ドイツの主食・ライ麦パン
ドイツは、気候的にほとんどの地域で小麦の栽培が難しかったことから、ライ麦を使ったパンが主食。
今回は、ドイツのライ麦パンについて詳しく解説し、おすすめのレシピや食べ方をご紹介します。
これを読めば、ライ麦パンに詳しくなれますよ♪
ライ麦の特徴は?
ライ麦粉は小麦粉と比べてカロリーや糖質が低く、ビタミンB群や食物繊維、ミネラルなどの栄養素が豊富。GI値は小麦や白米よりずっと低く、ダイエットにも最適だといわれています。
パンに使用する際に気になる、ライ麦粉の特徴を見ていきましょう。
グレー色で香りが強い
独特の酸味と深い味わいがある。
粗びきタイプを使うと、プチプチとした食感を楽しむこともできる。
小麦粉よりも糊化しやすい
粘り気がありベタベタした生地になる。
水和能力が高く、吸水性が良い
しっとりモッチリした生地になる。
グルテンができない
発酵により発生するガスを保持する力が弱いため、目の詰まったどっしりとしたクラムのパンに仕上がる。
ライ麦パンの分類
ライ麦は小麦と違いグルテンを作ることができません。そのため、ライ麦を使ったパンは小麦を混ぜて作ることが多く、その配合によって味わいや食感に違いが。
味の指標として「ライ麦比率○○%」と表示されることが多く、
- ライ麦の比率が高ければ、重たい食感の生地で酸味も強め
- ライ麦の比率が低ければ、比較的ふわっと軽い食感の生地で酸味も弱め
となります。
分類は、ライ麦の比率が高い順に大きく5つ。
ライ麦比率90%以上
Roggenbrot(ロッゲンブロート)
ライ麦比率50~90%未満
Roggenmischbrot(ロッゲンミッシュブロート)
ライ麦比率50%
Mischbrot(ミッシュブロート)
ライ麦比率10~50%未満
Weizenmischbrot(ヴァイツェンミッシュブロート)
ライ麦比率10%未満
Weizenbrot(ヴァイツェンブロート)
長くて複雑に見えるパンの名前ですが、実は単語の組み合わせでできています。
- Roggen(ロッゲン)=ライ麦
- Weizen(ヴァイツェン)=小麦
- Mischen(ミッシュ)=混ぜる
- Brot(ブロート)=大型パン
- Broetchen(ブレートヒェン)=小型パン
これらを覚えておくと、パン屋さんでもイメージが湧きますね。
ドイツのパンは他にも、大型パン・小型パン・菓子パンなどでも分けられています。
ロッゲンミッシュブロートのレシピ
今回はサワー種を起こさなくても焼ける、ライ麦比率60%のロッゲンミッシュブロートのレシピをご紹介します。
材料(20cm×8cm×6cmパウンドケーキ型1台)
- 強力粉…120g
- ライ麦粉…180g
- インスタントドライイースト…4g
- きび砂糖…7g
- 塩…6g
- オリーブオイル…15g
- 仕込み水…210g
- ライ麦粉(成形用)…適量
下準備
- 仕込み水は人肌程度に温めておく。
- 型にショートニングを塗っておく。
作り方
- 強力粉~塩まではボウルに、オリーブオイルと仕込み水は別の容器に計量する。
- 粉類を泡立て器でよく混ぜる。
- 仕込み水とオリーブオイルを加えゴムベラでよく混ぜ、ひとまとめにする。
- ボウルの中で生地をこねる。
- ボウルの中で3か所ほどのばして二つ折りの作業をしたら、生地をボウルに押し付け平らに整える。この作業を繰り返し、5分間ほどこねる。
- こね上がったらゴムベラで生地を丸く整え、30℃で15分間休ませる。
- 成形。
- 生地の表面にライ麦粉をたっぷり振り、手でなでてしっかり粉を付ける。
- 生地を型に入れて手で整え、表面が緩やかなドーム状になるようにゴムベラで整える。
- ラップをかけず、室温で10分間発酵。
- オーブンの発酵機能30℃で15分間。
- 250℃のオーブンで25~30分間焼く。
ゴムベラでのびるところまで生地を持ち上げ、ちぎれる寸前で二つ折りにする。
最終的に下の画像くらいのびのいい生地になります。
生地の上にライ麦粉を振り、スケッパーで周りの生地を軽く剥がしてからボウルを逆さにして生地を出す。
縦20cm×横16cmほどに手で優しく広げる。
ひと巻きして芯を作り、巻き終わりと両サイドをとじる。
表面に薄っすらヒビが見えはじめる。
オーブンから出したらラップをかけ、室温で15分間ほど発酵を続ける。
*この間にオーブンを250℃に予熱する。
型から出して粗熱を取ったら、ビニール袋に入れ半日から一日置いておく。
焼きたてではなく、水分が生地全体に回ってからが食べごろです。
「2時間で焼ける♪ロッゲンミッシュブロート」の詳しいレシピページはこちら。
ライ麦パンの食べ方
ライ麦パンのおいしい食べ方は、ライ麦の比率が高いほど薄くスライスするのが基本。
目安としては、ライ麦90%以上なら5mm、60%前後なら10mm前後、20%以下なら18mmほどの厚さにスライス。
そしてしっとり感を楽しむため、トーストするのではなく温めるくらいにするのも、おいしく食べるコツです。
ライ麦比率が高めのロッゲンミッシュブロートは、オープンサンドにするのがおすすめ。
クリームチーズにドライフルーツやナッツをたっぷりのせて、甘いサンドに。
バターやチーズをたっぷり塗って、お好みの具材をのせてお食事サンドにしても◎
動画でおさらい
穀物本来のうまみを楽しめるライ麦パン
ずっしりとした穀物本来のうまみがあるからこそ、強めの食材にも負けることなく、むしろ味わいが増すのがドイツパンの魅力。
小麦のパンとは違った「噛みごたえ」と「香ばしさ」が魅力のライ麦パン、ぜひ楽しんでみてくださいね♪