や特徴、行動などを観察・分析します。 スタッフの行動そのものだけでなく「なぜそのような行動をとったのか」という考え方の部分に着目することがポイントです。 スタッフが持つ特徴やスキル、価値観、コミュニケーション能力などを整理し、採用基準の一部に取り入れます。 コンピテンシーモデルを参考に採用基準を設定することで、成功しているスタッフの特性を新たな人材にも求めることができるのです。

採用する人材像を定める

店舗に求める理想のスタッフ像を明確にするために、採用したい人材像(ペルソナ)設計を行いましょう。 採用する人材の性格や求めるスキル、経験などを具体的に書き出します。 スキルだけでなく、人柄や性質も考慮しましょう。 ペルソナ設計をすることで、採用活動がより目的に沿ったものとなります。 定めたペルソナは採用の関係者全員に共有しておきましょう。

採用の必須条件を洗いだし、優先順位をつける

これまでに挙げた項目を全てまとめ、必須となる条件や優先順位を決めましょう。 採用基準を作成するとき、ついつい「あれもこれも」と基準に組み込みたくなるかもしれません。 しかし、全ての条件を詰め込むと、非現実的な採用基準が出来上がってしまいます。 採用基準を決める際は、人材に求める条件の優先順位を選定することがポイントです。 条件をある程度しぼることで、基準が過度に厳しくなることを回避します。 評価が僅差の応募者から合格者を選ばなければならないとき、優先順位を選考の判断材料にもできます。

採用基準を決めるときの注意点

採用基準を設定する際には、以下の注意点を考慮しましょう。

定量的な評価基準を設定する

採用基準に基づいた評価をする際に、数字を用いて定量的な評価方法にすると、採用担当者が評価しやすくなります。 例えば、項目ごとに

  • 基準を満たしている:3
  • 普通:2
  • 基準を満たしていない:1

というように3~5段階ほどで評価します。 評価基準を明確にすることで、客観的かつ一貫性のある評価ができるのです。

厚生労働省の「公正な採用選考の基本」にのっとる

採用基準を設定する際には、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」にのっとることも大切です。 採用選考の基本的な考え方として、

  • 応募者の基本的人権を尊重すること
  • 応募者の適正・能力に基づいた基準によりおこなうこと

の2点を考慮して実施します。 採用選考の際に配慮すべき事項として、下記のような項目が挙げられています。
【本人に責任のない事項の把握】 ・本籍・出生地に関すること ・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など) ・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など) ・生活環境・家庭環境などに関すること 【本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握】 ・宗教に関すること ・支持政党に関すること ・人生観、生活信条などに関すること ・尊敬する人物に関すること ・思想に関すること ・労働組合(加入状況や活動歴など) 、学生運動などの社会運動に関すること ・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること 引用:厚生労働省 「公正な採用選考の基本
採用基準が法令や労働基準に適合し、差別的な要素がないことも確認しておきましょう。

採用基準は定期的に見直す

設定した採用基準は定期的に見直しましょう。 特に採用活動のプロセスに不具合があるときは見直しが必要です。 例えば

  • 選考通過者が極端に少ない
  • 採用後の定着率が低い

というような場合は採用基準が適していない可能性があります。 採用活動が終了したら、それぞれのプロセスを振り返ります。 設定した採用基準が反映されていたかどうかもチェックしましょう。

採用基準を用いて人材を見極める方法

採用基準を用いた書類選考・面接選考の各段階における人材の見極め方を解説します。

書類選考での見極めポイント

書類選考の段階では、経験やスキルなど、定量的な項目の採用基準を選考します。

  • 絶対に外せない条件 (MUST条件)
  • あれば望ましい条件 (WANT条件)

具体的には下記の流れでスクリーニングします。

  1. MUST条件を満たした応募者のみ抽出する
  2. そのなかでWANT条件を満たす項目が多い順から応募者を順位付けする

MUST条件とWANT条件を設けることで、書類選考の通過者が極端に少なくなることを防げます。

面接選考での見極めポイント

面接段階では人柄や印象、価値観や意欲など定性的な項目で判断します。 面接担当者によって評価がばらばらにならないよう、採用基準を面接評価に落とし込むことが重要です。 応募者を客観的に評価できるよう、面接時に確認する「評価項目」と「評価基準」を一覧にした面接評価シートを作成した上で、面接を行うことがおすすめです。 【例】

まとめ|採用基準を定め、お店にぴったりの人材を見つけよう

採用基準を設定することによって、お店にフィットする人材を採用しやすくなります。 反対に、明確な採用基準がない場合は、現場やスタッフ間のミスマッチが生じ、早期離職になる可能性が高くなります。 採用基準を設定する際は、最初に採用目的を明確にしましょう。 目的を念頭に、必要な勤務時間帯の洗い出しやコンピテンシーモデル作成を行い、その内容に基づいて基準を決めます。 満たすべき基準の優先順位を決めることがポイントです。 お店に合った人材を採用することは、お客さま満足度のアップや店舗の成長につながります。 ぜひ、お店に合った採用基準を設定した上で採用活動に臨んでくださいね。
コッタビジネスは、全国のパティスリー・ベーカリー・カフェ飲食業種の皆さまにご利用いただいている仕入れサイトです。 食材はもちろん、包装資材や消耗品など、 製造・店舗運営に関わる商材を取り扱いしています。 法人会員さま限定のメールマガジンをお届けしますので、ぜひチェックしてくださいね! >> コッタビジネスご登録はこちらから

食材・材料・道具を探す

注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

おすすめ PICK UP!

カフェ・飲食業の採用基準の決め方は?お店に合う人材で売り上げアップ!