仕込み水の牛乳を豆乳に置き換えると?
牛乳を仕込み水にして作るミルク風味のパンは、やわらかでおいしいですよね。
その牛乳を、見た目が似ている豆乳に置き換えたら、同じようなパンを作ることができるのでしょうか?
今回は、牛乳と豆乳でパン生地を作り、生地の状態から焼き上がりまでを比べてみました。
比較に使用するレシピ
条件
- 仕込み水は、牛乳100%と豆乳100%。
- その他の材料は全て同じ。
- 仕込み水の温度やこね上げ温度は同じになるよう調整。
材料
- 強力粉…100g
- イースト…1.5g
- 塩…2g
- 砂糖…10g
- 油脂…7g
- 豆乳または牛乳…70g
作り方
- こね
- 一次発酵
発酵器を利用し、35℃で1時間ほど。 - 分割、丸め
- 成形
- 二次発酵
- 焼成
仕込み水(豆乳もしくは牛乳)の中にイーストを入れて混ぜる。
粉・塩・砂糖・油脂を加えて混ぜ、10分間ほど置いてからこねる。
60gに分割。
軽く丸め直して、カップに入れる。
発酵器を利用し、35℃で35分間。
軽く粉を振り、180℃のガスオーブンで12分間。
比較してみた
こね
牛乳
- のびが良くこねやすい。
- 生地のベタつきはない。
豆乳
- かためでのびにくく、水分が若干足りないような感じ。
- こねるときには、かなり力が必要。
- 生地のべたつきはない。
一次発酵後
牛乳
- 色は真っ白。
- ふっくらしている。
豆乳
- 色が黄色っぽい。
- 弾力がありそうな感じ。
- 牛乳に比べ、発酵のスピードが若干早い。
*発酵器内の温度差がわずかにあるので、豆乳のほうが早いとは言い切れません。
分割、丸め
牛乳
- 空気を含んでいてフワフワ。
- かたさはなく、やわらかい。
- べたつきはなく、丸め作業がやりやすい。
豆乳
- かなりしっかりとした生地。
- 空気を含んで膨らんでいるが、ひきが強い。
- しっかり丸め直してとじないと、とじ目が開きそう。
- べたつきはない。
成形
牛乳
- やわらかく、丸めやすい。
豆乳
- しっかりとしていて弾力がある。
二次発酵
前
後
ほぼ同じ状態に発酵。
どちらかの発酵が遅い・早いという差はない。
比べると、牛乳の高さが1mm程度低いようにも見える。
焼き上がり
牛乳
- 高さ6.1cm。
- 釜伸びして高さもで出る。
豆乳
- 高さ5.7cm。
- 牛乳に比べると焼き色が付きやすい。
二次発酵では同じくらいに膨らんでいたことを考えると、豆乳はあまり窯伸びしていませんね。
牛乳のほうには、オーブンに入ってから生地がのびたことを示す白いラインが入っています。
断面
牛乳
- 釜伸びしたのもあり、詰まりはなくきれいにのびている。
- 内層のきめも整っている。
- 色が白い。
豆乳
- 釜伸びしていない分、詰まった感じ。
- 生地が丸めにくかったこともあり、内層は牛乳に比べると粗い。
- 色が黄色っぽい。
味
牛乳
- ミルク感があり優しい味。
- 内層、クラスト共にやわらかい。
豆乳
- ほんのり甘く、豆乳の味が感じられてコクがある。
- クラストは牛乳に比べてしっかりしている。
まとめ
豆乳のみを仕込み水にすると、生地が重くなり膨らみが悪くなるようです。
牛乳100%のレシピを全て豆乳にするのではなく、仕込み水の一部を豆乳にするのがよいのではないでしょうか。
水と牛乳でこねているレシピを、豆乳に置き換えるというイメージですね。
仕込み水の一部を豆乳に変更し、膨らみが若干低くなるということを意識してもらえたら、失敗なく作れると思いますよ。
豆乳の良さを生かしたパンレシピ
豆乳と水が同量の仕込み水で作る、バンズのレシピをご紹介します。
豆乳の効果で生地がしっかりするため、べたつかずこねやすいのが◎
水を入れることで、釜伸びしてボリュームもアップします。
「豆乳バンズ」の詳しいレシピページはこちら。
シンプルな配合で作るコクのあるバンズ。
ぜひお好きな具材でハンバーガーをお楽しみください♪
豆乳+水の組み合わせがおすすめ
パン作りに豆乳を使うなら、仕込み水の一部を置き換え、水と一緒に使用するのがおすすめ。
豆乳の良さを生かしたおいしいパンが作れますよ。
参考にしていただけたら幸いです。