編み成形で作る伝統的なパン・ツォップ
編みこまれた形状が特徴のツォップ。
見た目にも華やかで、魅力的なパンですよね。
今回のコラムでは、甘みを感じる生地で焼き上げた食べやすいツォップレシピと、レーズン入りのアレンジレシピをご紹介します。
はじめは難しく感じる編み成形ですが、一緒に覚えていきましょう。
ツォップ(Zopf)とは
ツォップとは、ドイツやスイスにおいて、日曜日の朝に食べられる伝統的なパン。
「ツォップ」という言葉は「編み込んだ髪」という意味を持ち、その名の通り、細長く伸ばしたパン生地を編み込んで作ります。
本来は甘くないツォップ。
現在ではレーズンやオレンジピール入りのもの、ワッフルシュガーやアーモンドをトッピングしたものなど、アレンジも多様になってきています。
ツォップのレシピ(2個分
ツォップの成形は、生地を2本使って編むものから8本使うものまであり、編み方によって見た目やボリュームも変わります。
ここでは、生地を2本使った四つ編み成形を詳しく解説します。
材料)
- リスドォル…300g
- 砂糖…30g
- 塩…5g
- 耐糖性インスタントドライイースト…4g
- スキムミルク…12g
- 全卵…45g
- 水…140g
- 無塩バター…42g
作り方
- 粉類をホイッパーで混ぜておき、全卵と水を粉類と混ぜてこねる。
- 生地の表面がきれいになるまで10分間ほどこねたら、常温に戻した無塩バターを混ぜて、再度10分間ほどこねる。
- 30℃で60分間程度、生地が約2倍の大きさになるまで一次発酵する。
- 生地を4等分にして、丸く形を整えて15分間ベンチタイムを取る。
- 生地を伸ばして三つ折りにして、さらに二つ折りにする。
- 手のひらで転がし、約45cmに伸ばす。
- 伸ばした生地を縦(a-b)に置き、もう一本を上から横向き(c-d)にのせ、十字にする。
- (a)を上から下に持ってきて、(b)の下に通す。
- (c)を(a)の下に通す。
- (d)を(b)の上に重ねる。
(d)を(c)の下に通す。 - 端まで編み込めたら生地を重ね、指で押さえて裏側に折り返す。
- 35℃で30分間程度、生地がひとまわり大きくなるまで二次発酵する。
- はけを使って生地に溶き卵を塗る。
- 190℃に予熱したオーブンで18分間焼成して、完成。
ポイントは、真ん中は太め、両端は細めに伸ばすこと。
残りも全て同じように伸ばしていく。
*生地が伸びにくければ、乾燥しないようにラップやぬれ布巾をかぶせ、休ませながら行う。逆に生地がダレて、しわになってしまうときは、生地を二つ折りにしながら伸ばしていく。
8~10を繰り返し、生地の端まで行う。
*このとき生地をきつく編みすぎないようにする。
成形できました。
*このとき、はけは寝かせるようにして優しく塗る。
レシピのポイント
ツォップの特徴は何といっても編み成形。
焼き上がったときにきれいな編み模様を出すための注意点は三つ。
- 生地を細長く伸ばすときに、しわがよらないようにする。
- きつすぎず、ゆるすぎず、ちょうどいい加減で編んでいく。
- 適切に発酵を見極める。
編み成形は見た目の美しさだけでなく、引きを感じる食感を生み出す効果もあります。
動画でおさらい
リベイクして食べるのもおすすめ
糖分や卵が含まれている生地はリベイクするときに焦げやすいので、焼き時間は短めがおすすめです。
焼き戻すと、たっぷり入ったバターの香りが引き立ちますよ。
アレンジレシピ:レーズン入りツォップ
追加の材料(ツォップ2個分)
- レーズン…100g
- アーモンドスライス…適量
作り方
- こね上がった生地にレーズンを加えて、「ツォップレシピ」と同じように成形する。
- 二次発酵後の生地に卵を塗り、アーモンドスライスを散らす。
- 焼き上がり。
生地にたっぷり霧吹きをして焼成する。
このレシピのポイント
- レーズンは湯通しして、冷ましたら水気をしっかり切っておく。
- レーズンを生地と合わせる際は、つぶれてしまわないように注意。
- レーズンが表面に出ていると焼いたときに焦げてしまうので、成形時に飛び出てきたレーズンは、なるべく生地の中に入れ込むようにして成形していく。
こね終わった生地に、最後にレーズンを混ぜ込む。
甘くてみずみずしいレーズンが、ツォップの生地とよく合います。
アーモンドの香ばしさと食感もアクセントになり、とてもおいしいですよ。
おわりに
編み成形はマスターできたでしょうか。
本場の伝統にならって、日曜日の朝にツォップとともにモーニングを楽しみましょう♪